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ロスの山火事の被害拡大の原因は「とある規制」にある
※お知らせ※
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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
今日はこちらのポストから。
【ロス山火事16人死亡 現在も延焼中】https://t.co/UGAbmZ1Kxs
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 12, 2025
甚大な被害が出ている米カリフォルニア州のロサンゼルスの大規模火災ですが、山火事発生から6日経った今でも、炎の勢いと強風が依然として地域社会を脅かしており、一日も早い鎮火を願うばかりです。
まだ延焼中にも関わらず、この火災に対する責任論を議論するのは順番が違う気もしないでもないですが、あえて触れておくとこれだけ被害が拡大したのは防災予算の削減が原因という話には私は懐疑的です。
なぜならそもそも「適正にお金を使うこと」と「適正にお金を使えること」は別次元の話だからです。
備えは大事ですが、何が起こるかわからない限り全てに備えることは不可能であり、だからこそ「適正にお金を使えること」は理想論であり現実的には不可能です。
例えばもし発生したのが大地震だった場合は「学校や病院の耐震化予算をなぜもっと付けなかったのか」という話になるだけにしか思えないので、検証はすべきですが「だからもっと州政府の予算を増やせ」という議論に繋がる話は短絡的だと言わざるをえません。
とはいえ火災が鎮火し復興に進むと同時に「税金の使われ方」も議論されていくでしょうから、今後様々な事実が明らかになっていくことでしょう。
さて、この件に触れたので、せっかくですからこの減税新聞では他ではあまり触れられていない視点で
ロスの山火事の被害拡大の原因は「とある規制」にある
という内容で書いていこうと思います。
火災の被害拡大を生んだ規制とはなにか?
それは
ゾーニング規制
です。
「ゾーニング規制」とは地方自治体が地域に建設できる建物の種類や規模を指定する規制のことで、ロサンゼルスには古くから「一戸建て規制」という規制が存在しています。
一戸建て規制は文字通り「一つの土地には一軒家を建てることしかできない」というもので、住宅街の密集度を下げ、住宅地の環境を安定させることを目的としたこの規制はロサンゼルスの住宅地の75%に適用されていました。
これが慢性的な住宅不足と住宅価格の高騰の原因となっていたのですが、実はもうひとつ「ある現象」を発生させていました。
それが
WUI地域を居住区に変えたこと
です。
「WUI」とは「Wildland–urban interface」の略で、日本語に直訳すると「原野と都市の境界」という意味になります。
前述したようにロサンゼルスには「一戸建て規制」があるために、高層マンションを沢山建てることができません。
しかし人口は年々増えていくので、その住宅需要に対応するために人の住んでいなかった地域を開拓し住宅街を作っていくという「横への広がり」を続けてきました。
その結果、「WUI地域」が限りなく山や原野の近くになり、そうした地域に出来た「WUI地域の住宅街」は山火事の火が飛び火するリスクを高め、今回のように延焼していく要因のひとつとなっているのです。
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この件については、米国森林局もカリフォルニア州の「WUI地域」に510万戸の住宅があると報告し問題視をしていたり、またアメリカ都市計画協会も今回の火災地域を「火災危険度が非常に高い地域」に指定していました。
さらに米国消防局もその危険性を公式サイトで指摘をしています。
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つまり実は以前からこうした危険性は指摘されていたのです。
今回の被害を受けて改めて「一戸建て規制」の議論も行われることになると思われますが、そうした一面もあるということを知ってこのニュースを見ることも悪いことではないでしょう。
ということで、今日はここまで。
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