全体主義者は「匿名」を攻撃する
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
今日はこちらのポストから。
ここ数日の間にブロックされてる人も多いと思い、あえてスクショで載せておきます。
彼が、彼の「政府の安全保障政策は国民の自由や人権よりも優先される」という暴論に対して実名で反論しているアカウントもブロックしている事実はさておき、
匿名アカウントに対し「顔出せ、名を名乗れ」と威嚇するのは全体主義者あるある
です。
彼も類に漏れず匿名アカウントに対しマウントを取っていますが、実名を選んだのは自分自身であり強制されたものではありません。
説明するまでもないですが、SNSを実名でやろうが匿名でやろうが他人にとやかく言われる筋合いはないのです。
しかし全体主義者は「個人の選択」というものを軽んじる人達なのでこの当たり前がわかりません。
だからこそこうしたニュースに対しても、「誹謗中傷の被害の撲滅」という大義だけを妄信し、「言論への権力介入」という部分は意に介さず、逆に「もっとやれ」と政府の支配力の拡大を歓迎することでしょう。
もちろんネットでの誹謗中傷が許されない行為であることは当たり前であり、そこに議論の余地はありません。
しかしそれと「SNSの利用方法を他人が決め強要する」ということは別問題です。
なので今日は
SNSの利用において匿名アカウントという選択肢があることがいかに大切か
という話と
なぜ全体主義者は「匿名」を攻撃したがるのか
という点について書いていきましょう。
ということで1年前のものですがこちらのニュースをご覧ください。
こちらは
ベトナム政府がSNS利用者に対する実名登録を義務付けへ
というニュースです。
社会主義国であるベトナムは、経済政策こそ中央集権的な計画経済を捨て、「ドイモイ政策」と呼ばれる自由経済を導入したおかげですさまじい発展と遂げていますが、
「ベトナム共産党」による一党独裁国家であるが故に政治的には全く自由がなく、結党の自由や普通選挙はもちろん、報道の自由や表現の自由、集会の自由なども大幅に制限された国家です。
そんなベトナムが
SNS利用者に対する実名登録を義務付け
という更に一段進んだ強い規制を検討したというのが前述のニュースです。
しかし全体主義国家では「これは断じて匿名への攻撃でも言論の自由侵害でもない」と否定され、むしろ「これは自由のためである」と正当化されます。
実際のベトナム政府の説明を見てみましょう。
(以下は全て情報通信省対外情報サービス局のディン・ティエン・ズン副局長の発言)
このようにジョージ・オーウェルの小説「1984」に登場する「自由は隷従なり」という二重思考を、嫌でも連想させるような恐ろしい世界なわけですが
事実としてベトナムでは、2016年の報道法、情報公開法、2018年のサイバーセキュリティ法によって
が厳しく監視され、取り締まられています。
再度言いますが、名誉棄損や誹謗中傷への抑止は必要でしょう。
しかし「SNSの匿名利用の禁止」は、自由な社会に対する攻撃に他ならず「極めて深刻な脅威」となります。
なぜなら「匿名」は権力からの報復を恐れずに政府批判や告発が出来る方法だからです。
一党独裁という政府が強い権力を持つベトナムにおいて、SNSでの匿名が禁止されることは間違いなく「言論の委縮」を生むでしょう。
こうした「匿名への攻撃」は政府への不都合な意見に対する「事実上の検閲」であり、国家の安全と治安を守るという建前のもとで行われる「言論の自由への侵害」以外の何物でもありません。
そしてそのような規制は、SNSを「自由な言論と表現の場」ではなく
「政府が国民を統制するためのツール」
に変えてしまうことでしょう。
そうさせないためには
SNSの利用は実名か匿名かを利用者が選択できる
という部分を大切にしなければいけません。
言論や表現の自由に対する侵害は、ある日突然「今日から全面禁止!」と始まるものではありません。
「みんなのため」「安全のため」というもっともらしい理由で少しずつ規制されていくものです。
大義名分だけを見て、自らを少しずつ奴隷化する道を決して選んではいけません。
実名で利用するのか、匿名でするのかの判断は自分自身で行うべきであり、その選択を他人に強要する者でもありません。
ましてやそこに政府に介入させることは、個人よりも国家の意思を優先する全体主義を増長させるだけです。
よくある「疚しい点がないのならプライバシーを気にする必要はない」という意見は
「政府に全てを監視される刑務所のような社会でも構わない」
と言っているのと同じです。
言論や表現の自由に対する権力介入は絶対に認めないようにしましょう。
ということで、今日の記事はここまで。
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