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防衛力強化に必要なのは減税と歳出削減です

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのニュースから。

防衛費増額「財源は増税」が主流に 政府・与党 GDP比2%なら毎年5兆円必要…家計や賃金に影響も

岸田政権が目指す防衛力の抜本的強化に伴う防衛費増額の財源について、政府・与党内で所得税や法人税を想定し「増税で確保すべきだ」とする意見が主流になっている。
自民党の主張のように、防衛費を5年以内に国内総生産(GDP)比2%以上に引き上げるなら、新たな必要額は年5兆円。
所得、法人の2税で賄うとすると15%ほどの大幅な増税につながり、家計や賃金に影響する。

巷では防衛費倍増の財源としての増税議論が巻き起こっていますね。
これについては以前も一度記事にしているのですが、

改めて思うことをもう一度書いておこうと思います。

まずこの防衛費増税議論については、多くの人はいろいろな論点をごちゃごちゃにして論じているので不毛なものになっています。

この件は

①国防強化は必要か
②税負担率は増やすべきか
③政府歳出の拡大は必要か

の3点をバラバラに考えるべきであって、一緒にすべきではありません。

まず①の「国防強化は必要か」に対して「NO」という人はほとんどいないでしょう。
私も当然「必要」と考えます。

私が一番大切にしているのは「自由」です。
他国からの侵略は「日本国民の自由への迫害」であり、絶対に許されることではありません。
だからリスクが増えているなら「国防強化は必要」です。
国家による自衛権の独占はまた別レベルの議論ですのでここでは書きません。

続いて②の「税負担率は増やすべきか」については明確に「NO」です。
防衛費倍増の財源として「所得増税だ」「いや法人税増税で」という増税議論がありますがこんなもの論外です。
今の日本の税と社会保障の国民負担率は約50%です。

国民の稼ぎの半分も召し上げておきながら、まだ増税しないと国民の生命や財産を守れないという政府なら、逆に国民に害を与えるのでさっさと下野するべきです。

有事の危機が迫っていると言われている台湾の税の国民負担率は対GDP比でたった19.3%です。

この低い税負担率は、台湾政府が自国民の生命と財産を守らないという意思の表れなのでしょうか。
そんなわけありません。

国防とは軍事力だけではなく、外交や経済などを総合して初めて機能するものであって、国民負担を増やして防衛費を積み上げればいいというものではないのです。

政府がやるべきことは増税で国民の経済力を奪うことではなく、減税で相手国に負けない経済力を国民に持ってもらうことなのは説明するまでも無いはずです。

そして最後の③の「政府歳出の拡大は必要か」ですが、これももちろん「NO」です。
「増税ではなく国債で」という意見は少なくないですが、国債も国民負担です。
「国の借金は国民の借金で必ず国民負担になる」という話はこれまで何度もしているので、そちらを見て頂くとして

増税と同じで、防衛予算だろうがなんだろうが政府歳出を増やせば国防強化に繋がると思うのはあまりにも短絡的です。

こちらをご覧ください。

これは東京都荒川区にある「荒川税務署」です。
この荒川税務署は数年前に改修工事が行われ綺麗になったのですが、その予算は「震災復興予算」です。

東日本大震災の教訓から、大きな地震が発生した時の倒壊を防ぐための工事として、被災地から遠く離れた東京、大阪、兵庫の税務署に10億円を超える復興予算が付きました。
同じ様に復興特別会計から霞が関の合同庁舎4号館などの官庁舎の大規模改修工事に30億円以上の予算が付いています。

しかし同じ頃、被災地の石巻市役所についた改修工事の費用はわずか2900万円でした。
しかも当時の復興交付金には市庁舎の改修に使える予算が制度上無かったので、「駐車場のLED電灯の設置予算」を改修に回しているような状況でした。

なぜこんなありえないことが起こるのでしょう。

それは復興予算が余るほどじゃぶじゃぶにあったことと、被災地自治体ではなく役人が使いやすいように制度設計が組まれていたからです。

これらはその後、「復興予算の流用」として随分騒がれたので、慌てて1000億円以上を国庫に返納するなどの対処をしていましたが、当然騒がれなければそのままだったでしょう。

ちなみに前述した荒川税務署が改修対象に選ばれた理由は老朽化などではなく「耐震化工事に着手しやすい税務署だったから」だそうです。

このように、全国民が胸を痛め東北の復興のためならと受け入れた「復興増税」による予算もこうして食い物にされました。
この背景には「復興の定義」があります。

私達が考える「復興」とは「被災地の復興」です。
しかし国は違いました。

最初は「東北の復興が日本の発展」としていたのに、いつの間にか「日本の発展が東北の復興」になり、最後には「日本の発展のため」と変わっていったのです。
「復興」の意味が「日本の発展」となれば、復興予算は何にでも使えるようになります。
実際に東京スカイツリーの開業プレイベントは復興予算で行われました。

さて、防衛費に話を戻しますが、果たして「防衛の定義」とはなんでしょう?

例えば毎年数十億円の予算を使い、千数百人の中国人を招いては事実上の観光旅行をさせる「日中植林植樹国際連帯事業」というものがありました。

これが「日中友好のためだから防衛費」と政府が言い出さないと言いきれる根拠はありますか?
復興予算はその定義の幅をどんどん広げ、使いたいように流用したのに、なぜ防衛費はそうならないと言いきれるのでしょう。

日本政府は年間1.5兆円で出来た25円のガソリン減税を「財政に多大な影響を与える」として行いませんでした。
しかし同じ日本政府がやっていることは、その倍の年3兆円もの予算を掛けた25円のガソリン補助金です。
「防衛費増額」と言っているのはこんな政府です。

それなのになぜ国民への負担と引き換えに予算を積み上げれば、それらが清く正しく使われて国防が強化されると思えるのでしょう?

国防強化は必要です。

だからこそ「増税は許さない」「歳出も増やすな」「防衛費を増やしたければ他の予算を削れ」と言わなければ、日本政府は永遠に国民負担を増やし続け、予算をばら撒き、その結果、国民は疲弊し経済力は奪われ、国防力は低下していくことは明白です。

「増税も国債も許さない。予算は他を削れ。逆に減税しろ。」というのは国防強化のためです。

必要なのは減税と政府全体の歳出削減なのです。

ちなみに前述した税の国民負担率はがたった19.3%の台湾は、歳出も減らし続けており

その結果、一人当たりのGDPは日本を軽く追い越しています。

日本政府が言うように、

増税での国民負担の更なる増加と政府の肥大化こそが国防強化に繋がる

と考えるのか、それとも

台湾のように低い国民負担率と政府のスリム化を目指すことが正しいのか。

私は後者が正しいと思います。

ということで、今日の記事はここまで!

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