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「国の借金は誰のものか」という言葉遊びを止めよう

※お知らせ※
減税新聞では有料記事設定をさせて頂いていますが、筆者のやる気の源であるプリン代になる投げ銭的な意味合いですので、記事は全文最後まで無料でお読みいただけます。

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

新年度予算にどこまで減税が入るのかが大詰めとなる非常に大事な時期にも関わらず、ガソリンの暫定税率廃止議論が全く話が進まないことが頭に来すぎてSNSも低浮上な今日この頃ですが、それにも関わらずいつも以上にフォローされるのでおかしいなと感じていたら、どうやらYouTubeにて生配信されているニュース解説番組「ニッポンジャーナル」にてこのnoteが紹介されていたようです。

内藤陽介先生、いつもありがとうございます。

ただ混同されるとあれですのでひとつだけハッキリしておきますが、減税新聞は国債発行による政府予算の肥大化を認めておりません。

当然減収分を赤字国債で穴埋めするような減税も良しとはしていません。

減税は歳出削減をもって行わなければ無意味だからです。

あくまでも「政府を削れ」というのが持論ですので、税収であろうが国債であろうが政府予算の肥大化には一貫して反対しています。

さらにいえば「国の借金は誰のものか」という言葉遊びにも興味がありません。

なぜなら

国債を誰が負担するのかを決めるのは経済評論家でもあなたでもなく政府だから

です。

政府は正しい事をする組織ではありません。

「政府にとって何がベストか」を決めるのが政府です。

それは国債も同じです。

誰が負担するのかを決めるのはあなたではなく政府でしかありません。

例えばガソリン税の2重課税や課税根拠消失の問題、50年続く暫定税率は誰がどう考えても理屈の通らない話です。

しかし国会や税調で語られているのは、増税ありきのそれっぽい後付け理由だけであり、そこには「何が正しいか」なんて話は存在していません。

あるのは

増税する屁理屈として何がベストか

だけです。

だからバラマキでは問題にならない財源が税議論では持ち出されるわけです。

そんな政府に「国債は政府の借金だ」と言ったところで何になるというのでしょう。

実際問題として政府は潜在的国民負担率という言葉で「財政赤字は国民負担」と定義しています。

また「財政構造改革の推進に関する特別措置法」においても「税と社会保障の国民負担率とは財政赤字を含めるもの」としています。

国債発行をしている日本政府が「財政赤字は国民が負担するもの」と法律にまで謳っているのに、あなたが「国債は政府の借金であって国民の借金ではない」と言ったところで「じゃあ政府が払います」とはなるわけがありません。

有権者が何を言おうが、どんな理想論を掲げようが、どんな理屈を付けようが

「財政赤字は国民負担」

と政府が言っているのですから残念ながら「国の借金は国民の借金」なのです。

机上の空論や理想論とおりに政府が動くなら共産主義だって上手く行くでしょう。

国債発行で国民が豊かになり、経済が発展していくならどこの国もそれをやるでしょう。

でも現実には財政赤字を積み上げたことによるインフレで国民生活が破綻した国はあっても地上の楽園になった国は存在しません。

したがって「国の借金は国民の資産」と机上の空論で喜んでいる限り政府の肥大化は止まらず、国民生活はインフレにより苦しくなる一方でしょう。

権力を拡大したい政府にとって「国の借金は国民の資産」という机上の空論ほどありがたいものはありません。

だからこそ大切なのは非論理的で理不尽で非効率な政府を限りなく小さくすることです。

豊かな社会とは政府予算が増えることではないのです。

アメリカではトランプ氏が大統領に就任したことは皆さんも知るところですが、その大統領選には共和党唯一の黒人上院議員であるティム・スコット上院議員も立候補を表明していました。

彼は対立する民主党から「Tea Party extremist(ティーパーティー運動の過激派)」と呼ばれるほどの「財政保守派議員」なのですが、そんなティム・スコット上院議員の打ち出していた政策が

「Build. Don't Borrow(借金なき再建)」

です。

これは当時の大統領だったバイデン氏の看板政策である1兆7000億ドル規模の気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」をはじめとした「政府支出の拡大こそが社会を豊かにする」というリベラル左翼のバイデン政権らしい政策に対するカウンター政策で

「社会を豊かにするのは政府ではなく民間市場だ。だからこそ減税し、政府支出を減らし、市場の邪魔をする政府規模を縮小すべきである」

というこれぞ保守派といった思想を前面に出したものでした。

残念ながら彼は大統領選からは撤退してしまいましたが、海外にはこのような「政府を削れ」という財政保守的な考え方が当たり前にあります。

しかし日本には「政府支出を減らせ」という国会議員は誰もいません。

誰かを指先し「左翼だ」「リベラルだ」と嘲笑う人は沢山いますが、そういう人の多くが「政府支出の拡大こそが社会を豊かにする」というリベラル左翼のバイデン政権と全く同じ政策に賛成しているのがこの国の現状です。

念のために言っておくと、私自身は共感は一切しませんが社会主義や左翼やリベラルにカテゴライズされる政治思想があることは理解しますし、そうした人達がいることが普通だと思います。

問題は「左翼がいること」ではなく「日本には財政保守という考えがほぼ存在しないこと」です。

選択肢の無いことほどある意味恐ろしいことはありません。

「一方の意見しか存在しない社会」は、荒い解像度で見れば北朝鮮などのような独裁国家と同じだからです。

「政府を削れ」という考えがほぼ存在しないからこそ今日書いた「国の借金は国民の借金」という考えには賛同できない人も多いことでしょう。

しかしあなたが「保守」を自称しているなら、その「国債を発行し政府支出を拡大することこそが社会を豊かにする」という考えがリベラル左翼と全く同じであることも自覚すべきです。

「減税し、政府支出を減らし、市場の邪魔をする政府規模を縮小すべきである」

「ニッポンジャーナル」さんからここに来た人も多いと思いますが、このような「財政保守」という政治思想が世界には普通にあり、そうした「政府を削れ」という考えを広めるためにこの減税新聞を書き続けていることを一人でも多くの人に知って頂ければと思います。

ということで今日はここまで。

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