役員給与の手取りってどれぐらい?
・はじめに
社会貢献や自己実現をしたいと考えて起業した人も少なくないと思います。
しかし、やはりリスクを取ったからにはそれに見合う報酬もほしい。
そう考える人も多いのではないでしょうか。
そこで、社長(役員)に対する給与の手取りがどれくらいなのか?、シミュレーションも交えて書いていきたいと思います。
・控除されるもの
当然ですが、額面のすべてをもらえるわけではなく、社会保険料や税金が控除されます。それを以下に列挙していきます。
・健康保険料
50等級分かれており、一番低いのが標準報酬63,000円未満の場合で、一番高いのが標準報酬1,355,000円以上です。これ以上給与が多くても、保険料は頭打ちとなります。
40歳以上の方は、右の赤枠に該当する部分11.45%を負担していきます。
会社と本人の1/2の負担(割り勘)です。
例えば、月額の役員給与が500,000円であれば、28,625円の健康保険料が控除されることになります。
・厚生年金保険料
図の見方は健康保険料の場合と同じです。
32等級分かれており、一番低いのが標準報酬93,000円未満の場合で、一番高いのが標準報酬635,000円以上です。
・所得税
詳細は割愛しますが、超過累進税率で所得が上がれば上がるほど税率も上がります。
役員報酬は給与所得として扱われるため、下記のシミュレーションに記載の通り、給与所得控除額(収入に対応する経費みたいなもので、収入に応じて決まっている)が控除されます。
また、上記の健康保険料・厚生年金保険料は、支払った額が所得控除となります。そのため、所得(利益)が圧縮され税務上有利となります。
詳しくは、いかのシミュレーションを参照してみてください。
・(個人)住民税
住民税には、①均等割、➁所得割、③利子割、④配当割、⑤株式等譲渡所得割が有ります。※以下、東京都在住を前提
①均等割は、定額(5,000円)で課税されます。
内訳は、都民税1,500 円と区市町村民税3,500 円です。
(地方税法38条、310条、地方税の臨時特例に関する法律)
➁所得割は、前年の所得(利益)に応じて課税されます。
総所得金額に対する税率は10%です。
内訳は都民税4%、区市町村民税6%となっています。
※その他分離課税については割愛
③利子割、④配当割、⑤株式等譲渡所得割に関しては、住民税に関する解説で触れていくため、ここでは割愛
・まとめ(シミュレーション)
以上のような項目が控除されますが、具体的なシミュレーションをするとイメージがわきやすいと思います。
そこで、以下にエクセルを添付しましたのでぜひ使ってみてください。
黄色い部分(月額の給与)を入力するだけで、自動的に手取り額がわかります。※都内在住40歳以上の単身者を想定しています。
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