わかる最後の1週間
~ イントロダクション ~
わかりてとしての気持ち
贔屓目かもしれないけどアイドルが必要な要件をほぼ全て内包しているのが川井わかで、
故に、ここがすごい!とかここが好き!みたいな特徴や印象を抜き出しても、
彼女を説明するには足りないような気がして、最後のライブの感想を書き出せなかった。
だから彼女のことを書こう!みたいに意識をせず、せっかく1週間横浜に居たのだから、
日記形式で書いていけば書けるのではないか?そしてそれなりに伝わるのではないか?
という考えに至り今書き始めている。
彼女を一言で説明するなら「理想のアイドル」というとても抽象的な言葉でしか言いようがない。どの方向から見てもアイドルとしての要素を兼ね備えているのが川井わかだと思う。なので理想のアイドル像とは?と問われれば、「NUANCEってグループに居た川井わかって子の7年を知ればいいよ」
~ プロローグ ~
名古屋全曲ワンマンの特典会にて
「あの…気持ち悪いかもしれないですけど19日から一週間横浜住みます」
「うそ!やったねー!わかちゃんウィークじゃん!」
「そうっすねぇ」
「横浜在住ご近所じゃん!川井わかとNUANCE満喫しなよ〜」
「そのつもりです!」
~day.1~
2024/3/19
日本横浜化計画会議という名の生誕祭。
事前準備をせず、なんの対策も立てず汐崎初音の領域展開に踏み込んでしまい、
無事生きて地元に帰って来れたのはホントに運が良かっただけだと思う。
まだ続く既浜の後遺症…
開演すぐに舞台袖から飛び出してきた推しメンがおジャ魔女カーニバルをステージで歌う確率ってどれぐらいなんやろ?って考えてたらプリキュアからの大声ダイヤモンド。確率なんてどうでもよくなった。
その後、猫耳付けて最上級ぱらどっくすを歌うきょうみちゃんとはっちゃん。次は何を歌うんだ?とクラクラしてたらまさかの1曲で終了。さらにクラクラした。
そんなところに息つく暇なくから揚げ(海月ちゃん)とラーメン(はっちゃん)という女性漫才コンビ登場。ネタとして成立してて海月ちゃんの才に驚いた。
このステージ達の直後にNUANCE。ようやく安心?して観れると思ってたらよつば(はっちゃん家のワンコ)祭でもうなにがなんだか…今まで経験したことのない生誕祭だった。これもNUANCE。深い。ホームの安心感が作りしステージ。ピリカピリララ。
~day.2~
2024/03/20
朝活。桜木町の横浜ブルグ13で映画
「ビニールハウス」
うーん…いまいち。
さとりモンスターが主催する「バトルモンスター」とNUANCEが主催する「ダブライズ」この2つのイベントを掛け合わせた「バトライズ」馴れ合いではなくガチバトルが観たかったので大満足のツーマンだった。一曲ごとにグループが切り替わっていく中で、互いの世界観のぶつかり合いが、いい緊張感を生んでて、でも楽しいって空気感もしっかりあってとても良いイベント。お互いのメンバーの人柄なのかも。これからもやってほしい。
そんな中でも特に印象に残ってるのはhighlight。これ歌うのひょっとしてもう最後じゃないか?と予感させる(実際最後だった)気持ちの入りようで、特に最後の視線と指先の表現に、大きな想いが込められているような気がして胸が苦しくなったのを覚えている。
大ヌュマは恭美ちゃん無双とフジサキさんが終始雑に扱われるという、
大阪ヌュマを再現したような楽しい時間で、
これがわかちゃん最後のヌュマなの?!ゆるくない?って思いつつも、
これでいいよね、これがいいよねって幸せな空間だった。ちなみにタイムリープ設定を守ってたのは海月ちゃんだけ。真面目。
イベント後の特典会、23日と24日は川井わか列がベイブリッジまで伸びるのは必定で、ゆっくり話せるのは今日が最後だと思い、久しぶりに時間が許す限り並んだ。私物サインで長年使ってるブックカバーにサインもらったりしつつ、やっぱ話すのも楽しいなーなんて思ってたら、ふいにありがた過ぎる言葉をもらって、泣き崩れそうになり自分からはがれちゃったりして申し訳なさが半端なかったけど、ヲタク冥利に尽きるとはこのことかと骨の髄まで沁みてしまった。お言葉、墓まで持っていきます。
~ day.3 ~
2024/03/21
この日は1日しっかり仕事。といってもテレワーク。場所は横浜・寿町。
日本三大ドヤ街の一角。ここに1週間住むのだと伝えると、特に横浜近郊に住んでる方々に大丈夫なの?なんでわざわざ?と口を揃えて言われたし、特典会列で寿町の話してると「治安が〇〇なのでやめておいた方がいい」と親切に教えてくれる方までいた。でも、一度ゆっくり腰を据えて滞在してみたかったのは、「寿町のひとびと」という6年の歳月をかけて取材したノンフィクション本に影響されたため。わかちゃんにこの話したらわかちゃんも買ってて(でもまだ未読だそう。もう読んだ?)驚いた。
後、安い。とんでもなく安い。しがない薄給サラリーマンのお財布にとても優しい。
昔に来たことないので読み物や映像、人づてにしか知らないけど、実際みんなが思ってるような土地だったのかもしれない。今、足を踏み入れてもその雰囲気は窺い知れる。しかし、野蛮で危険な空気は無い。流入してくる人は少なく、居る人たちは歳を取った。今をもう福祉の町だ。朝や夕方は杖ついて歩いてる人の方が多いぐらいだし、福祉スタッフの女性が頻繁に建物を行き来している。安全だとは言わないけど、少なくとも避けられるような土地ではない。むしろ侘しさや寂しさ、物悲しさを感じる町だった。NUANCEの曲に「carmine泥んで」ってあるけど、寿町が今に至った無常さをよく表現できてると感じた。
詳しくは本読んだ方が確実にタメになるので多くは語らないけど、少なくとも今の華やかな横浜を作ったのは、政治家でも建設会社でもなく、寿町に今も住んでる、その昔住んでいた人達が多く含まれているんじゃないかな。
~ day.4 ~
2024/3/22
仕事をしつつ横浜散策。散策しようと思ったきっかけはわかちゃんのインスタとNUANCEのアー写。いつだったか美味しそうなお店の写真を載せてて、過去にお仕事で行った店へ再訪してるのかな?食べてみたいので行ってみよう。じゃあついでに景色よさげなところ回ってみよう。そういや過去のアー写撮った公園あるって言ってなかったっけ?
ちょっと歩くけど何とかなるっしょ!と思って寿町を出てわかサンポ。
最初は浜マーケットの三角コロッケ。
形よりもその食感に驚いた。
これは唯一無二やもしれん。
次に根岸森林公園。辿り着くまでの道のりが地獄!斜度のキツい坂道を登り続ける。でも、来て良かった。富士山まで見えた。ここを撮影場所に選んだのも頷ける。
その後、イオン本牧内にあるふじやま亭。オムライスのご飯が炒飯のオムチャンを食べに来た。セットで頼んだラーメンを啜った瞬間ノスタルジー。
最後は本牧山頂公園。ここに限らず、横浜は小型犬を散歩してる人が多かったけど小型犬推奨タウンなの?お天気も良くて、見晴らし最高。街並みを眺めながら明日、明後日のこと考えたり、NUANCE好きになってからのことを思い返したり、わかちゃんにもらった言葉思い出したりしながら、次はいつ横浜来るんだろうなって思うと街並みが少し切なく映った。
夜は友人が横浜まで来てくれたので一緒に飲みながらヲタク談義。金曜日の横浜は予約してなきゃ店に入れないんだと知った夜。5件ほどまわってやっと相席でよければと入店できた。何を飲むか、何を食べるかよりも誰が向かいに座ってるかがとても大事。お互い長いことヲタクやってるからくだらない昔話や、卒業する推しメンについて(友人の推しも6月に卒業)色々喋っていい夜になった。
~ day.5 ~
2024/03/23
仲間と待ち合わせてまたまた桜木町の
横浜ブルグ13で映画
「デッドデッドデーモンズ
デデデデデストラクション」
観に行った方がいい。絶対観な。
横浜Bay HallにてフェヌュⅩ
川井わか最後の対バン。最近長丁場の対バンに行かなくなってたので体力持つかな?と心配だったんだけど一組ずつ見ごたえがあってどのグループも良かった。
その中でも特に心に刺さったのは
RAYの「フロンティア」
最後にこれはズルい。もはやチート。
『君はフロンティア
僕が立つこの道を照らし続ける
たったひとつの光
明日へ向かうのは
君のためではなくて
それでもきっと生きることが
君への愛(love)』
川井わかの盟友、内山結愛がいるRAYがこれを最後に歌う。泣くだろ。
ラスト対バンに出演するわかちゃん。明日は出来るだけ前の方でみたいなって思いがあって、
だったら今日はフロアも全部見渡せる後ろで見ようとPA席の裏、3段目に居たんだけど、めっちゃ人入ってた。見渡す限りの人・人・人。
そして赤いサイリウムとペンライトがたくさん瞬いてて、とても綺麗だった。
ラスト対バンや卒業公演って今までその人がどんな活動をしてきたかを可視化できる、
一種の答え合わせのような気がしていて、そういった捉え方の上で見た赤に染まるフロアは、
川井わかというアイドルはグループや界隈を超えて色んな人に愛されてきた稀有なアイドルなんだと雄弁に語っていた。
ミライサーカスのわかちゃん、本当に楽しそうだったなぁ。こんなに幸せなのに明日終わってしまうのか。
~ day.6 ~
2024/3/24
朝は久しぶりに会う友人と
横浜観光王道セトリ。
空中さんぽしたくてエアキャビン。高所恐怖症なこと忘れてた。
10:00運転開始で念のため9:30に待ち合わせして並んでたらオープンするころには前日の川井わか特典会列ぐらい並んでてビビった。
天気が良ければもっと気持ちよかっただろうから再チャレンジしたい。
赤レンガ倉庫。観光客で中はみっちり。横浜・元町の香水があった。今頃になってどんな匂いだろうって気になってきた。嗅いでおけばよかったな。くだらない話や大事な話、知り合って長いのに、初めて聞く知らなかったことで驚いたりしながらぶらぶら。
「特急 元町・中華街行き27分」のアー写撮ったカフェ。おしゃれ過ぎて入れない。
中華街、フカヒレまんの公生和。
ここもわかちゃんが写真あげてたので来てみたかったところ。想像の2倍ぐらいの大きさで驚いた。フカヒレちゃんと入ってた。ちまきもゴマ団子も美味しかった。
元町のカフェ ラ ミル
ティーカップやソーサーが同じブランドで統一されおり、デザインが全部違ってて可愛かった。珈琲も桜のシフォンもホットケーキも美味しかった。中華街の人混みからも離れられるので疲れたら元町オススメ。
横浜Bay Hallでバンドセットワンマン。
川井わか卒業公演。
わかちゃん史上最高に特別だ。この日しかない。今日を限りに川井わかが居るNUANCEはもう観れなくなる。そんな特別なステージなんだけど、僕の序盤の印象は「いつも通りのNUANCE」だった。そこでフッと頭をよぎったのは、彼女たちが毎回見せてくれていた景色は常に特別だったんだということ。毎ステージ「最高」を届けようとしてくれていたんだという事実。気付いた途端、今までの様々なライブが思い出されて、今の目の前で歌い踊る彼女たちと重なって思いが溢れた。特に進行の説明もなくMCも少なめでライブパフォーマンスに徹して進んでいくあたり、これがNUANCEだよね、わかってるでしょ?わかってよ。と問われてるような、NUANCEはいつだって最高を届けてるから今日もNUANCEで楽しみなさいよと言われてるかのような気がして、わかってるよって心の中で頷き乍らいつも以上に楽しんだ。
そんな中、一旦メンバーがはけて、次に出てきたのは嘉風さんとわかちゃんの2人。
「スタンダードになりたくて」
聴きながら特典会に行くようになった頃のことから思い出してた。
行きだした頃はこっち側に降りてきてくれるタイプというか、親近感や親しみやすさで楽しくなるタイプだったけど、オリメンが卒業してゆき「川井わか」になった頃から少しずつ前述の親しみやすさはそのままに、アイドルとして自分にできることはなんだろう、目の前に居る人を笑顔にするにはどうすればいいだろう、というような思いをより強く感じ始めたというか、適切な言葉ではないかもしれないけど「立ち位置と見せ方の変化」があったように思う。
パフォーマンスが明らかに変わった(ように感じた)のもこの辺りで、ある種のオーラをまといはじめて見入っちゃうことが増えていった。
その頃から僕は徐々に尊い存在としてわかちゃんを感じ始めたようで、いつの間にか敬語で話すようになっちゃってたし、行く頻度も明らかに増えていった。僕は川井わかをスタンダードだと感じる。この歌を聴いたとき腑に落ちた。
前のnoteにも書いたけど、観た人に関わった人に感動と楽しさを与えようと、アイドルの在るべき姿を体現しようとした日々こそが彼女をスタンダードさせたのかもしれない。
そんなこと考えながら、彼女の愛の歌が心に届いて救われた日々を思い出しながら聴いてた。
「愛」という言葉が嘘に聞こえない、数少ないアイドル。
そして手紙。ステージで闊達にふるまい、そのパフォーマンスで人を魅了する彼女が、緊張で震える手を必死に抑え、涙をこらえるもこらえ切れず、ところどころきれぎれに話す姿に、正直少し驚いた。
けど、今こうして語ってるのはNUANCEの川井わかでもあるし、普段僕たちに見せることがなかった中の人の「わかちゃん」がありのままを語っているのかもしれないと思えば、こうなってしまうのも頷けるなとも感じた。勇気と覚悟が必要だったろうなぁ…手紙の中で、卒業が決まり最後にやりたいことは何?と問われた彼女は「1番になりたい」と。
アイドルを生業としている人であれば一度は必ず当たり前に持つであろう思いを言葉にするまで、彼女には7年の歳月が必要だったのかな。この言葉に込めた想いの強さと儚さが尊くて眩しくて。
1番になりたいと口に出さずとも、わかちゃんが歩いた7年は誰にも真似できない1番の軌跡で、そしてその軌跡は彼女を応援する人達の、今を変える1歩を踏み出す勇気をくれる、そんな7年でもあったように思う。
そんな彼女の最後のわがままは
「わたしのことを忘れるぐらいみんなが幸せになること」
だって。これだけ幸せと喜びと希望を与えといてそりゃ無理でしょ。
でも、とってもわかちゃんらしい言葉でここでも笑顔にさせられてしまった。
手紙を読み終えた後のステージはまたいつも通り最高のNUANCE。
ポップコーンみたいに幸せが弾けたり、切なさの海に揺らされたりと
「そうそう!これこれ!これが川井わかの居るNUANCE!」と嬉しくて仕方なかった。
わかちゃんにも以前伝えたけど、最近あるヲタク仲間と久しぶりにNUANCEを一緒に観た後、
『昔は間奏や歌詞の間に秘めた思いや感情を表現するような「静」の印象が強かったけど、今は歌詞やダンスでダイレクトに感情を伝え表現する「陽」の印象に変わったよね。
同じ曲でこんなに印象が変わることに驚いた』と言われて、自分が言語化出来なかった変化をなんて的確でわかりやすい言葉で言ってくれたんだと感心したし、進化と変化が伝わったことがめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えてる。
今の「陽」のNUANCEは他のメンバーに支えられながら川井わかが築き上げたものに他ならないから。
わかちゃんはよく「太陽・明るい・元気」という言葉で語られているし、僕も実際そうゆう印象を持っているけど(晴れ女属性なんかも!)最初からそうだったわけじゃなくて、求められたり、理想を追いかけたり、必要に迫られたり、誰かに影響されたり等、そんな数えきれない試行錯誤と研鑽を経て、紆余曲折の末に作り上げたものなんだよね、きっと。
その「陽」の結晶が今目の前で弾けて輝いてる。見逃しちゃならない。
ありとあらゆる感情がない交ぜになりながらも夢中で楽しんでたら、
終わってしまった。
清々しさすら感じるほどにさっぱりと。
最後まで川井わかが居るNUANCEらしさを貫き通したなって感じたし、この潔さは真っ当にアイドルをやってきた証だと思うし、いつも通りのライブの間にソロ曲と手紙を挟むあたりに、最後のステージでわかちゃんが伝えたかった意図が見えたような気がして彼女らしいなって思った。
関わった全ての人とNUANCEを楽しみつくして終わりたかったのかもなんて。
本音を見せることへの照れ隠しもあったのかな。そして僕たちが涙ではなく笑顔で終われるように。
川井わか最高!
最後の特典会、「ありがとうございました」と言いながら自然と頭を下げていた。心から謝意を伝えたくて頭下げたのっていつ以来だろ。
nuanceもNUANCEも横浜も好きになれたのはわかちゃんのおかげです。
そしてわかちゃんが大好きです。
この繋いでくれた気持ちはこれからもずっと僕の中に在り続けます。
だからやっぱり最後のわがままはきけないなぁ…
後、これは勝手な僕の思い込みだけど、僕達はちょうどいいゆるい感じでハローをして、
アイドルとファンとして最高の形でグッバイが出来たと確信している。
そうでしょ?わかちゃん。
~ Day.7 エピローグ ~
2024/3/25
1週間の最後は雨だった。
あなたの幸せを願う沢山の言葉と想いが、
あなたのそばに在り続けますように。