見出し画像

うさぎの存在

昨年、我が家にうさぎがやってきた。

もともと私の実家では犬を飼っており、溺愛していたが仕事でなかなか実家に帰ることもできずにたまに会っては癒されていた。
結婚をし、夫と二人で暮らすようになって愛するわんこもおらず、自分の家族以外の人間と暮らすというのがとっても大変ということを実感した。

何が大変かって相手の機嫌がもろに自分に突き刺さってくること。私は基本的に平和主義なので感情の起伏が激しくなく、ぼーっと自分に起こるすべてのことをさらりと受け流せる方なのだが、夫は私とは真逆のすべてことに一喜一憂しているタイプ。毎日いろんなことに感情を大きく揺さぶられている。(まあ私が持っていない感情なのでそれがすごいなとも思っているが)
基本的に夫は真面目なので、自分の常識(世間の常識)に反することをする人がいると拒否反応を示し私に対して言葉&態度で示してくるので、一緒にいるとよくその文句を浴びることになる。
わたしはそれが最初嫌で嫌で仕方がなかった。その聞く態度に関しても怒られたことがある。最近は随分それにも慣れて、聞いているフリがスキルアップした。
夫は自分がそういう性格なのは重々承知しているようで常に動物を飼いたいと言っていた。人間以外のものに癒されたいらしい。わたしも愛するわんことは離れ離れなので犬ではなくても動物いたらいいな…と思っていた。

少し話が脱線したが、そんなある日友人がインスタでうさぎの貰い手を探しているという投稿を発見。これは!と思い夫にそのことを伝えるとすぐにいいね!となりトントン拍子でそのうさぎを見に行くことになった。
ペットショップでうさぎも見ていたがやはりかわいい子は3万円以上する。タダで譲っていただけるなんて何てラッキーなんだ!とうさぎを実際に見に行くと(夫と私のイメージではお家で飼っていた子が飼い主の事情で飼えなくなってしまったのだろうと思っていた)人里離れた場所にどんどん連れていかれるではないか。ちょっと不安になる私たち。
着いた場所は、広いお庭がある農家さんのお家。
目の前には金網に囲われたうさぎ”小屋”!これはそういう事である。外で飼われているうさぎであった。(小学校で見たよこの光景)瞬時に夫と状況を把握。譲っていただけるのは私たちが想像していた”うさぎ”ではないことを。夫と雨が降る中、連れてきてくれたおじさんに放置され、金網越しにうさぎを眺める。「か、かわいいね!」、「そ、そうだね!うん!」みたいな会話をした覚え。ひとまず抱っこしてみたいよね。となり、どこかへ消えたおじさんを探し、「す、すみません。抱っこしたいんですけど・・・」と聞いてみると、そのおじさんは、「だっこぉぉぉお!?」とこんなうさぎをだっこしたいのか!?みたいな感じで言われ、そこらへんにいる(ちなみにめっちゃうさぎいる。20匹くらい笑)静かめなうさぎを見つけ、なんと瞬時に耳をぎゅっと掴み(まさに今狩りました!みたいな)「はいっ」と渡された。
その光景が夫と私は衝撃すぎて一瞬固まり、「え、え!?うさぎってそういう風に持つの!!!!!?」となった。笑 絶対違う・・・と知らないけど確信があり、とりあえず動物園のふれあいコーナーを思い出し、かかえるような感じで抱っこする。そう、抱っこしたら最後なのである。”かわいい”。
ふたりでそのうさぎを返却することもできず、「あ、じゃあ・・・この子で」と譲り受けることになった。笑 おじさんは何か入れるものあるのかと聞くので、特に何もないことを伝えると「待っててくれ」と家の中に消えていき数分後、段ボールに穴が開いた”うさぎ仕様”段ボールを持ってきてくれた。その段ボールに入れるときもまた衝撃だった。あの耳を掴まれた状態で穴にずぼっと入れた…。その時に穴に入っていくうさぎの表情・・・夫と今でも話題になるくらい衝撃的な顔してた。
そんなネタとしか言えない譲り受け方をし、家に帰ってくる道中で名前をどうしようかとなり、私は一生懸命考えていたのだが、夫に名前どうする?と聞いたら、適当に「にこみでいいんじゃない?」と言うではないか。「何、にこみって。」と聞くと、「だって段ボール見てみ、煮込みラーメンの箱だし」とこちらも衝撃的発言であった。そんなのは嫌だ!と思っていたのだけど、あまりにもしっくりきすぎて結局我が家のうさぎの名前は「にこみ」になった。

にこみちゃんが来てこの春で1年。もう我が家にはなくてはならない存在になっている。私も夫もベタ惚れしている。夫のストレスはにこみのおかげで少しは軽減されている。疲れて帰ってきてもにこみにまっしぐら。以前のあの仕事から帰ってきての不機嫌と愚痴はかなり少なくなった!!!にこみ様様である。本当に動物の存在はすごいと思う。言葉を発しないが存在だけでここまで癒しをくれるとは。うんちしながら走ってきたり、充電ケーブル嚙みちぎったり、マットかじってボロボロにするけど、それでもにこみはかわいい。我が家に来てくれて本当にありがとう。これからも楽しく暮らそう!

うさぎの名前なんていうの?と聞かれ「にこみ」って言うとみんなに「え?」っと聞き返されるので、このエピソードを交え伝えている。この話は我が家の鉄板ネタとなった。ありがとうにこみちゃん!






いいなと思ったら応援しよう!