父がただのクズだと気づく35年目。

恋愛をするとき、私は男の人は行動で全てを判断するようにしていた。
言っていることは信じない。
そう決めたのは親を見てだったと思う。それ以外に基準がない。
親ぐらい愛情をくれて行動してくれる人でないと無理。そう考えていた。

けれど今目の前にいる父親は、口だけのただのクズだ。
いつからそうなったのかわからない。

今の父親は、アル中、貯金なし。全ての自覚なし。悪気ゼロ。
口をひらけば「家族のために頑張ってきた」「いつ迷惑をかけた」

なにもできていないのに、できていると思っている。
それも本心で。そういう性格なんだろうと思う。
母は父のことを口だけの男だとずっと言っていたが、今やっとその意味がわかった。嫁に見せる顔と娘に見せる顔は違う。

きっと、生まれてからずっと本気で嘘を言い続けている人なのだ。
愛していると言ったら愛しているつもりだし、
大切にしていると言ったらそのつもり。
迷惑かけていないと言ったら本心でそう思っているから、私たちができていないというとキレる。実例をあげて見せても認めない。
もしくはアルコールで忘れている。アルコールで年齢よりも老化した頭には何も残っていない。

父が迷惑をかけている動画を見せたら絶句していた。
少しは薬になるといいけど。

口だけの人の思考回路がどうなっているかわからないけれど、
自分に酔っていて、結局自分しか見ていない。
目の前で困っている人のことを、傷ついている人のことを、表情を見ていない。
何も見ていないのが、口だけの人。

見たいものだけを見て、ないところは脳内で保管して、
言葉だけ紡ぐ人。

そういう人は、好き、愛している、大切としか言わない。
悪いことは一切言わない。

人なんだから、悪いところもいいところもあるのに、悪いことは一つも指摘しない。
なんだったら、そのままでいいという。

他人と向き合ったことがなく、自分とももちろん向き合ったことがない。
ただただつらつらと、自分の気持ちだけを言い続ける。

本当に口だけの人なんだと気づいてどっと疲れた。
それでも、優しくしてくれと言い続ける愚かな父。

私はもう、どう接したらいいかわからない。

退院まで日がない。一生病院に入っていてほしいのが本心だ。