「食卓のない家」円地文子
食卓のない家/ 円地文子を読んだ。何ともそら恐ろしい小説です。
日本人の価値観を混ぜくり返そうという" 悪意 "を感じます。現実に起きた事件を題材にしている事は一見して明らかですが、実際には有り得ないような設定を潜り込ませています。そのことが返って、強いリアリティを喚起しているように思います。これが書かれた時、作者は74歳。その歳で、文学で何かを起こそうとするというのは、若気の至りで行うのとは全く違うだろう。この人は本気なのだ。その力には驚くばかりです。
(2019.11.28. instagram(philosophysflattail)に書いた記事です。)