タイミングを見計らった指輪
指輪が見つかった。
1か月前ほどから無くしたと思っていたものだった。
この指輪はあの人と一緒に出掛けた時に買ったもので、無くしてから数日は自分の手を見るたびに少しへこんだ。
その指輪がソファの隙間からみつかった。
見つかった瞬間はうれしかったけれど、やっと踏ん切りがついて新しいものを購入した矢先だった。
また少し気持ちが揺らいだときに限ってこうして見つかるなんてなんとも
うらめしい。
当のあの人といえば一緒に買った指輪をずいぶん前になくしている。
(同じ指輪ではない)
たわけなばかりにこちらだけが損をしている気分だ。
この情けない状態はいつまで続くのだろうか。