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初めての海外ひとり旅3

2日目の続き

バスの駅に着いて、サンクラブリーへのチケットを買いに向かった。バスではなくて、エアコンバスと言う小型バンの乗り合いタクシー的なものに乗るために。

チケット売り場は、旅行会社みたいな感じで建物に入るとクーラーが効いてて待合コーナーがあった。その奥にはガラス越しの部屋があり、そこがチケットカウンターになっていた。

カウンター席には誰もおらず、ガラスの部屋の真ん中のテーブルで皆でお喋りしながら果物の皮を剥いている。こちらに全く気づかない。エクスキューズミー!!って何回か言ってやっと気づいてもらった。

サンクラブリー行きのチケットを購入すると、日本人?女の子1人で?と質問責めされた。まだ出発まで1時間弱あるから周りを探索しようとしたら、おじさま(多分所長さん?)に暑いからここに居なさいとペットボトルの水を渡された。

サービスで水をもらってしまったので、なんとなく待合コーナーにいることに。でもこっちには人はいないし暇だ。テレビはついてるけど、何を言ってるのかわからない。ガラス越しの部屋では、楽しそうに果物の皮を剥きながら食べてる。

初めてみる果物、その名前はカヌン(ジャックフルーツ)だった。ぼーっとしてたら、おじさまがその果物を持ってきてくれた。食べてみてと言われて、食べたらクソまずかった。アロイ?(美味しい?)と聞かれ、生粋の日本人の私は気を使ってアロイ!(美味しい!)と答えてしまった。

そしたら気を良くしたおじさまは、ビニール袋いっぱいにカヌンを詰め込んで持ってきた。そして更に水をもう1本くれた。たくさん食べていいよと言われたが、今はお腹いっぱいだからあとで食べるねと答えて逃げた。

出発の時間になり、ロットゥーに乗り込もうとしたら乗客にえっ?って顔をされた。田舎の町行きの乗り物(地元の人がよく乗る)にいきなり外国人が乗り込んできたらびっくりするよね。一旦後部座席に座ってみたけど、異様な雰囲気になったのを察知したドライバーさんは私を助手席に座らせた。

サンクラブリーに向かう途中に何度もタイ軍の検問があった。IDカードを見せろ!とその度全員確認されていた。(多分国境が近いから)私にも聞かれたが、私はIDは持っていない。持っているとしたらパスポートだ。

そのパスポートは車のトランクの中の私のバックパックの一番奥に入っている。わざわざ取り出すのがめんどくさい。幸い彼らは英語が話せなかったから、分からないと言って笑顔で誤魔化した。

日本人の女の子?だったから、しょうがないなぁって許された。というか、諦めてた。良い子はめんどくさがらず、素直にパスポートを見せた方がいい。多分銃とか持ってたから。

夕方にやっとサンクラブリーに着いた。初めての宿探しをしてみるかと思ったが、びっくりするほど田舎。カオサンみたいに安宿がまとまってて、色々聞いてまわれる訳ではなく転々としている。めんどくさいなぁ。

その時タイミング良く、バイタクのお兄さんがゲストハウス紹介するよと声をかけてきた。そのままお兄さんのバイクに乗せてもらう。

ゲストハウスに到着し、バンガロータイプで確か1泊600円(ファン·水シャワーのみ)にしてチェックイン。ゲストハウスのレストランが近くにあった。ろくにご飯を食べてなかったので先にご飯を食べることにした。

チャイニーズヌードルとフルーツの盛り合わせとアイスティー頼んだ。味は可もなく不可もない感じ。しかも宿代に対して、高い。腹ぺこだったから、欲張ってパイナップルも頼んだのに食べきれない。ちょっと我慢して屋台とか行けば良かったと思いつつ、自分の部屋に向かう。

レストランから下に降りていく。大した道もなく、雰囲気で草っ原を降りていく。私のバンガローは5部屋くらい連なっていて、半分湖に入っている。目の前には大きなダム湖があって、木の橋がかかっているのが見えた。

全部木で出来てて、歩くとミシミシいってちょい怖い。しかも、隣の部屋の音は筒抜け。鍵は南京錠だ。オシャレじゃないバンガローがあることを知る。でも、ウルルン滞在記感はあった。

乾季なので朝晩は寒くなる時もあると地球の歩き方で学習していた私は、早めに水シャワーを浴びた。冷たかったが、頑張って髪も洗った。

荷物の整理している途中、カヌンを思い出す。私の部屋には冷蔵庫なんてない。私はお腹いっぱいだし、この剥いた果物がいつまでもつのか分からない。

しばらく考えた結果、おじさま、ごめんなさいと言いながらゴミ箱に捨てた。カンチャナブリーのゲストハウスの名刺は何も考えず、速攻捨てた。

今日はずっと乗り物に乗っていたから、ちょっと疲れたな。ちょっと昼寝して、夜に外に出てみよう。小1時間くらい寝て、外に出てみると真っ暗だった。

まだバンガローのあたりは、電灯があった。でも、フロントやレストランまでの道は真っ暗。1mmの光すらない闇。てか、目の前が黒。黒しか見えないのに道無き道を登っていく自信なんてない。

電話でフロントを呼ぶことも出来ないし、懐中電灯もない。ちょっと隣りの人に声かけようとしたが、聞こえてくる声が若干イチャイチャしていたような気がしたので止めた。

よし、寝よう。もう寝るしかない。











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