こんな財団はいやだ⑤

さて、結論からいうと、セクハラを受けた女性理事が自主的に辞めました。というのは、評議員で第三者委員会というのを作り、理事ひとりひとりに、「パワハラ現場を見たか」と公聴会を持つという、だらだらと話し合いの機会だけが続いただけで、なんのらちもあかない状況のまま、次の理事会が開かれ、なんと加害者と被害者もその理事会に呼ばれたのです。セクハラの被害者女性としてはたまったものではありません、見たくもない相手を第三者委員会のメンツは平気で両方を同じ席に誘ったのですから。

かくして、被害者女性は、欠席のまま辞表を出しました。それで第三者委員会は「丸く収まった」という認識なのだから、意味不明。

ある権威好き老人が、気に食わない専務理事を「毎日出社しない」という意味不明な理由で(専務を落とす理由を作りたいがため、いつのまにか「専務は毎日出社しないといけない」、と、暗黙のルールを作って、それを守らないから、役を果たしてないと言い張った)長いものに巻かれる選考委員たちが否定することもなかったので、その老人の思うままに専務を蹴落としたのですが、専務理事になるには「毎日出社しないといけない」というルールに乗れる老人がほかに全く現れなかったのです。蹴落としたいと思っていた老人たちは、あとさき考えていなかったというか。。その「暗黙のルール」を作ったことで、かえって誰も次を引き受けなくなったのです。

そこで、出てきたのがパワハラ理事です。

パワハラ理事はまだ64歳で、年金をもらえるまでは働きたいというタイプでした。ずっと専務理事を蹴落としたいと、実は言葉巧みに老人をのせて、先鋒を切って専務を攻撃していたのですが、給与的に条件のよいところから誘いがかかったことで、ポンとそちらに転職してしまっていたのです。専務理事を蹴落とすことを焚きつけられていた老人たちは、ちゃっかりはしごをはずされたというわけです。

専務理事を蹴落としたものの、次の常勤理事がみつからない、しかもなんとか常勤を引き受けてくれそうな理事がセクハラ理事だった、となると、頼るは、辞めたパワハラ理事しかいなくなったのです。

パワハラ理事は、実は台湾に正規社員として、しかも小さな事務所とはいえ所長として転職したことを、公言していませんでした。そして非常勤理事という席だけ確保しておこうという腹積もりだったのです。それなのに、困った老人理事たちは、パワハラ理事の家庭内事情を知らないがゆえ、彼を常任専務理事に担ぎ出そうと画策しはじめました。

職員あっての財団なのですが、その理事が職員にさんざんパワハラをしてきた人物と知っていながら、彼をまた常任に担ぎ出そうとしているのです。

やれやれ。

あと5年も継続しないであろう財団です。能力的に足りない連中が、こうして2年おきに足のひっぱりあいをしながら、それでもほそぼそ続けることができています。「財団」にはお金のストックがそれなりにあるから「財団」なのですが、財産を食いつぶしていけばいいだけなので、運営なんて名ばかりで、懇親会と称してただ酒を飲んで、報酬をもらっていればいいだけ。簡単なことなんです。

今、医療法人社団がやり玉に挙がっています。ようは、社団法人とか一般財団法人とかいう名前の組織に対して、国の管理が緩くて税金のかかり方も緩く、監視が行き届かないし不明朗な金の流れもつかめないのです。天下りになるゆえんです。こういう名称がついている法人は、全部が全部とはいわないものの、ご想像どおりろくな組織ではありません。


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