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【設計の軌跡】最上階露天風呂から街並みを一望するホテル~スーパー・店舗併設

この記事では、共用浴室付の店舗複合型ホテルを例に、建物を計画をする際の手順、方法について、解説しています。

・プランニングの手順・方法が分からない。
・規模の大きな建物の計画をしたい。
・プランニングについて実例を通して学習したい。
・建築士の製図試験の学習を始めたが、プランがまとまらない。
・書籍を購入したいが在庫までは増やしたくない。
・建築、インテリアに興味がある。

プランニングは、施設利用者の動線、使い勝手、建築の法規も考慮しながら作成するもので、建物を作るための最初のステップといえます。

しかし、実際に手を動かしてみると、上記のように、簡単にまとめられるものではありません。

その原因には、全体のボリューム、部屋の大きさがつかめていない、上下階のつながりが検討しきれていない等、様々なものがあります。

また、仕事でも詳細なやりとりや業務的なものが中心で一から設計するという機会はあまりありません。

本書では、こうした悩みを解決するために、実際に建物の計画を進める中でプランニングの手順を初歩から解説していきます。

解説では、プランニングの手順から、ボリューム感の掴み方まで一通り説明しています。

計算的、機械的な方法も含まれますが、慣れてきたらより感覚的に進めていくことができると思います。

また適宜条件を提示することで、どのような計画になるのか考えながら読み進められることも特徴です。

計画の組み立て方というのは、建築学習者でなくても、十分に理解、学習できる内容ですので、本書を活用のために手を取って頂きたく思います。

本書を活用することで、プランニング学習、これから自分が過ごしたい建物をつくるための助けとなれば嬉しいです。

それでは、最上階露天風呂から街並みを一望できるホテルの計画を初めていきます。

本noteの内容

【1章】敷地図から読み取れること

  • 利用者の動線

  • 管理者の動線

  • ゾーニング

【2章】各階のゾーニング
   ~コマを用いた設計法~

・ゾーニングでボリュームミスを防ぐ方法
・2階の計画~上下階のつなげ方~
・基準階の計画~上下階のつなげ方~
・廊下の計画
・最上階の計画~上下階のつなげ方~

【3章】各部屋のプランニング
・スーパーマーケット
・ブックカフェ
・湯上りコーナー~脱衣室

【4章】法規
・階段の必要な数は?【直通階段の設置】
・居室から直通階段までの歩行距離
・直通階段に至る経路の重複距離の制限

【5章】まとめ

本書の特徴

  1. 設計手順を文章化・・・計画前から完成までの全手順を解説しています。

  2. アウトプット型勉強法・・・課題形式でプランを考えながら、読み進めることができます。

  3. 大規模複合建物の計画・・・計画、法規、各分野で多くのことを学べます。

敷地図には、敷地、道路、方位など最小限の情報が書かれているだけの状態です。

この建物を計画する上でほぼ白紙ともいえる状態から、実際に建物を計画していくために検討すべきことを解説していきます。

「設計条件」

設計条件は、建主の要望として、以下のような希望があります。

  • 最上階に共用の浴室、露天風呂のあるホテルをつくりたい。

  • 1階にホテル宿泊者と一般客が利用するカフェを併設したい。

  • 低層階にスーパーマーケット、ブックカフェをつくりたい。

  • ホテル駐車場は機械式駐車場としたい。また車寄を設けたい。

  • 計画地南側に店舗(スーパーマーケット、ブックカフェ)利用者駐車場を計画する。

  • 駐輪場は店舗用として屋内に計画する。

  • 建物計画範囲は3,174㎡(駐車場・屋外駐輪場は別途計画)、建物規模は地上10階建てを目安とする。

設計者としては、上記に加え、客室を可能な範囲で各方位に向けて配置し、街並みの景観を取り入れた施設を計画することを目指すこととします。

(筆者:一級建築士、インテリアプランナー)

以下に敷地図を示します。

このような敷地に上記の要望を取り入れた建物を計画をしていきます。

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