結界を張るつもりで草刈りをする
カマで手刈りしていた頃に思った。
草刈りって、結界張ってるみたいだなと。
草を刈り倒し、天日で乾燥させ、熊手で集めて、野焼きしたり、しなかったり。草刈りしたところとしないところの境目は明らかだ。そうやって手を入れて、私たち人間と獣たちのすみかを分ける。
もちろん獣たちには、そんなこと知ったこっちゃないだろう。見た目を気にしないのなら草刈りなんてしなくてもいいと言う人もいる。
だけど私としてはやっぱり、きちんと草刈りされていた方がいい。草が伸び放題だと、獣たちが姿を隠してすぐそこまで来ていそうだから。
手入れされて見通しの利く方が、把握できる範囲が広がって安心できる。『ハンター×ハンター』の念能力「円」みたいな感じ。
しかし厄介なのは獣よりも、ヘビや虫たち。葉っぱに卵を産みつける虫もいるから、大発生させないためにも草刈りは必要。
刈るときも気をつけないと、スガリ(蜂の一種。多分方言)の巣をうっかり叩いて刺されることもある。私はまだない。
雨が降ったり用事があったりと、ほんの数日ほったらかしにしただけで草がぐんと伸び、虫たちが勢力を伸ばしてくる。大変ではあるが、まめに手入れして、虫たちを定住させない作戦でいきたい。
生態系が狂うほどの殺生をしたいのではない。草刈りによって、人間と野生の生き物たちとの棲み分けがそれとなくできたらいい。
数日前に草刈り機デビューしてから、おもしろくて毎日せっせと刈っている。刈ったあとを見ると、達成感で満たされるし、清々しい。
我が家の結界は、日に日に大きくなっている。
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