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花火撮影は難しい?コガメ式ならミスなく簡単に!

花火シーズン真っ盛りですね。

皆さん撮影は順調ですか?

近年、花火の進化に伴って撮影が難しくなっていると感じます。途切れなく打ちあがるスターマインは、どこでシャッターを放したらわからないほど。

通常、風景としての花火撮影はバルブ撮影で行っていると思います。

打ち上がりと同時にレリーズボタンを押す
花火が開き切ったらレリーズを放す

単発の花火なら問題ないですが、これがスターマインになると忙しいのです。押して・放してを繰り返すので、終わる頃には親指がヒリヒリ痛い。

そして花火中は気を抜くことができません。
不意に千輪が来たりして「あー、撮り逃した」とか、急な雷(ライ:ストロボみたいなやつ)で「白飛びしたー」なんて声が周りからもよく聞こえてきます。

タイミングが難しい花火として、長岡花火のフェニックスを例にしましょう。

フェニックスはラストに不死鳥が舞います。

フェニックス花火のラストに舞う不死鳥

直前までの連続した打ち上げから、フワッと舞い上がる不死鳥。慣れていないとタイミングが合わず撮り逃すことが多いと思います。

この不死鳥を入れつつ、直前の花火を丸く入れるのがベストのタイミングだと思っています(個人の感想です)

ベストのタイミング

これが初見でもミスなく撮れるとしたらどうでしょう?

今回、紹介するのはこんな感じでスターマイン花火をミスなく撮れるようになる方法です。

名付けて「コガメ式花火撮影」

我ながらひどいネーミングセンスです。
(もっとカッコイイ名前を募集してます)

コガメ式は花火撮影におけるいろんな悩みを全て解決してくれます。そしてメリットもたくさんあるんです。

【コガメ式の特徴】

・誰でも失敗なく撮れる
・タイミングを逃さない
・急に雷(ライ)が来ても大丈夫!
・撮影中はカメラやレリーズを触らなくて良い
・無音で撮影できる
・花火をのんびり観ることができる

ちょっと詳しく説明します。

【誰でも失敗なく撮れる】
一度設定してしまえば、最後まで同じ設定で撮影できます。
気にするのは構図くらいです。

【タイミングを逃さない】
難易度高のフェニックスラストも楽々です。
不意の千輪も撮り逃しません。

【雷が来ても大丈夫】
雷(ライ)はストロボみたいなヤツ。
観てる分には華やかでいいんですが、写真にとっては白飛びしちゃうので天敵です。
気配を感じて如何に雷を避けるか。
それはそれで楽しいのですが、コガメ式なら「雷来た、ハハハ」で済みます。

【撮影中はカメラやレリーズを触らなくて良い】
打ち上げと同時に撮影開始、あとは終わるまで放置です。
その間、二台目のカメラでポトレ撮ったり場所を離れても大丈夫。

【無音で撮影できる】
動画も同時に撮ってる人に朗報です!
シャッター音がカシャカシャ動画の音声に入ってしまうこともないです。

【花火をのんびり観ることができる】
何といってもこれにつきます。
「撮影しなければならない」という気持ちから解放されて花火を純粋に楽しみことができます。長岡花火のフェニックスをJupiterに浸りながら、存分に泣くことができますよ。

と言う感じで、長年の苦悩から解放してくれるのがコガメ式です。

今回の記事では、どうやってこの撮影方法にたどり着いたか、具体的にどうやって撮るのかについて詳しく紹介したいと思います。

■コガメ式撮影方法とは


実は去年、SONY公式のサイトに記事を書いています。読んでもらえば一目瞭然ですが、単に連写で撮るだけなのです。

「なーんだ。」と思ったでしょう。
でも、「花火はバルブ長秒で撮るもの」という固定概念があるとたどり着けない撮影方法なのかなと思います。また、カメラ性能の向上により実現可能となった撮影方法です。

今年は改良を加え、より手軽に撮れるようになったのと、実績も出てきたので改めてご紹介します。

■どうやってこの撮影方法にたどり着いたか

発端はNikon Z8の発表でした。
4K RAWで動画撮影ができる。
これがキッカケだったのです。

もともと動画から花火写真を切り出せるのでないかと思っていました。花火の軌跡と動画のシャッター速度とブレの関係性が良いためです。

しかし、動画だとダイナミックレンジが狭いよなぁ・・・という理由で諦めていました。

ところがNikon Z8は動画の4K RAW撮影対応。
ダイナミックレンジの課題もクリアできそう。
いよいよ動画から写真の切り出しが実現できる!

想定していたのは
1.花火を動画RAWで撮影
2.フレーム単位でスチルに変換
3.任意の範囲を比較明で合成
です。

ただ、実際にやってみると以下の理由で困難なことが分かりました。
・動画RAWのサイズが大きすぎる(20分で2TB)
・フレーム数が多すぎる(24p=1秒に24枚)
・スチル変換が大変

長岡花火のフェニックスは通常5分くらい。(今年は特別バージョンで7分30秒でした)
それだけで500GBくらいの動画容量になるわけで・・・
スチル返還後の枚数は7200枚・・・
現実的ではないと諦めました。
(そのうちPCのスペックが上がればできそうですけどね)

そんな折、ソニーさんからSONY α1を貸していただくことになり、「そういえばα1って無限連写できたよね?」と。

動画がダメなら連写すればいいじゃない。
その結果が去年の記事内容となります。

やり方は単純で

1.連写で花火を撮影する
2.背景を別撮りしておく
3.Lightroomですべて読込
3.必要な箇所だけPhotoshopにレイヤーで開き、比較明合成

比較明の様子はこちらを参考に
任意の場所を自在に切り出せることがわかると思います。



背景別撮りが手順として増えるだけ。
普段、比較明している人ならほぼ同じ手順ですし、枚数が多いだけでそれほど違和感はないはず。これだけ聞けば、これまで比較明で撮影していた人にはわかるでしょう。

【去年の設定値】
絞り: F11 SS:1/10 ISO:1600

結果は上々でクオリティ的にも問題ないです。

秒間10枚の無限連写できるカメラがあれば実現できる。
α7RVやα7IVでもCFxpressカードを使えば実現できます。

ただ、フェニックス花火5分としてトータル1500枚
やはり容量や処理するPCのスペック問題は付きまといます。
そしてカメラのスペックもハードルが高い。

私はMacBook Air M2 メモリ16GBを使っていますが、Photoshopで50枚も開くとちょっと辛い。

というわけで、今年改良を加えてみました。

▪️最新のコガメ式

去年までの課題無くし、より手軽に撮影できるようにしてみました。

【必要なもの】
・0.5秒間隔で5分くらい連写できるカメラ
・三脚
・レリーズ
・Photoshop(レイヤーで比較明合成できるソフトならなんでも)

ここまでの情報でわかる人ならわかるはず。

以下は有料となりますが、より詳しい情報を知りたい人向けです。

・詳しい撮影設定値
・レタッチの詳細
・Photshopのレイヤー(PSDファイル)

Photoshopでは以下の写真のレイヤーそのままをPSDフファイルでダウンロードできます。
小賢しいテクニックをつかっていますので、興味ある人はどうぞ。

PSDファイルのサンプル

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