現地民の親切さから警戒心を考える~フィリピン自転車旅10-11日目~
フィリピン自転車旅11日間の旅行記の10日目と11日目です。マニラ→セブのメインルートはすでに走破していますので、あとはゆるくサイクリングを楽しみ帰国するだけ、のはずでしたが、いろいろハプニングが発生します。全日程は以下のnoteにまとめています。
セブとマクタン島をゆるくサイクリング
さすがに疲れもでており、この日は12時出発です。マクタン島には一応寄っておくかー、という程度の目的意識で出発しました。
マクタン島へは3本の橋がありますが、自転車で渡れるのは北と真ん中のものだけです。はじめは南の橋(セブーコルドバリンク高速道路)から渡ろうとしてしまったのですが、自動車専用と分かり断念して真ん中の橋から渡りました。
セブ市、マクタン島はどちらも車の量が多く、自転車で走りやすいとはいえません。ミンドロ島、パナイ島、ネグロス島は快適だったなーと振り返ります。話しかけてくれる人も多かったですし。
飛行機輪行袋の受け取りは間一髪
ホテルにチェックインを済ませ、近くのモールのコインランドリーで洗濯機を回します。その後はタクシーでLBCのオフィスへ飛行機輪行袋の受け取りへ。GoogleMapに18時まで開いていると書かれていたのを見て、18時まで荷物も受け取れるものと早合点してしまい、危うく荷物を受け取り損ねることになります。疲れていたのか、旅に慣れてきた慢心なのか、あまりにも甘い判断でした。
17時少し前にLBCの宅配センターに到着し、荷物の受け取りをしにきたことを伝えると、部屋を案内されます。そこでマニラで受け取った書類を渡すと、別の部屋に受け取りに行くように伝えられました。
案内された通り荷物を受け取る部屋に入ると、なんと17時で終了したと伝えられます。時間を確認すると、17時6分!荷物の受け取り窓口もし待っていました。
翌日は11時の飛行機で出発予定ですし、そもそも日曜日で休業とのことなので、この日に受け取らないと、飛行機用の輪行袋が手に入らず、飛行機に乗れません。電車用の輪行袋は持っていましたが、トランジットもあり自転車の破損必至です。この時間から自転車屋を探してダンボールをもらう、という激むずミッション発生か!?とも思いました。
なのですが、「今日荷物を受け取れないと東京に帰れないんや。Oh No!」とか言って困った顔してたところ、特別に窓口を開けてくれました。すでに帰る準備をしていたらしいスタッフが奥から出てきて対応してくれ、無事荷物を受け取ることができました。「客に規定以上のサービスをするのは日本人だけ」みたいな変なイメージを持っていましたが、必ずしもそうではないようです。優しさに感謝です。LBC Expressにはマニラ、イロイロ、セブと、3回も助けてもらいました。
今回は運よく荷物を受け取れましたが、もう数分遅れていたらそもそも入り口が閉まってしまい、受け取れなかったかもしれません。飛行機輪行袋の輸送については、情報収集が不足していたと思います。運がよくてトラブルにならなかったとしか言いようがありません。輸送にかかる時間や営業時間については、ネットの情報だけではなく、必ず電話で確認しましょう!
海外自転車旅における親切さと警戒心
大きい飛行機輪行袋を担いで路上でタクシーを待ちますが、なかなかきません。信号待ちの車の運転手に話しかけ、箒のようなものを売っている少年を見かけました。
こちらにきて物乞いでもされたら嫌だなあ…と正直思って見ていると、何やら話しかけてきました。ギクッっとしたのですが、よくきいてみると、「こっちの道のほうがタクシー捕まえやすいよ!」と教えてくれていました。教えてもらった道に向かいます。この段階でも「道教えた代わりに金くれとかいってくるのかなー」と思ってしまったのですが、本当にただの人助けだったようです。教えてもらった道に移ると、すぐにタクシーを捕まえることができました。またしても優しさに感謝です。
フィリピンで子供に財布をスられたなどの情報をネットでよくみかけましたし、英会話のフィリピン人講師からも治安面に気をつけるようにアドバイスを受けていたので、常に一定の警戒心を持って人に接するようにしていました。ですがこう連続で親切にしてもらうと、なんだか失礼な接し方をしていたようにも感じてしまいます。
たまたま先進国に生まれただけで、少なくとも金銭面では彼らよりずいぶん良い生活をしているという罪悪感のようなものもあり、見返りも求めず助けられると、もちろんすごく嬉しいのですが、なんだかモヤッとした気にもなります。
自転車で旅していると、現地民から親切にしてもらう機会が多いので、そのときどのように接するのかというのは、海外自転車旅の難しい問題だと思います。
自転車を輪行袋に梱包し、自転車旅は終了
ホテルに戻って荷物をほどきます。丁寧に梱包されており、すべての荷物が無事でした。マニラのLBCスタッフ、ありがとう!
ホテルの外に出て輪行袋に詰めます。ようやくこの瞬間に9日間の自転車旅の終わりを感じました。感慨深い気持ちで自転車を梱包します。
トップス展望台へ向かうも、時間が遅すぎて入れず
3年前の台湾自転車旅では、帰国の前日に台北の夜景スポット剣南山に行き「この島を俺は全部走ったぜ・・・」という感傷に浸った思い出があり、セブの夜景スポット、トップス展望台へ行きました。本当は自転車で行きたかったのですが、時間もないのでタクシーです。片道30分。
時間がおそすぎて展望台にタクシーが入ることができず、運転手と展望台のスタッフの間で口論になってました。俺のわがままですまん。。。
結局すぐ近くのレストラン(トップ・オブ・セブ・レストラン)の前の道路に停めてもらい、ダッシュで駐車場から写真撮影だけさせてもらいます。残念ながら感傷に浸る時間はありませんでしたが、景色は最高でした。
ルソン島のMount Sungayも頂上には登れず、セブ島ではOsmena Peakにも登れず、トップス展望台にも入れず、標高の高い場所には運がない旅になりました。
最終日まで飽きさせないフィリピンらしい思い出
名残惜しいですが最終日です。往路は羽田→マニラの直行便でしたが、袋はセブ→マニラ→羽田と乗り継ぎ便になります。セブ→羽田の便もあったのですが、そちらはなぜか値段がかなり高くなってしまうんですよね。セブ→マニラだけはフィリピン航空というフィリピンのフラッグキャリアですので、楽しみにしていました。
セブ発の便は11時出発ですが、マクタン島への橋が渋滞することがあるらしく、念のため8時頃にはホテルを出発しました。実施はほとんど渋滞はなかったです。日曜日ではありましたが、朝早かったからだおともいます。
搭乗ゲートにつきしばらくく待つと、飛行機に遅れが出ていることを告げられます。マニラでの乗り継ぎ便に間に合うか、かなり不安になりました。調べると、フィリピンの国内線はよく遅延するらしいです。フェリーの遅延は多少想定していましたが、飛行機までとは想定外でした。結局予定より1時間10分遅延しての出発となりました。
マニラへの飛行機の中では、乗り継ぎは半分諦めており、補償はしてくれるだろうかとか、もう一泊マニラでどう過ごそうとかを考えていました。
マニラに到着し、荷物受け取りでまた待たされ。。。乗り継ぎはほぼ諦めかけました。マニラ空港はターミナル間が離れており、ターミナル2から3へ、タクシーかバスでの移動が必要になります。タクシーを呼んでダメ元で急ぎます。スカイウェイ(高速道路)も使いました。
ターミナル3のANAの受付についたのは搭乗時刻のなんと23分前!通常の受付は閉まっており、1つだけになっていたのに、見つけるまでに時間がかかりました。ANAのスタッフさんに航空券を見せると、ミスターXXX(私の苗字)!と呼んくれました。おそらく最後の一人であろう私を待っていてくれたようです。ギリ間に合ったかー!と察します。スタッフに付き添ってもらい、優先的に保安検査や出国手続きを済ませました。エコノミークラスなのにVIP待遇です。
急いで搭乗ゲートに向かったものの、結局マニラ発の飛行機も遅れており余裕でした。いままでなんのために焦ってたんや~。
最終日はただ帰るだけ、と思っていましたが、最後まで飽きずにフィリピンらしい思い出を残すことができました。トラブル一歩手前はたくさんありつつも実際大きなトラブルはならないというのは、自転車旅としてはある意味最高の展開です。思い出として記憶に残るのはこういうピンチの瞬間だったりするんです。
長くなりましたが、フィリピン自転車旅日記編はこれにて終了です。次回からは海外自転車旅でのルート設定や装備など、ハウツー系の情報発信をしていきたいと思います。ハウツー編のねらいは、日記編で「海外自転車旅、おもしろそうやん」と思った方の背中をさらに押して実行に移すことです。