オランダの自転車三都市巡礼~欧州自転車旅8日目(ユトレヒト→ハウテン→アムステルダム)~
欧州自転車旅10日間の旅行記の8日目です。ユトレヒト、ハウテン、アムステルダムと、自転車で有名な都市を3つ訪れました。この日も情報量多いです。アムステルダムではまた雨にやられました。
出発 :11時20分
到着 :20時05分
走行距離:108km
全日程のダイジェストはこちら。
ユトレヒトを出発
ユトレヒトの駐輪場を出発してハウテン(後述)を見学、その後ユトレヒトを改めて見学してアムステルダムに向かうまで、約3時間撮影してます。動画からのキャプチャとカメラで撮った写真を使って振り返ります。この日はユトレヒト→ハウテン→ユトレヒト→アムステルダム、という予定を立てていたので、ユトレヒトの見学はあとに回してすぐハウテンに向かいました。
超計画的住宅街ハウテン
ブリュッセルまで行くことを諦めてアムステルダムをゴールに変更したことで時間の余裕ができたので、この日は当初の計画にはなかったハウテンという住宅街を訪れました。前日にGoogleマップを眺めているうちに、真ん中がくぼんだ環状道路の中にきれいに閉じた、一風変わった形の街に見えたので調べてみると、都市計画や自転車活用で有名な場所だと分かったためです。日本の自治体もよく視察に来ているとか。ユトレヒト中心部から南東に7キロ程度です。元々は上半分の楕円形の街だったのですが、1995年から下半分の開発が進み今の形になったようです。
市内と市外を車で行き来することはできますが、市内を車で通り抜けることはできないという構造になっています。そのため、市内の車の交通量が極めて少ないです。そしてとても静かです。
そんな住宅街ではありますが、一家に一台は車を持ってそうではありました。市内での移動には使えませんが、市外に出るときにはあったほうが便利なのかもしれません。近くでの移動は徒歩か自転車、遠くに行くときは車という役割分担でよく計画された住宅地です。
ユトレヒトからハウテンまでは草原や牧場に囲まれたきれいな道です。ハウテンに住んでユトレヒトに自転車で通勤通学、という人が多そうです。いろんなサイクリストに会いました。
完全に自転車専用道というわけではないのにほとんど車が走ってない理由の一つは、速度制限だと思います。写真の通り30kmに制限されており、車が自転車を追い抜くのは禁止されています。この制限だと車で走るメリットがほとんどなさそうです。
ほとんど車が通らないのでびっくりするくらい静かです。幼稚園で子供が遊ぶ声が聞こえてきました。そして水辺がきれいです。住宅地というより、公園の中に人が住んでいるような感覚です。
基本的には住宅街なのですが、教会の周りには飲食店やスーパーの集まる広場的な場所もありました。フードトラックがきて地元の人で賑わっていました。
オランダの自転車道全般に言えることですが、たまーにオートバイも通ります。速度が違うので少し危ないです。デンマーク、パリでも同じでした。
今回無計画に走ってしまったので、ハウテンの下半分はスルーしてしまいました。下半分には有名なインスタ映えスポットがあったようです。
最後にハウテンに対する個人的な印象ですが、良くも悪くもこれ以上の発展しようがない、完成された住宅街という印象を受けました。都市計画を突き詰めるとこういう街になるのかと。住みやすく整いすぎて、刺激が少ないようにも見えます。同じオランダでも、アムステルダムのような、自由に生きよ的な雰囲気で開発が進んでいる都市とはまた対照的で、好みが分かれるところだと思います。フィリピン的な発展途上感もよかったな~、ということを思い出しました。
とはいえ、都市計画の成功事例として知られる街が自転車推しなのは嬉しいです。
ユトレヒトの美しい旧市街
ハウテンを出てからはユトレヒトに戻って少し観光しました。アムステルダムとフローニンゲンの中間の発展度合いです。お土産屋にも自転車をモチーフにしたグッズがたくさん売られており、街として自転車推しなのを感じました。
右に曲がるときのさり気ないハンドサイン。平均速度が速いので、いくら自転車道が整備されているとはいえ、ハンドサインがないと追突事故が多発すると思います。スキルがあってこそインフラが活きます。
アムステルダムのなにもない道
ユトレヒトからアムステルダムまでのタイムラプスです。雨で充電できず、バッテリー切れでアムステルダム到着前に切れてます。
途中で止まってスマホで道を調べていると、住民ぽい方が心配して声をかけてくれました。優しいです。
ユトレヒトからアムステルダムへの道のほとんどは、なーんもない道でした。走りやすいんですが、ちょっと退屈です。
途中で雨降ってきました。何回降られるねん。これもオランダらしい天気と思ってがんばるしかありません。
大雨のアムステルダム
アムステルダムでバッテリーを交換して撮影再開。スキポール空港近くのホストの家まで撮影しました。1時間半の動画です。今見ると雨でブレーキ効いてないし、よく事故らなかったなと思います。1回思いっきり赤信号で渡ってる場面があります。気づいたら渡りはじめちゃってて、ヒヤッとしたのを覚えています。(すいません)
撮影再開した場所で、ヨーロッパにきて初めて日本人に話しかけられました。道をきかれましたが、当然自分も旅行者なので何も分からず。
この日宿泊予定のホストは「好きなときにきていいよ~」という感じだったので、アムステルダムを観光したかったですが、雨なので最低限に済ませました。翌日じっくり観光する予定だったのですが、トラブルのためアムステルダムはこの日が最後になりました。
雨でも自転車に乗るのはオランダ全土で共通のようです。アムステルダムのサイクリストもガンガン走ってました。でもびしょ濡れというわけではなく、合羽なり傘なり、パーカーのフードなりでちゃんと対策してますね。びしょ濡れなのは自分だけ。
アムステルダム中央駅前で記念撮影。荘厳です。
写真には映ってませんが、アムステルダムは観光客で賑わっている印象でした。旧市街の運河はもちろんきれいですが、ユトレヒトとは混雑度合いが違います。
観光地に関心がないので、アムステルダムでココに行きたいというのは正直あまりなかったのですが、アムステルダム国立美術館だけはブックマークしておきました。直下を自転車で走れるのが有名なので行っておこうと。
久しぶりに路駐を避けました。東京では日常ですが、オランダではごく稀です。久しぶりに経験すると怖い。
スキポール空港近くのホスト宅へ
アムステルダムセ ボス(オランダ語でアムステルダムの森)という公園を通ってスキポール空港近くのホスト宅へ向かいました。といってもGoogleマップに従っただけですが。市の中心部から10キロない場所ですが、めっちゃ広い公園です。
住所と「庭にトランポリンのある家」という情報をもらっていたのですが、暗くなってしまったこともあり見つからず。近所をウロウロしました。
結局家を見つけらず、Warmshowersのチャットで連絡して外まで迎えに来てもらいました。連絡いれてから実際に会えるまでの時間(10分くらいだったかな)は不安でした。アムステルダムまで戻って緊急でホテルをとることにならないだろうかと。
生物学の高校教師のホスト宅に宿泊
この日Warmshowers経由で泊めてくれることになったホストのKeesは元高校生物学教師です。そして熟練のサイクリストでもあります。学校の夏休みを利用してアメリカや中東など、長期の自転車旅に数多く行ったことがあるようです。奥さんも同居しているのですが、この日は山に泊まりでトレッキング?に行ってるとかで不在でした。アクティブなご夫婦です。
食事をいただきながら、話をしてくれました。自転車旅に出るときにWarmShowersを何度も使ってきたようですが、庭にテントを張らせてもらうことが多かったようです。自分はテントなしの超軽量装備なので、「これで荷物全部か!?」と驚かれました。イランはよかったぞ~と言ってました。会う人がみんなうちに泊まれと言ってくれるので、テントがいらなかったとか。実はサイクリストからの評判がいいのがイランです。自分もいつか行きたいです。
Japanese Shrine(神社)を見かけたが、あれは何だと質問をぶつけると、教えてくれました。同じく高校の生物教師の友達が日本の鯉を輸入してオランダで販売しており、神社と鯉のポスターは彼のものとのこと。オランダは水辺が多いので、鯉を売るのに相性がいいようです。
日本はなんで左側通行なんだときかれました。イギリス植民地だったことはないだろうと。明治維新のときの官僚がヨーロッパ各国に勉強に行ったが、きっと交通政策の担当官僚はイギリスを参考にしたんじゃないかな、という説明をしました。間違ってはなかったようですが、武士が左に刀を差していたからと言う説もあるようです。
あとは江戸時代の日本とオランダの関係をうっすら知っていてくれたようで、長崎の平戸を紹介しました。どこまで伝えられたかな。
パリへの鉄道が満席で焦る
翌日の予定を立てようと思い、アムステルダムからパリに向かう国際高速鉄道のTalysの予約を試みましたが、なんと全日満席でした。アムステルダムを観光してからTalysでパリに行ってパリを観光、という予定を立てていたのですが、アムステルダム観光は諦めました。Talysも含めて主要鉄道は近くのスキポール空港駅にも通っているので、まずはスキポール空港駅に行くことにしました。
在来線を乗り継ぐしかないのか、それで何時間かかるんだろうかとか、メチャメチャ不安になりましたが、不安すぎると眠れないのであまり深く考えないようにして眠りました。
翌日に続く