出口さんに学ぶ貯蓄と投資の話
そろそろ日本人も貯蓄より投資を
今回は、出口治明さんの以下の記事を引用して、老後と貯蓄と投資についてお話してみようと思います。
引用元:出口治明さんが「老後のためにお金を貯めるのは間違っている」と力説するワケ
まず、出口治明さんについて少しご紹介しておきますが、CMでも有名な「ライフネット生命」の創業者です。
元々、大手生保に勤めていらっしゃいましたが、独立して日本におけるネット専業生保の先駆けとなるライフネット生命を創業されています。
現在は立明館アジア太平洋大学学長に就任されています。
私は出口さんの著書「「働き方」の教科書」に非常に感銘を受けており、出口さんの言葉を何かと参考にさせてもらっています。
今回引用させていただく記事の内容も、日本人なら誰もが気になる老後とお金についてです。
つい数年前も「老後2000万問題」で話題となっていますが、公的年金も先行きが不透明な中、老後の蓄えについて気になっている人は多いでしょう。
ただ、皆さんもご承知の通り、今の超低金利時代では、銀行に預金していてもお金がどんどん増えることはまずありません。微々たるものです。
昔の金利が高かった時代に貯蓄でお金を増やした人達の助言を聞いたところで、今の時代には全く合わないのです。
出口さんも記事の中で「貯蓄より投資」と書かれており、相対的に安全で唯一の投資法として「ドルコスト平均法」を紹介しています。
今では広く知られている言葉かもしれませんが、要は毎月一定額の株や投資信託を買うという方法です。
毎月一定額なので株価が高い月は少ししか買えませんが、安い月は多く買うことができます。
結果的に安いときに多く買うことが出来ているので、私を含む素人が儲かる確率が高くなります。
ただし、これを実現するには長期投資で臨む必要があります。
出口さんも「ドルコスト平均法は長期投資と同義」と仰っています。
エンジニアもお金の知識は必要
私は30代半ばになってから、ようやくお金の知識の重要性に気が付いたので遅いくらいですが、単なるイメージで「貯蓄は〇、投資は×」と判断するのはNGです。
今の時代、どんな仕事であれ、お金の知識はマストだと思います。
ITエンジニアも同様です。
いくらスキルを磨いて、高単価の案件を獲得して報酬が上がっても、ただ銀行口座に突っ込んでいるだけではあまりに無策。
無計画に散財するなんてもってのほか。
多くの方は、漠然と老後の不安から少しでも貯金をしたいと考えがちですが、ある程度未来のための蓄えをしようとした場合に、前述の通り超低金利下では貯金オンリーというのは非常に勿体ない話です。
長期投資で資産を積み上げていくことをオススメします。
「そんなこと言われても株なんてよく分からない」という方も多いでしょう。
ひとまず長期的に確実性の高い投資をするなら、私は「つみたてNISA」をオススメします。
私もやっていますが、最長で20年、年間40万円までの投資における運用益、分配金が非課税となります。毎月の積立金額は自分で設定可能で、しかも途中でいくらでも増額、減額が可能なんです。
自分の経済事情にあわせて金額をコントロールできるのはメリットだと思います。
私はフリーランスに転身した直後、投資の資金も乏しい状態から少額でつみたてNISAを始めました。まだ3年くらいですが、たまに口座を確認すると、しっかり運用益も出ているので嬉しいですね。
私たちは老後のための「蓄え」ばかりに目がいきがちですが、ここで出口さんの記事でも紹介されているイギリス人の考え方をご紹介しておきます。
自分たちの子供が独立したときに、イギリス人がまず考えるのは、
「保険の解約」
だそうです。
たいていの場合、子供が独立する前に自分の身に万が一のことがあった場合を想定して保険をかけているかと思います。
イギリス人は、親の責任として子供を育てあげたら、たいていの人は生命保険を解約するそうです。
夫婦2人の生活であれば、日々暮らしていけるだけのお金で十分、あとは神様の思し召し、という価値観です。
日本人だと、一旦入った保険を途中で解約するって、なかなかしないと思うんですよね。
このイギリス人の合理的な考え、私は好きですね。
無駄な事にお金を使わない。
途中で保険の解約をすることによって、自分たちの老後に回せるお金を捻出できたことになります。
私も、子供達が独立してお金がかからなくなったら、真っ先に保険の見直しをしたいと思います。
働くことこそ老後の不安の解消
この記事の中で、出口さんは「老後の不安解消のために、貯金や投資よりもっと簡単な方法は老後も働くことだ」と仰っています。
ここで言う老後というのは定年後と読み替えて良いと思います。
団塊の世代に上記のような事を言えば「これまで必死で働いてきたのに、老後も働けなんてとんでもない考えだ」と反応がありそうですが、
今や人生100年時代とも言われており、同じ60歳でも数十年前と現在とでは体力的な余力はだいぶ異なると思われます。
それに、出口さんは記事の中で、「高齢者になって体力が落ちる最大の原因は働かないことだと考えています。」と書かれています。
やはり、いくつになっても「働く」ということは体力を維持し、健康寿命を延ばすのに有効であるということだと思います。
それに、働けば当然お金も頂くことができます。
健康寿命を延ばす効果があり、同時に収入も得られるのであれば、定年後も働くことは大変有意義なことではないでしょうか。
ちなみに、出口さんの記事でも紹介されていますが、寝たきり老人が多いのは日本人くらいだそうです。
定年でバッサリとゴールラインを引いて、働かなくなる人が多くなるようでは、寝たきり老人が増えるのも当然かもしれません。
定年後の人生にも多様性を認める社会であってほしいものです。
お金を増やすだけが投資の目的ではない
投資の話に戻りますが、日本人はどうしても投資を行うことにマイナスイメージを持つことが多いように見受けられます。
自分が貯めたお金を1円たりとも減らしたくない、というマインドをお持ちの方がほとんどではないでしょうか。
ですが、前述の通り、高度経済成長期の金利が高かった時代とは異なり、
銀行口座にお金を預けておくだけでお金が増えた時代はとっくに終わっています。
悠長に銀行にお金を入れておく時間的余裕はありません。
また、日本人はどうしても「お金を増やすこと」自体にネガティブなイメージを持つことが多いように思われます。
投資もまた利益を出すことが目的なので、ネガティブに捉えられがちなのでしょう。
しかし、実は投資が社会貢献にもつながるのです。
出口さんは記事の中で、地球環境問題に対し、それを解決する製品の開発に取り組む会社を例に挙げて、その会社に投資することが間接的な環境問題への取り組み、ひいては社会貢献につながると仰っています。
この場合、配当や株の売却益で得た利益はあくまで結果です。
社会貢献にあまり直結しない会社への投資に比べれば、社会貢献+経済的利益の二重の喜びがあるのではないでしょうか。
「投資も考えたいけど、お金を増やすことに執着するのもどうか。」と二の足を踏んでいる方には、
社会貢献に寄与できるような事業を行っている会社を探して投資する
ということを一度考えてみてはいかがでしょうか。