僕が一目惚れした相手はマドンナでした
突然だが皆さんは一目惚れしたことはあるだろうか
僕にとって今がそれだ
図書館の窓際で本を読んでいる彼女を見つけた時まるでそこだけ窓から差し込む光が神々しく見えた
そしてその神々しさがゆえに安易に話しかけることができなかった
今度話しかけてみたいが相手の名前はわからないし、学年も分からないから翌日友達に聞いてみることにした
〇:なぁ…聞きたいことがあるんだけどさ
友:ん?どうしたんだよ?
〇:その~一目惚れ……みたいなのしちゃってさ///
友:〇〇が!?
〇:なんだよ悪いかよ?
友:いや…あまりにも珍しくて
〇:一発殴らせてくれや?
友:殴ったら相談のってやらねぇからな!
〇:……くそっ
友:でその子のことが聞きたいと?
〇:そうなんだけど名前も学年も分からない
友:それでどうやって探せと?
〇:ごめん…
友:特徴はなんかねぇの?
〇:うーん……髪色が茶色っぽかった?くらい
友:そんな奴この学校にたくさんいるぞ?
〇:そうだよな……
手掛かりがなさ過ぎてどうしようかと悩んでいると
友:おい!見ろ〇〇
〇:なんだy……!!
友達が指さした先には話題の人がいた
友:やっぱ菅原先輩可愛いよな
〇:あの人だよ!!
友:は?
〇:さっき話してた一目惚れの人!
友:嘘だろ…?
〇:なに?
友:ほんとにあの人か?
〇:そうだけど?
友:…悪いことは言わんやめとけ
〇:どうしてだよ!
友:あの人は菅原咲月先輩この学校のマドンナの一人だ
〇:あれだけ可愛かったら当たり前か…
友:噂によればバスケ部のキャプテンが狙ってるらしいぞ
〇:へぇ~
友:もうちょっと焦れよ!笑
〇:いや、その人も告ってないんでしょ?
友:そうだけどさ……
〇:なら僕にもチャンスはあるじゃん!
友:……まぁ頑張れよ!
〇:おう!
友達にはそんな啖呵を切ったものの……
果たしてどうやって接触を試みたらいいのかわからなかった
とりあえず昨日と同じ図書館で計画を立てることにした
〇:どうやれば……あれは!?
目線の先には菅原先輩がいた
しかも本が高いところにあるようで手が届かず困っていた
咲:よっ…ほっ……とりゃ……届かない
私は今絶賛大ピンチ中
学校でマドンナと言われちゃってるけど…正直勉強も運動もできないの
だから学校の子があまり来ないここで毎日予習してるんだけど
取りたい本が高いところにあって手が届かな~い!!
どうやってこの本を取るか悩んでいたら
スッ
〇:取りたかった本はこれで合ってますか?
咲:は、はい///
〇:ならよかったです!
咲:ありがとうござい…あれうちの制服だ
〇:そうですね先輩笑
咲:後輩なの!?
〇:そうですけど?
咲:背がおっきいから同級生だと……
〇:普通くらいだと思いますけど?笑
咲:そんなことないでしょ笑
〇:それよりその本……
咲:あっ…(勉強苦手ってバレたら失望されちゃう…)
〇:ここ苦手なんですか?
咲:そそそそんなことないよ
〇:隠すの下手すぎますよ笑
咲:勉強苦手ってバレたら失望されちゃうと思って…
〇:人間それぞれ苦手なものくらいありますよ!
咲:そんなこと言ってくれたの君が初めてだよ…
〇:この範囲なら僕も今やってるので一緒にやりましょう!
咲:ほんと!ありがとう!
〇:(よし!口実が出来た)
咲:(この胸がキュッてするのは何だろう?)
それから僕と菅原先輩は放課後この図書館で一緒に勉強することが多くなった
〇:咲月ここはこっち使ったら楽だよ
咲:ほんとだ!!
〇:うーんこれってどうやるんだ?
咲:これはここをこうすると……ほら出来た!
〇:すごっ…天才じゃん!!
咲:へへ~ん
今ではお互い下の名前で呼び合っている
咲:ねぇ……
〇:なに?
咲:今学校でさ私たちが付き合ってるんじゃないかって…
〇:噂流れてるんでしょ?
咲:知ってたんだ……
〇:クラスメイトに誤魔化すのが大変だよ笑
咲:〇〇はさ……嫌?
〇:なにが?
咲:私と付き合ってるって噂が流れるの
〇:嫌なわけないよ
咲:でも努力しないと何もできないマドンナだよ?
〇:それでもいいし、なんならそれは俺だけが知っていたい
咲:〇〇……
〇:それに咲月と話すより前に一目惚れしてたしさ笑
咲:初耳なんですけど?笑
〇:だからその噂ほんとにしよう!
咲:それって……
〇:僕と付き合ってください
咲……はい
〇:やったー!
咲:〇〇ここ図書館だよ!笑
〇:あっ…ごめん
咲:ふふふ…それだけ嬉しかったんだ?
〇:当たり前だよ!咲月は僕の自慢の彼女だよ!
咲:早くない?笑
一目惚れから始まった僕の恋はこうして無事叶うことが出来た
友:おい!〇〇バスケ部のキャプテン振られたらしいぞ!
〇:……へぇ~
友:なんか反応渋いな
〇:もう俺には関係ないからね~笑
友:!?......まさかお前!
〇:笑笑
だがこの関係はまだ僕も咲月だけの秘密にしようと思う