魚釣りに行ったらアイドルが釣れた
俺には唯一趣味と呼べる物がある
それは釣りだ
と言っても船酔いしてしまうので防波堤などで
のんびり釣りをするのが好きだ
その日は気分転換にいつもと違う釣り場で自分の浮きが沈むのをのんびりと待っていた
しばらくすると
?:これどうやって付けるんやろ?
?:うわっ!この虫まだ生きてるやん笑
と、おっとりした関西弁の美女が数メートル離れた場所に来た
〇:(隣の子に話しかけられねぇかな〜)
とか邪なことを考えながら浮きを見ていたら
?:あの〜すみませ〜ん
〇:は、はい!どどどどうされました?
おっと、普段人と喋らないのがバレてしまった
?:だ、大丈夫ですか?笑
〇:す、すみません、人に話しかけられたこと無くて笑
?:私、隣で釣りをしようとしてた五百城って言うんですけど…
〇:しようとしてた?
茉:エサの付け方知らなくて付けてもらっていいですか?
〇:あ〜お安い御用ですよ!
茉:ありがとうございます!
因みにお名前伺ってもいいですか?
〇:〇〇って言います…はい、エサ付けれましたよ
茉:〇〇さんありがとうございます!
〇:釣りは初めてなんですか?
茉:初めてです!
〇:どうしてここに?
茉:ここでマグロが釣れるって聞いて来たんです!
〇:確かにマグロ釣れるらしいですけど…
茉:よーし頑張って釣ったるで〜
待っときや〜マグロ
〇:…船釣りですよマグロ
茉:…ん?
今なんて?
〇:だから、マグロが釣れるのはかなり沖合いなので船釣りじゃないと釣れないですよ
茉:えぇ〜!
楽しみにしてたのに〜
〇:ここだと今の時期はチヌだったりタチウオとかですね
茉:チヌ?タチウオ?…なにそれ?
〇:…マグロ以外の魚見たことない感じですか?
茉:…マグロ以外の魚っておるん?
〇:チヌは黒鯛とも呼ばれたりしてます!
タチウオは銀色で細長い見た目の魚です!
茉:〇〇さんって物知りやな〜
〇:その方言もしかして関西弁ですか?
茉:え、出てましたか?!
〇:それはもうすごく出てましたよ笑
茉:気抜いたら関西弁が出ちゃうんです
関西弁怖いって人がいるみたいなので標準語で話す努力してるんですけど
〇:僕は好きですよ関西弁
茉:ホンマに?
〇:方言全般可愛いと思いますよ。
茉:…ふーん
関西弁だけじゃないんか(ボソッ
〇:何か言いました?
茉:ううん、なんもないで
それよりもっと魚の話聞きたいしLINE交換せん?
〇:僕ので良ければいいですよ
茉:よし!
その後しばらく話をしながら釣りをしていると
五百城さんが用事があるらしく帰ってしまったので俺も帰ることにした
〇:ふぅ〜今日はいつもの倍疲れたなぁ
〇:今の時間テレビ何やってるだろう?
テレビをつけるとそこにはさっきまで一緒に釣りをしてたはずの女の子が映っていた
〇:…嘘だろ
乃木坂46って国民的アイドルのあの乃木坂だよな?
〇:そんな子と俺、普通に話してたのかよ…
てか俺LINE交換したよな?
その事を思い出した瞬間背筋が凍った
〇:もしこれが世にバレたら俺社会的に〇ぬ?
これ以上は考えたくなかったのでテレビを消して今日は寝る事にした
〇:これは夢これは夢これは夢
だが次の瞬間
ピコンと通知音が鳴った
〇:きっき…って誰だ?
名前だけでは誰か特定出来なかったのでトークを見てみると
茉L:五百城やで〜
よろしく〜
茉L:今週末休みやねんけど釣り一緒に行かん?
茉L:未読無視?それとも寝てんの?
茉L:茉央寂し〜
〇:いつの間に…
〇L:すみません今見ました
茉L:…〇〇おそい
茉L:…で?
〇L:で?
茉L:釣り行けんの?行けへんの?
〇L:行けます行けます!
茉L:ホンマに!
〇L:ほんとです
茉L:今週末が楽しみになってきた!
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茉:これがパパとママの馴れ初めやで
〇:茉央がアイドルって知った時は生きた心地がしなかった。
茉:結局卒業するまでバレんかったしええやん
〇:でも芸能界まで卒業しなくても良かったと思う
茉:茉央には〇〇と和いれば十分幸せやもん
〇:嬉しいな和
和:うん!うれちぃ
茉:可愛えーなぁ
和は目に入れても痛ないで
和:にゃぎママの目に入れられちゃう?
〇:目に入れても痛くないくらい和が可愛いって事だよ
和:…入れにゃいの?
茉:ホンマに入れたら流石に痛いわ笑
和:ママ嘘ついちゃ…め!
茉:ごめんなぁ
〇:まさか釣りしてただけなのにアイドル釣れるとは思わんよなぁ