たつこれ第7回 第二次補正予算の財政規模と予算の全体観について

6月3日に【zoom】で収録された、「福田達夫の『これってどうなの』」(略称:「たつこれ」)。

第7回のテーマは、「第二次補正予算の財政規模と予算の全体観」。


少しくだけて言うと、「二回目の追加の予算は、前と比べるとどれだけ大きくて、どんな意味があるのか」、ということをお話しします。

5月27日に、政府は新型コロナウイルス感染症対策関係経費を盛り込んだ、「第二次補正予算案」を、閣議決定しました。この補正予算案には、雇用や企業支援、医療提供体制の強化、ひとり親世帯への給付などなどが盛り込まれ、6月8日から国会で審議が始まります。

そこで今回は、おなじみ佐藤由美子(フリーアナウンサー)と福田達夫(衆議院議員)、そしてゲストの立石裕明さん(一般社団法人 小規模企業経営支援協会代表理事)が、「第二次補正予算」について掘り下げていきます。

こちらから、全編がご覧いただけます。




今回のnoteでは、第7回の収録内容を受けて、「第二次補正予算の財政規模と全体観」について要点をまとめました。

● 異例の多額予算を確保、国民の皆さんに安心を

Q1.第二次補正予算はどのくらいの規模なのですか。

A1.今回の第二次補正予算は、約31.9兆円となります。第一次補正予算と合わせると約57.5兆円となります。

皆さんの生活を支える政府の1年間の予算は、約100兆円です。
1年間の予算の約半分が、この新型コロナウイルス感染症対策につぎ込まれています。

国の予算は、国民の皆さんからお預かりした税金を活用しています。税収は1年間で約63.5兆円なので、相当大きな予算規模だということがわかります。


Q2.これまでも、このような大きい予算が組まれたことはあったのですか。

A2.日本の補正予算史上、最大規模の予算組みとなります。

10年前、アメリカの投資銀行が経営破綻したことにより始まった「リーマンショック」。ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、日本経済にも大きな打撃を与え、生活へも大きな影響がありました。
その際には、経済対策として
「合計約22兆円」
の補正予算が、3回に分けて組まれました。

また20年前にも、タイの通貨暴落を皮切りに、アジア各国からロシアや中南米諸国にも波及した「アジア通貨危機」では、銀行が潰れるなど、これも日本経済に大きなショックを与えました。

その際には、
「合計約10兆円」
の補正予算が、2回に分けて組まれました。

1回の補正予算で10兆円を超えるかどうかが、規模の目安の一つとなります。


Q3.今回のコロナにより、失業率への影響はあったのですか。

A3.リーマンショックの時に比べると、それほど高くはありません。ただ、これから増加することは考えられます。

今は比較的、失業率を抑えられている状況です。
今回の第二次補正予算でも、政府として失業者を最小限に抑えられるよう、
「雇用調整助成金の拡充」
「持続化給付金の強化」

などを盛り込んでいます。

雇用主が事業を続けていけるよう、助成金などを活用してもらう。
そして、従業員の雇用を確保してもらう、という狙いがあります。


*第二次補正予算の詳細についてはこちら*

・令和2年度補正予算(第2号)の概要(福田事務所作成)


・補正予算概要(福田事務所作成)


お伝えしたいこと① 立石裕明さんより

●必要以上に不安がらず、これからの事業を見つめなおして

失業率に関して。

思い出していただきたいのですが、今年の1月まで日本は、圧倒的な人手不足だったんです。その担保もある。だから現在の失業率は思ったほど高くありませんが、今後は上がっていく可能性があります。

だからといって、必要以上に不安視するのはよくないです。
気持ちが荒みますから。
阪神淡路大震災のときも、気持ちで負けなければなんとかしのげた、という例を、自分の身近でたくさん見てきました。

楽観視はできない。
けれど、必要以上に不安視せず、しっかりと事業を見つめ直す
というのが、より良いスタンスではないかと思います。
そして、次の新しい世の中にどうチャレンジしていくのか。
そこが大切だと思います。

失業率も人の心理に関係しますので、そのように思っていただくのがいちばんいいのではないか、と考えます。


お伝えしたいこと② 福田達夫より

●第二次補正予算のメッセージ「守る、支える、動かす」

第一次と第二次補正予算に共通することは、

「守る」

ということです。
医療体制をしっかり作り上げることによって、命を守る。

加えて一次補正においては

「支える」

というのが主でした。持続化補助金等によって、企業を支える。そして、生活を支える。

この「守る」と「支える」に対して、二次補正では

「動かす」

が加わりました。
  
立石さんもご指摘の通り、新しい恐怖に対する安全確保だけでなくて、〝新しい社会に向けて動いていこう!〟ということを押し出していく。

「守る、支える、動かす」

これが、今回の補正のメッセージだと思っています。
 

・たつこれYouTubeチャンネル



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