わたなれ4巻感想
面白かったので感想。わたなれ4巻のネタバレ含みます。
紫陽花さんのレゴの例え話って百点満点中で百億点の回答だと思う。紫陽花さんのああいうところが本当に好き。
れな子は多くの人とうまく話せないことをすごく気にしていて、自分が隠れ陰キャだということにメチャクチャ引け目を感じていて、こんな自分を紫陽花さんに知られたらきっと失望されるって死ぬほど恐れてるし、付き合ったら絶対にバレてしまうって確信してる。
だけど、あの世界で一番美しいオブラートに包まれたレゴの例え話はきっと……
紫陽花さんはれな子が多くの人とうまく話せないことを既に知っているし、隠れ陰キャだということも既に知っている。けれどもそれを引け目に感じる必要なんて全くないと思ってるし、むしろそういうれな子をかけがえのない存在だと思っている。
ってことを言いたいんだと思う。たぶん。
天使かよ。天使だわ。いや女神かもしれん。もう何でもいいよ、紫陽花さんの存在自体に感謝の祈りを捧げたいよ(紫陽花教徒にありがちな発作)
れな子は紫陽花さんのコミュ力と言えば会話のキャッチボール力だと思ってる節があるけど、会話のキャッチボール力はたぶん結果にすぎなくて相手の気持ちを汲み取る力こそが紫陽花さんのコミュ力を支えてるんだと思う。オブラートに包んだのもストレートに話すとれな子は強い単語に気を取られて話が伝わらないと思ったんだろうな。
それから今回紫陽花さんが真唯だけでなく紗月さんと会話しているところも見れたのでかなり楽しかった。
紫陽花さんって普段はあんな感じで相手に合わせて誰とでも楽しい場を演出してるけどガチで驚くことはあんまりないよね、対れな子以外は。
つまりれな子と会話してるときだけはれな子の異常行動にペースを乱されがちな紫陽花さんが可愛い。叫びながらツッコんでる紫陽花さんって実はれな子視点以外だとめったに見れないレアものだったりすると面白い。
あと、今回のクライマックスであるところのれな子のお返事シーンについてなんだけど、しばらく宇宙猫みたいな顔になってから声に出してメチャクチャ笑った。
いや、物語の流れがこう……れな子が選択する強さを得て、真唯の隠されたエビソードが読者に解放されて、真唯と紫陽花さんのステージ直前の会話で紫陽花さんが完全に譲るモードに入って。
ううっ、紫陽花さん。やっぱり正ヒロインには勝てないのか……と、紫陽花派が完全に諦めモードに入ったところでアレである。斜め上すぎるわ。
真面目な話、真唯や紫陽花さんの懸念はもっともだと思うし(マジでこの二人は聡明)、れな子が陽キャを目指した時と違って今回は彼女だけで完結してる問題でもない’。ただ、真唯も紫陽花さんもはちゃめちゃな挑戦をするれな子が好きなはずなのであの二人がOKしたならいいかって感じではある。
で、次回予告というか間章でまた笑った。
琴紗月参戦!! とかそんな感じのテンション高い煽り文句がのっかってる紗月さんの画像が目に浮かぶ(やる気なさそうに文庫本へ目を落としているやつ)
勢いで紗月さんの話もする。実は紫陽花さんと同じくらい好き。美しくクールなハイスペック女で、もちろん判断力も基本的には優れているのだが、
情が深い上に絆されやすく何だかんだで付き合いがいいという致命的すぎる十字架を背負っているため重要な局面で判断を誤りがちという、まさに貧乏くじを引くために生まれてきたような女である。
クインテットで最も演歌が似合う女は伊達じゃない。超おもしろ可愛いぜ、最高かよ紗月さん。たぶんお母さんの遺伝子のせいだ。ありがとう紗月さんママ。
孤高のスタイルは人の心が読めすぎるからだけではなく、人と無差別に関わると十字架のせいで体がいくつあっても足らなくなるせいもあるんじゃないだろうか。実際、あれほど絆されることを警戒していた紫陽花さんにあっさり攻略されてしまったし。
そんなわけで紗月さんが真唯や紫陽花さんに向けている感情を踏まえたうえで今回のれな子の行動を考え合わせると……まあ、あの企み女がまともなことをするわけないというかメチャクチャにかき回してくれると思う。
がんばれ、れな子(目をそらし関わらないようにしつつ)