ウマ娘ストーリー サイレンススズカ 感想
ウマ娘ストーリーのスズカにトレーナーへの恋愛感情があるかと聞いたらたぶん素で首をかしげると思う。
否定ではなく肯定でもなく単に恋愛的な好きがピンとこない感じ。穏やかで落ち着いているように見えるが、走ること以外なにも考えてないだけだからな、あれ。
だけどスズカがトレーナーのことをとても大切に思っているのは間違いないし、その感情はもしかしたら恋愛よりも遥かに強いのかもしれない。
そんなわけでスズカ語り(ウマ娘ストーリー・育成イベント世界線準拠) ネタバレするのでウマ娘ストーリーや育成イベント読了後推奨。ちなみにメインストーリーやアニメは別世界線の認識。
ストーリー序盤で『先頭の景色』を見ることが出来なくなったスズカは精神的にボロボロになった。『先頭の景色』はスズカの生きる理由そのものと言い切っていい。
で、スズカの生きる理由である『先頭の景色』なんだけど、最初は「静かで風の音と心臓の鼓動だけが聞こえる私1人だけの世界」だった。しかしストーリーを進めていくとその『先頭の景色』にトレーナーが含まれるようになる。
ストーリー7話での『先頭の景色』は「静かで風の音と心臓の鼓動だけが聞こえる私1人だけの世界」ではなく「周りには誰もいない、開けた視界の先にトレーナーがいる世界」になった。
彼女の生きる理由である『先頭の景色』にトレーナーが含まれるようになるって結構凄いというか、恋人同士のほうがまだ軽いとさえ言える関係性だと思う。
なのにトレーナーもスズカもこの強烈な絆についてあまり深く考えていなくて、ストーリー7話も単にスズカのメンタル強まってよかったねみたいな日常回的な扱いで二人とも全然意識してないところが面白い。レース以外はおっとりしすぎだ。鈍感同士のカップルってこんなんなのな。
ちなみにストーリー7話は夏合宿の話なんだけどその話の中でスズカはどんなレースでも必ず先頭でトレーナーの元に帰ってくると約束して……
その約束は秋の天皇賞で果たされた。
スズカは帰ってくる。限界も、定められた運命も、あの沈黙の日曜日さえも超えて……彼女は必ず帰ってくる。『先頭の景色』で待つトレーナーの元に。
ウマ娘とトレーナーの絆は運命さえも改変する。ウマ娘の定番ではあるけれどやはりいいな。