妻から「無添加」のすすめ
今まで、食品が健康へ与える影響など気にしてこなかった妻が急に食べ物を気にしだし、無添加にこだわりだした。2年前に子供が生まれてから子供が食べるものは気にしていたが、夫婦が食べるものは特に気にしていなかったのにである。おそらくきっかけは、ペットの犬と猫が高齢のため病気がちで体にいいものを食べさせたいと調べ始めたことが子供に対する思いと相乗効果をもたらし、家族みんなそうした方がいいと思い始めたことからだろうと考えられる。
調べると言ってもリサーチ力がいまいちだし、恐怖心を煽るような記事に流されやすいので、その反対の意見を調べようともしないし、言っても聞いてくれないので、絶対間違っていること以外は基本的には従おうとは思っている。でもやっぱり、世の中の記事の大半は大げさに言っていたり、自分の利益のために誤った情報があふれている。
「日本は添加物世界一である。」
妻が言う添加物に関する情報を調べてみた。
厚生労働省は以下の情報を掲載している
※食品添加物の規格や基準は、食品の安全性を確保しつつ、国際間で整合性のある規制が行われるよう、取り組みがなされています。
食品添加物の国際的な基準等は、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)の合同食品規格委員会(コーデックス委員会)食品添加物部会で検討されています。
また、食品添加物の安全性について国際的な評価を行うため、国連食糧農業機関/世界保健機関合同食品添加物専門家会議(通称:JECFA) が設置されています。
日本での食品添加物の品質の規格や使用量の基準は、このような国際的な規格や基準にできるだけ沿うように定めていますが、一方で日本と諸外国ではこれまでの長い食生活や制度の違いなどにより、添加物の定義、対象食品の範囲、使用可能な量などが異なっていることから、単純に比較することはできません。
なお、令和4年10月26日現在、日本の食品添加物の数は831品目(香料を含む)あります。
また、米国の添加物の数は、約1,600品目程度(香料を除く)(平成25年2月時点)であると考えています。この品目数の中には、(1)果汁や茶など日本では添加物に含まれないものや、(2)日本では1品目として計上されている品目が、米国では、物質ごとに指定され数十品目となっているものが含まれています。
米国以外の情報は調べきれないので、厚生労働省が掲載しているこの情報では、日本が特別突出して認可されている添加物の量が多いわけではなさそうだし、数え方、認可の仕方、表記方法などが一律ではないため比較しにくいのである。そもそも認可されている添加物の数を他国と比べて何か意味があるのか教えてほしい。日本が他国に比べて危険なものを食べていると恐怖を煽ることで記事の閲覧数が増えるように仕向けてみたり、何か他の利益誘導につながるために行っているとしか思えない。添加物に一つ一つに対して研究を行い、個別具体的にその危険性を訴えるなら理解できる。閲覧数を稼ぐためだけの記事は本当にやめてほしいし、反対意見も調べもせず流されるのはもっとやめてほしい。
とは言ううものの、近年盛んに言われている通り、現代人は数万年前から遺伝子は変わっていないにもかかわらず、生活環境は全く異なっており、狩猟を行っていた時代の人類に最適化した遺伝子に現代の食事が適しているわけがないのも理解できる。そういった指摘から添加物は避けた方が良いだろうなと思う。特に人工的に作られたものが人間にとっていいわけがないし、塩分や糖分を過剰摂取しており、それによる悪影響が体に現れることも理解できる。
ちまたにあふれている情報は、恐怖を煽ったり、他の記事や研究を切り取ることで誇張したり、そもそもフェイクニュースであるかもしれないと疑ってみることから始めるべきである。それとは別に現代人の食生活が複雑になりすぎており、体に良くないことが起きていることは添加物に関する様々なネットニュースを抜きにして論理的に理解できる。論理的に理解できることと感情は別物ではあるが。そんな様々な理由から妻の無添加のすすめに今後も乗っかっていくことになる。そもそも妻に他国で認可されている添加物の正確な数を伝えても喧嘩の種になるだけで他に何も生まれない。