脛骨過労性骨膜炎(MTSS)と脛骨疲労骨折の発生メカニニズムと疼痛評価
こんにちは、CLINICIANSのタツ(@tatsu_bridge)です。
今回から3回に分けて、『脛骨過労性骨膜炎(MTSS)と脛骨疲労骨折』について、解説させて頂きます!
本記事はこんな方にオススメです。
本記事を最後までお読み頂くと、脛骨過労性骨膜炎(MTSS)・脛骨疲労骨折の発生メカニズムや疼痛評価がしっかり理解できると思います。
下腿部に自信がない方、もっと詳しく知りたい方は必見です。
それではいってみましょう!
▶︎ 発生メカニズム
脛骨過労性骨膜炎(以下MTSS)は、ヒラメ筋や長趾屈筋などが下腿筋膜を介して骨膜を牽引することによって生じると報告されています。
骨膜が牽引されるメカニズムとして、足部の回内運動に伴う下腿内側への伸張ストレスの増大やヒラメ筋・長趾屈筋のタイトネスによる持続的な伸張ストレスの増大が挙げられます。
足部の過度な回内運動
内側・外側アーチの低下やtoe out(下腿外旋)肢位での動作、外側アーチの低下による回内方向への加速度の増大などが原因として考えられます。
ヒラメ筋や長趾屈筋のタイトネス
体幹・骨盤帯の機能低下に影響される後方重心での動作の繰り返しや、外側荷重による重心の不安定に起因する下腿内側屈筋群の過使用が原因となることが多いです。
脛骨疲労骨折は、
の3型に分類されます。
疾走型疲労骨折は捻転ストレスと圧縮ストレスが組み合わされることで生じると考えられています。
捻転ストレス
接地後の足部回内運動に伴う脛骨遠位部の内旋運動に起因しています。
また、機能面での特徴として脛骨外旋・外方偏位のアライメントや脛骨内旋のモビリティの低下を有していることによって生じます。
圧縮ストレス
外側荷重による膝内反運動によって生じ、特に脛骨近位1/3が影響を受けやすくなっています。
跳躍型疲労骨折
脛骨前方への伸張ストレスによって生じるため、後方重心での動作の繰り返しによる膝屈曲モーメントの増大やヒラメ筋の機能不全による過度な下腿前傾運動の繰り返しが原因となります。
理学療法評価
最初に疼痛誘発動作を特定します。
特に、疲労骨折では骨へのストレスを推察するために、骨へのストレステストを入念に行います。
次に疼痛減弱テストを行いながら、リハビリテーションの方向性を決めます。
そして、疼痛組織へのストレスを増大させる可能性のあるダイナミックアライメントや機能評価へと進めていきます。
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