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甘える君に恋してる #22

○○母「○○ー?」


○○「何?」


ある夜、突然上機嫌な母さんに呼ばれた。


なんで、そんな機嫌いい訳?


母さんに座ってなんて言われたから、目の前にあるソファに座った。


そこで言われたのは……


○○母「○○、明日からひかるちゃんと同居ね?」


○○「……はぁ?」


そんなこんなで決まったひかるとの同居。


俺は嬉しいけど……


これは、俺らの親が……というか、ひかるの親が勝手に決めたらしい。


ひかるを1人きりにするのは、心配らしい。


ひかるは一人っ子だもんな。


それから同居が始まった。


もうかれこれ2ヶ月だ。


ひかるの誕生日を祝ったあと、


最近は、みっちりひかるの勉強会。


そして、先週テストが行われて、今日はテストの返却日。


自分で言うのもなんだけど……


今回もトップは間違いないはずだ。


俺が、勉強会初日に言ったこと。


“もし、ひかちゃんがテストで俺に勝ったらデートしよっか?”


ひかるへの頑張ったご褒美のため。


っていうか、ほぼ俺のためだけど……


ただ単に、俺がひかるとデートしたかっただけのこと。


俺がそう言ったら、ひかるは無理だとか叫びながらも、真面目に勉強をし始めた。


これって、期待していいんだよな??


言っちゃ悪いかも知んないけど……


ひかるはひかる。


今回こそは、点数を上げられると思うけど……


それだけじゃ俺に勝つことなんてできる訳が無い。


全ての教科が90点以上。


俺が約束したのは、


“総合とは言わないよ?どれか1つでいいから”


つまり、どの教科でもいいから俺に勝てばいい。


だから…………


先生「金子、どーした?数学だけ89点だぞ?いつも満点だったし……それに今回の他の教科は満点だと聞いたし」


そう。


○○「たまたまっすよ」


たまたま……


じゃないけどね?


本当は普通に誘えばいいんだろうけど…………


それが出来ないんだよな。


ひかるを信じてる。


きっと、ひかるならできるはず。


先生「森田……やったな?」


ひかる「へっ?」


あっという間に順番はひかるに回ってきた。


ひかる「本当にこれ私の答案?」


まじまじとテストを見ているひかる。


そう思うと、パタパタと俺の所に走ってくる。


ひかる「○○!やったよっ!!」



ばっと俺の前に突きつけられたテストの答案に書かれていた数字は……


○○「90点??」


ひかる「……○○に、勝ったっ」


ギリギリだけど……


よく頑張ったね。


○○「おめでとう、ご褒美は明日にしよっか」


今日は金曜日。


明日は土曜日だから休み。


まぁ、毎日ひかるとは一緒にいるけど。


ひかる「やったっ」


嬉しそうに微笑むひかる。


やばい、めっちゃ可愛い。


保乃「ご褒美って何?」


ひかる「へっ?」


突っ込んできたのは保乃。


こうゆう話好きだもんな。


ひかる「な、なんでもないよっ」


多分、誤魔化せてないよ、ひかる。


保乃「なんて言ったの、○○」


○○「俺にひと教科でも勝てたらデートしてあげるって」


保乃「やるやん!!」


ひかる「ちょっとっ……」


俺がそう言うと、ひかるは顔を赤く染めた。


保乃「やるけど……もっと素直に言えへんの……?」


□□「○○だぜ?無理だろ」


そうはっきり言われるとな……


本当のことなんだけどさ。


保乃「ま、楽しんできな?」


そう言う保乃は、なんだか楽しそうだけど。


ひかる「うん、楽しんでくる!」





***



○○「ひかるー?」


ひかる「待ってーっ」


土曜日の朝。


1時間前から、ひかるが部屋にこもって出てこない。


さっきから名前を呼んでも“待って”しか返ってこない。


さすがに時間がかかりすぎ。


○○「ひかるー?入るよ?」


ゆっくり、ひかるの部屋のドアを開ける。


ひかる「あっ、○○っ」


そこには、顔を真っ赤にして立っていたひかる。


ひかる「どう……かな」


珍しく、上に綺麗にまとめられた髪。



○○「めっちゃ似合ってる……」


似合いすぎてるくらい……


ひかる「○○、顔……」


○○「うるさい、行くよ?」


ひかるに狂わされる……


熱を持って赤くなる顔を隠すように玄関へ向かう。


家を出て、すっとひかるの手を握る。



ひかる「どこ……行くの?」


あ……


何も決めてないや。


○○「ひかる、どこ行きたい?」


ひかる「うーん……○○といれればいい」


なんで、そうやって可愛いこと言うかな。


同居してるんだから、毎日一緒に居るのに。


○○「じゃあ、ショッピングセンターでも行く?」


ひかる「うん」


にこっと微笑むひかる。


本当、可愛すぎ。


○○「なに、クレープ食べたいの?」


ひかる「……へっ?」


へって……


さっきからずっとクレープ屋さん見てんだから。


○○「行こっか?」


ひかるの手を引いてクレープ屋さんに行く。


○○「バナナチョコクリームください」


店員「500円になります」


着くなり勝手に注文する。


だってな……


ひかる「なんで、私の食べたいやつ……」


○○「大好きでしょ?」


毎回ひかるがクレープ食べるときはこれだから。


店員「お待たせしましたー」


店員さんからクレープを受け取ってひかるに手渡す。


ひかる「ありがとっ」



クレープを手にした途端、クレープを頬張るひかる。


○○「ひかる?」


ひかる「ん?」


ペロッ


ひかる「……っ」


○○「あまっ」


ひかる「な、なっ……」


突然、固まるひかる。


○○「ひかちゃんの生クリーム舐めただけだよ?」


いちいち反応が可愛いんだから。


俺……


ひかるから離れられそうにないや。


ひかる「……ちょっとっ」


人目も気にせず、ひかるを後ろから抱きしめる。


絶対、離さないから。


こんな可愛いやつ。





投稿66作目です
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