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甘える君に恋してる #20

同居して約一ヶ月が過ぎた


最近、○○がそっけない


いや、甘える時以外は意外といつもそんな感じだけど、


それにしても7月に入ってからは特に目立ってる


なんか私を避けてるような、隠し事をしてるような……


保乃に聞いても気にせんでええって言ってたけど……


でも、やっぱり気になる……


私、もしかして変なことしたかな……


それとも、一緒に住むのイヤになってきたのかな……


そんなことを考えながら過ごしてると


もう放課後に。



○○「今日、行くところがあるから先帰ってて」


ひかる「え、あ、うん……」


校門を出て○○は家とは逆の道を歩いていった


ひかる「私、嫌われちゃったかな……」


保乃「ひかる、大丈夫やって。そんな悲しい顔せんでも」


え、私そんな顔してた?


確かに気持ちは沈んでたけど……


□□「そうそう、○○はちゃんとひかるのこと好きだから」


そういいながらも保乃と□□はニヤニヤしてる


何か知ってるのかな……?


□□「じゃ、俺たちもデートだから」


そう言って2人も○○の行った方へ歩いていった


保乃「ひかる、バイバイ!ちゃんと元気だしてな〜」


ひかる「……うん、バイバイ」


保乃「また明日な〜」



明日って土曜日だけど会う約束してたっけ?


まぁ後で聞けばいいか……


家まで1人で帰るのは久しぶりだった


ひかる「……ただいま」


そう言っても返事はない


○○と一緒だったから忘れてたけど


家で1人っきりって寂しい。


はぁ、気分転換に夕食作ろっかな


冷蔵庫を開けると食材がほとんど残ってなかった


あ、そういえば買ってくるの忘れてた。


はぁ、買いにいかなきゃ……


スーパーに行って食材を買い、買い物袋に入れているとき


ふと、窓の外を見ると


○○と保乃と□□が歩いてた


えっ、○○1人じゃなかったんだ……


保乃たちも一緒ってなに……?


みんな、私に何か隠してるの……?


なんで……?


どうして……?


そんなに私に言えないことなの……?


家に帰ると、○○がリビングでくつろいでいた。


○○「あ、おかえり。どこか行ってた?」


ひかる「冷蔵庫に食材がなかったから買いにね……」


○○「そっか、ありがとな」


食材を冷蔵庫に入れ、○○の横に座る


ひかる「ねぇ、スーパーにいるときに保乃たちと一緒にいるの見かけたんだけど」


ひかる「最近私に隠れて何してるの?」


○○「いや、それは……」


ひかる「言えないことなの!?」


ひかる「私のこと、もう好きじゃなくなったの!?」



○○「ひかる、待って……」


○○の声には無視して


私は自分の部屋へ行き、ベッドに飛び込んだ


ひかる「はぁ、何やってるんだろ、私。○○にあんなに冷たくあたっちゃった……。」



しばらくして


コンコン ガチャ


○○「……ひかる、ちょっといい?」


ひかる「何?」


壁の方に顔を向けて返事をした。


今○○の顔を見るのはなんだか辛い……


○○はベッドに座り私の背中をさすりながら


○○「ごめん、ひかる」


ひかる「謝るだけじゃわからないよ……」


○○「ホントは明日が良かったんだけど……。ひかるをこれ以上悲しませたくないから言うね」


……ん?明日?


保乃も言ってたけど、なんかあったっけ?


○○「ひかる、こっち見て」


振り向くと、○○がラッピングされた小さな箱を差し出してた


ひかる「何、これ?」


○○「ひかる忘れたの?明日が何の日か」


あ、明日って7月10日だ


ひかる「……私の誕生日?」


○○「そう」


最近○○のことで頭がいっぱいだったから日付なんて忘れてた……


○○「保乃たちにどんなプレゼントがいいか相談にのってもらってたんだ」


○○「今日、これを受け取りに行ってたんだけど、保乃たちについて来られてさ」


ひかる「そうだったんだ……」


ひかる「じゃあ、最近素っ気なかったのって……」


○○「あー、ひかるのプレゼント考えてたから」


良かった……///


私の誕生日のこと考えてくれてたんだ……///


ひかる「私のこと嫌いになったのかなって思ってた……」


○○「そんなわけないだろ。俺が好きなのははひかるだけだから」


ひかる「ありがとう///」


ひかる「…これ、開けてもいい?」


○○「どうぞ」


箱を開けると、ネックレスが入っていた


ひかる「きれい……」


○○「気に入った?」


ひかる「うん」


○○「ネックレス貸して。つけてあげる。」


そういって、○○にネックレスを渡して


背中を向けようとすると…


○○「前のままでいい。」


ひかる「う、うん。」


そう言って前から付けてくれることに。


もう、これは反則だって……


こんなのほとんどハグじゃん……


ってか、今気付いたけど、


○○の顔近すぎ!


私、絶対顔赤くなってる……



○○はというと……


そんなのおかまいなくつけてくれてる


○○「できた。ひかる、こっち向いて。」



○○「うん、似合ってるね」


そんなこと言われたら……


目を合わせられないよ……


チュッ


ひかる「……え?」


○○「ごめん。あまりにもかわいすぎて。」


ひかる「○、○○…」


○○「なに?」


ひかる「あ、いや、ありがとね」


○○「うん。これからもよろしく。」


***


翌日は保乃や□□、●●と理子ちゃんが家に来て私の誕生日パーティーが開かれた。



ネックレスをつけてたら保乃たちにイジられたけど…。


初めて彼氏として○○と過ごす私の誕生日は不安になったりもしたけど、


今までで1番の思い出になった。




投稿64作目です。
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