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甘える君に恋してる #6

ひかるに○○を誘わせた帰り道。


保乃「○○、今週末予定開けとってな?」



○○「わかった。」


○○が約束は絶対に破らないことは知ってる。


これでも、私達は4人とも幼なじみなんやから。


今まで1度もなかったし。


いつものようにどうでもいいような世間話をしながら帰る。


だけど……


今日は□□とデートではない。


これから作戦会議。


保乃「じゃあねー、ひかる、○○!」


□□「じゃあな。」


ある道で、私達はひかると○○、私と□□とに別れる。


家が少しだけ離れてるから。


と言っても、同じ学校に通ってきたわけだから、近いのには変わりはないんやけど。


ひかる「2人とも、また明日っ。」


元気良く手を振り返してくれるひかる。

それとは対照的に、こっちを見てるだけの○○。


いつものことやから、もう気にせんけど……


幼なじみなんやから、もっと仲良くしてくれても、とは思うけど。


2人と別れて、□□と一緒に私の家へと向かう。


保乃「今回は上手くいくんかな?」


□□「うーん、あの2人は手強いからね。」


私達は小さい頃から、ひかるは○○のことが好きだということ。


○○もまた、ひかるが好きだということ。


どちらも知っている。


だからこそ、見ていられなくて……


今までずっといろいろと作戦を立てては実行させて、上手くくっつくようにと頑張っとるんやけど……


見てのとおり、ひかるも○○もかなりの鈍感。


なかなかくっついてはくれなくて、


私達はめっちゃ苦労してる。


本当は、ほっといたらええんかもしれんけど……


見捨てられへんねん。


あんなにお互いに好きでいるのに……。


保乃「はい、どうぞ。」


□□「ん、ありがと。」


□□をいつものように部屋に通して、コーヒーをいれる。


部屋に通すというか、□□は私の家に何回も来てるから、勝手に上がっていくんやけどね?


保乃「じゃあ、始めるで!ラブラブデート作戦会議!」


紙とペンは準備OK。


ここまでは良い。


なんやけど……


さっきも言った通り、私達は何度も作戦を立てて実行してきた。


せやから、そろそろネタも尽きてきた。


□□「どうしたらあいつらはお互いの気持ちに気づくんだ?」


保乃「そこが問題やねん。」


考えること1時間。


水族館や動物園は?


とも思ったんやけど……


きっとそれだけじゃ見てまわるだけ。


だから、


保乃「遊園地にする?」


□□「そうだな、そのほうが楽しめるだろーし。」


ここから遊園地はそんなに遠くはなくて、小さい頃から結構行っている。


最近は行ってなかったけど。


きっと小さい頃みたいに楽しめるはず!!


保乃「そんなら、締めは、定番の観覧車や!!」


これは2人きりにさせる作戦。


上手く行くとええねんけど……


そのあと、□□が帰ってからひかるに電話をかけた。

ひかる『もしもし?』


すぐに私の電話に出た。


保乃「作戦の内容決まったで。────」


ひかる『えっ…………』


電話の向こうで固まるひかる。


その姿が目に見える。


ふふっ。


こんなこと言うたら、固まるか……


ひかるだし。


“2人きりになったら告白しなさい”


そう言った。


ひかる『ほ、保乃?い、意味わかんないよ……』


行き先はまだ秘密。


驚かせたいから。


保乃「頑張ってなーっ!」


ひかる『ちょっ………』


ひかるの返事を聞かずに電話を切る。


ひかる、頑張ってな?


私達の勝手かもしれへんけど……


本当に応援してるからな?


2人には幸せになって欲しいから。




投稿49作目です。
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