甘える君に恋してる　#4

保乃「ひかるーっ！！」

ひかる「な、なにっ！？」

学校に着くなり、保乃に捕まった。

そのまま、椅子に強制的に座らされる。

なんか、嫌な予感しかしない。

保乃「□□、まだ来うへんか確認しとってなー」

□□「おっけー！」

まだ来てない？

えっ、どうゆうこと？

来てないのは……○○？

ひかる「○○がどうかしたの？」

保乃「どうかしたのって、もう！作戦２やって！」

作戦２！？

あ、そう言えば“次の作戦”とか言ってたっけ……

って、恐ろしすぎる！

保乃と□□のことだ。

変なことを考えてるに違いないんだから。

それを証明するかのように、

保乃と□□はニヤニヤと笑っている。

ひかる「さ、作戦２ってどんなの……？」

恐る恐る聞いてみる。

私が聞くと、顔を見合わせて笑う２人。

保乃「名づけて！」

ちょっと、声大きいよ！

いつものことだから、クラスの人は気にしていないけど……

保乃&□□「「ラブラブＷデート作戦！！」」

はい？

なんですか、それは。

ひかる「あの……それは？」

保乃「その名の通り、私と□□とひかると○○でＷデートすんねん！！」

Ｗデートって……

ひかる「いやいやいや！無理だってばっ！！」

第一、私達付き合ってすらいないんだよ？

デートなんかっ……

□□「ひかる、俺たちはな、早くお前らがくっついて欲しいわけ。」

あ、はい。

って……

ひかる「○○はなんとも思ってないもん…………」

だから、私の想いは届きっこない。

私がこういうと２人揃ってため息をする。

□□「これだから２人とも…………」

どうゆうこと？

保乃「まぁ、そうゆうことやから、○○のこと、誘っといてな？」

誘っといてって、そんなに軽く言わないでよ……

席近いんだし、２人が言えばって……

そんなこと言っても無駄か。

□□「あ、○○じゃん！」

保乃「おはよーっ」

ちょうど話が終わったところで○○が教室に入ってきた。

それと同時にチャイムもなり、先生も来た。

先生「ホームルーム始めるぞ！」

ひかる「○○、おはよう。」

席に着いた○○に挨拶をする。

○○「おはよ。」

私だけに返ってくる○○の返事。

□□「また無視かよ。」

そう□□は言うけど、今では気にもしてないはず。

この調子だと、デートに誘うのも、私じゃないと聞いてくれないかもね……

はぁとため息をつく。

それに気がついたのだろうか。

保乃「ひかる、ちゃんと誘ってね？」

ニヤリとしながら私に囁いた。

怖いよ、保乃。

□□も笑ってるのバレバレだし……

……もう。

ちゃんと○○のことを誘わないと後で何を言われるかわからない。

ひかる「わ、わかったから…………」

そう答えてちらっと○○のほうを見るけれど、

○○は全くこっちを気にしていなかった。

話を聞かれていないことにほっとはしたものの、

いつ言うべきか……

前の２人からは、早く言えとでも言っているようなオーラが伝わってくる。

もう…………

ひかる「ね、ねぇ、○○？」

先生が話しているのも無視して、○○に話しかける。

○○「ん、何？」

今日も○○は眠たそうで、ちょっぴり不機嫌。

ひかる「あの……さ？」

デ、デートなんか言えないし…………

ひかる「４人で遊びに行かない？そ、その、○○と私と保乃と□□と。」

私がそうゆうと、○○は顔をあげて、私と保乃、□□の顔をちらりと見た。

ドキドキして緊張している私とは裏腹に、保乃と□□は、ニヤニヤと笑っている。

いくらなんでも、そんなにニヤニヤしてたら何か企んでるのバレバレだよ…………

○○「ん、まぁ、良いけど。」

ひかる「え！？良いの？」

今はホームルーム中だということも忘れて、大きな声を出してしまった。

先生「どうした、森田。」

ひかる「い、いえ…………なんでもありません。」

び、びっくりした……

○○「ひかる、バカ。」

先生に注意を受けていた私に向かって言う○○。

ひかる「し、仕方ないでしょ？って、保乃も□□も…………」

好きで叫んだんじゃないのに。

信じられなかったんだもん。

４人で遊びに行くなんて久しぶりだったし。

仮にも、何とか作戦のＷデートだけど。

ひかる「本当にいいの？」

○○「良いって言ってるでしょ？」

○○はスーッと私の髪に指を通す。

そんな仕草をされるだけで、熱くなってしまう。

そんな私を見て、また２人は笑う。

もー！

そうやって機嫌が悪くなるのも逆効果みたいで、笑いが止まることはない。

取りあえず、○○を誘うこともできたし……

変な作戦だけど、○○と居られることには変わりないからね。

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