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先輩攻略戦 #4

私と〇〇先輩の出会いは始業式の日。


私は緊張した面持ちで学校の最寄りから歩いていた。


そんな時、突然誰かに声をかけられた。


「ねぇ、君って新入生?」


「可愛いね!良かったら先輩と一緒に行かない?」


奈央「えっ……と…?」


見るからに年上の、チャラそうな先輩二人組に私は戸惑ってしまった。


「いいじゃん!ほら、先輩と登校しようぜ!」


「可愛いね、本当」


そんな私に目もくれず、急に先輩は手首を掴んできた。


奈央「や、やめてください……!」


「あんまり叫んだりすると初日から目立つけどいいの?」


一人の先輩が私をニヤニヤ笑いながら見てくる。


その通りだ。


このままでは目立ってしまう。


だから仕方なく諦めようと思っていたその時、


「お前ら何してんの?」


低く、どこか冷たい声が聞こえてきた。


顔を上げると、とってもかっこいい人がいた。


それが〇〇先輩だった。


「おー、○○。見てみろ、この子、超かわいくね?」


「だから一緒に行こうと思ってさ笑」


○○「はぁ?どう見ても泣きそうだろ。離してやれ」


そう言って〇〇先輩は私に近づき、掴まれた手を離してくれた。


○○「大丈夫か?」


その心配そうな顔に、さっきよりもどこか優しい声。


この一瞬で私は一目惚れしてしまった。


この人だ、と直感で思った。


ありきたりな理由なのかもしれない。


でも私は本気でこの人と付き合って結婚するんだって思った。


その日の帰り、なんと〇〇先輩と同じ電車で驚いた。


しかも私より後の駅。


でも本当にそれだけで、〇〇先輩と関わりは一切なかった。


――それから一週間


〇〇先輩が朝に乗ってくる電車が判明し、私もその電車に乗るようになった。


帰りもそんな感じで、なんだかストーカーみたいで嫌だった。


なんとかして近づきたくなった私は断られる覚悟で告白したんだ。


奈央「先輩!私、先輩が好きなんです!彼女にしてください!」


そりゃもちろん答えはノー。


でも私は諦めなかった。


奈央「そんな勝手なこと言わないでください!」


○○「は?」


奈央「先輩は私と結ばれる運命にあるんです!!これから嫌っていうほど付きまといますから!!」


きっとこの言葉を聞いた〇〇先輩は相当気持ち悪かったと思う。


でも結果オーライだからいいってことで!


そのおかげで今こうして〇〇先輩とデートできるまでになったんだ。


長かった、今日まで。


何度〇〇先輩に冷たくされたことか。


かっこよかったからいいんだけど笑。



投稿89作目です。
今回は奈央の〇〇先輩を好きになったきっかけ編でした。
久しぶりに1000文字なかったです笑。
ぜひ感想などお待ちしてます。

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たっつー
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