甘える君に恋してる #5
ひかる「ね、ねぇ、○○?」
今はホームルーム中。
もちろん、先生が話している。
まぁ、どうでもいいんだけど。
いつものように俺は、机の上にうつ伏せになっていた。
そんな時に、ひかるに突然声をかけられた。
○○「ん、何?」
そっけない返事。
ひかるだからちゃんと答えるけれど。
ひかる「あの……さ?」
ひかるの言葉に少し間が開く。
ひかる「4人で遊びに行かない?そ、その、○○と私と保乃と□□と。」
なんだ、そんなことか。
もっと、重要なことかと……
俺は顔をあげて、ひかる、保乃、□□の顔を見回す。
ひかるはなんか知らないけど、固まってるし……
保乃と□□はニヤニヤと笑ってるし。
絶対、なんかあるよな。
いつも通り、ひかるが2人に動かされてるようにしか見えないけどな。
○○「ん、まぁ、良いけど。」
ひかる「え!?良いの?」
遊びに行くくらい良いしな。
久しぶりだし。
そんなに俺が許可しないと思っていたのか……
ひかるは、ホームルーム中に大きな声で叫んでいた。
先生「どうした、森田。」
ひかる「い、いえ…………なんでもありません。」
おかげで、ひかるは先生に目をつけられる始末。
くくっ。
アホだろ、ひかる。
○○「ひかる、バカ。」
思わず口に出てしまった。
ひかる「し、仕方ないでしょ?って、保乃も□□も…………」
保乃も□□も声を押し殺して爆笑している。
さすが、ひかるだよな。
ひかる「本当にいいの?」
いいと言ったばかりなのに、まだ心配してくる。
○○「良いって言ってるでしょ?」
スーッとひかるの髪に指を通す。
ひかるの髪はサラサラで気持ちがいい。
そうするだけで、ひかるは顔を赤くする。
本当、可愛すぎんだよ、ひかる。
それから、授業も始まって─────
授業は退屈。
淡々と先生が黒板に書いて、説明する。
全て教科書に書いてあるわけだし……
授業なんて意味が無いと思う。
だから、俺の授業時間イコール昼寝の時間。
そして、俺の癒しの時間。
隣の席は、ひかる。
そう、触れ放題だ。
まぁ“限度”ってもんがあるんだけどな。
前の奴らはそれを超えてんだが。
ひかるは、気づいてないかもしれないけど、俺だってこいつらのラブラブっぷりは嫌気がさしている。
俺らの前でキスするとかどんな神経してんだよ。
それから離れるためにも、寝てる。
もちろん、ひかるにもたれかかって。
ひかるから伝わってくる優しい温もり。
そそる甘い香り。
トクントクンと音を立てるひかるの心臓の音。
全てが俺を癒してくれる。
ひかるが近くにいると落ち着く。
1番後ろの席だから、そんなに目立つわけでもない。
俺にとったら、超ラッキーってわけ。
ひかる「○○、起きて?」
○○「ん……」
いつものようにひかるに起こされる。
□□「帰るぞー」
□□はカバンを肩にかけて言う。
もうそんな時間か。
寝てればあっという間に流れる時間。
保乃「○○、今週末予定あけとってな?」
○○「わかった。」
保乃に言われなくたって、ちゃんとあけとくさ。
何をするかわからないけど、約束はちゃんと守るから。
その後、家の近くで保乃と□□と別れて、ひかるの家へ行く。
この関係もいつまで続くんだろうな。
投稿48作目です。
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