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甘える君に恋してる #13

保乃「で、なんかあったん?」


ひかる「……いや……なんも?」


次の朝。


私は教室で、保乃と□□に質問攻めを受けている。


保乃「あっ、ちゃんと理由聞いたん?」


思い出したように聞いてくる保乃。


理由……?


ひかる「なんの?」


□□「まじかよ……」


□□は呆れたような顔をする。


保乃「キスの理由!」


ひかる「キ、キス……」


あ、理由…聞いてきなさいって言われたんだっけ?


ひかる「き、聞いてない……」


保乃「えっ?聞いてへんの!?」


いや……そんなに驚かなくてもっ


ひかる「○○も、具合悪そうだったし……」


それに……


キスって言われたら……


思い出しちゃうよ……


保乃「なんで顔、赤くなってんのかな〜?ひーかちゃん?」


でた……悪魔保乃さん。


隣で□□もニヤニヤと笑ってるし……


って、そんなに顔赤いの?私。


恥ずかしいんだけど……


□□「言ってみろよ、ひかる」


やっぱり、□□は保乃の味方ね。


言えって言われてもね……


恥ずかしくて言えないよ……


保乃「もう少しで○○来ちゃうかもよー?」


へっ……


こ、困るよっ、


まだ気持ちの整理がっ……


○○にキスした……なんて言えないよ…


保乃「……キ、キスしたーっ!?」


ひかる「ふえっ!?」


なんか変な声でた……


ってそれより、なんで知って……


ひかる「こ、声大きすぎるよ、保乃っ!」


□□「ってことは、本当なんだな?」


えっ……いやいや。


ひかる「な、なんで知ってるの!?」


保乃「ひかるが自分で言ったんでしょ?」


クスッと笑う保乃。


自分で……言った?


私が?


ひかる「えぇっ!」


保乃「もう遅いよ?ひかるっ」


は、恥ずかしい……


保乃「詳しく教えてもらおうか?」


□□「あ、○○じゃん」


○○、グットタイミング!!


っと言いたいところなんだけど……


今、○○が来たら、どうしよう……


意識しちゃうじゃん。


○○「はよ」


いつもと同じ素っ気ない○○の挨拶。


□□「おはよー、○○」


保乃「おはよ…」


ちょっぴり話をさえぎられて保乃は不機嫌になっちゃったけど……


ひかる「○、○○っ…か、風邪大丈夫なの?」


噛みすぎだよ私。


動揺しちゃってるのバレバレじゃん。


○○「あぁ、大丈夫」


ひかる「そ、そっか……よかった」


とりあえず治ったならよかったよ。


カバンを置いて、自分の席に座ると思ったのに……


○○「ひーかちゃん」


ま、待って!


き、今日はダメだよっ。


ま、まだっ。


簡単に抱き着かれてしまう私。


近すぎるよ、○○。


目の前でニヤニヤしてる2人がすごい気になるんだけど……


きっと、今の私の顔が真っ赤なんだろうな。


わかるよ。


私の心臓だって、○○にはもちろん。


保乃と□□にも伝わりそうなくらい、ドキドキしてるんだもん。


○○「あ、ねぇ、ひかちゃん」


ひかる「ひゃっ、えっ、な、何?」


ま、また変な声……


おまけに体までぴくんと動いちゃったし……


で、でも○○が悪いんだよ?


私の耳元で話すから。


今日の私、おかしすぎるよっ。


○○「ひかるさ、昨日俺にキス…した?」


……へっ


ええええっ、いや、そのっ…


みるみるうちに上がっていく私の体温。


終わりを知らないかのように。


それも甘い声で囁くから……


この○○の言葉は保乃と□□にも聞こえていたようで……


私たちの前で、お腹を抱えて大笑い。


ちょっ……ば、ばれちゃうじゃんっ。


○○「ね、どーなの?ひかちゃん」


ひかる「し、してないよっ!…す、するわけないでしょっ?」


こんなんで、○○をごまかせるんだろうか。


○○「…そっ」


ご、ごまかせた?


○○は離してくれないから、ドキドキは止まらないけど。


そっと胸をなでおろす。


保乃と□□はつまんなさそうな顔してるけど……


キーンコーンカーンコーン


ホームルームを知らせるチャイムでやっと私は解放されることが出来た。





投稿56作目です。
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