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兄妹で赤ちゃんができた話

わたしには大好きな人が居る


それは…お兄ちゃん。


ずっと好きだった


だけど


言わなかった


言えなかった


嫌われたくなかったから


でも中3の時、


我慢出来なくなって


お兄ちゃんに告白した


和「わたしね、お兄ちゃんのことが好きなの……1人の男の人として……」


そしたら…


お兄ちゃんも同じ気持ちで居てくれた。


○○「そっか。実は俺も和のことが好きなんだ……彼女にしたいってずっと考えてた」


わたしが気持ちを伝えた日から


わたし達は恋人になった。


お母さんとお父さんにばれないように……


わたし達は順調だった。


毎日楽しかった。


親から見ると仲が良い兄妹のように見えてたと思う

――でも幸せは続かなかった




……生理が来ない


2週間も遅れてる……


まさか、ね……


ある訳ないよ…


避妊はしてたし、危険日は避けてたし……


どうすればいいんだろ…


お兄ちゃんには言わなきゃ駄目だよね…


でもどうしよう…


もし出来てたら……


わたしはお兄ちゃんに生理が来ないことを言った。


そしたら、


○○「妊娠検査薬でとりあえず調べてみよう」


って言ってくれた。


お兄ちゃんもきっと焦ってるはずなのに…


わたしに安心させる為にわざと笑ってくれた……


お兄ちゃんは妊娠検査薬を買ってきてくれた


結果は……陽性


どうゆうこと…?


赤ちゃんが出来てるってこと…?


……嘘だよね?


あり得ないよ…


わたしのお腹の中にお兄ちゃんの赤ちゃんが居るの…?


和「お兄ちゃん…たぶん赤ちゃん出来てた…」


○○「そっか…………とりあえず、母さんと父さんに俺らのことちゃんと話さなきゃいけないよな…」


和「うん…」




父「本気で言ってるのか…?」


○○「うん。いつかは言わなきゃいけないって思ってたんだけど言えなくて…」


母「どうするつもりなの?」


○○「俺ら兄妹だし、無理だって分かってる。……でも腹ん中の子供は確かに俺の子供だ。責任は取りたい。」


父「兄妹の間に産まれた子供なんかどんな子が産まれてくるか分からないんだぞ?」


○○「分かってるよ。だけど俺が妊娠させたんだ。」


お兄ちゃんは一生懸命お母さんとお父さんに話してくれた


わたしはただ座ってることしか出来なかった。


――結局、納得してもらえなくてわたしは堕ろすことが決まった


産んであげられなくてごめんね……


そして…


わたし達は


別々に暮らすことになった。




わたしは


大好きなお兄ちゃんとの赤ちゃんを堕ろした…


産みたかったけど、兄妹だし無理だったから…


――だけど、ある日、わたしは


お母さんとお父さんが


重大なことを隠してるのに気付いてしまった……


わたしはB型、お兄ちゃんはAB型


B型のお父さんとO型のお母さんから


お兄ちゃんが産まれる訳がない…


今更気付いた…


てことはわたしとお兄ちゃんは血が繋がってないの…?


お父さん…お母さん…教えてよ…


わたしは


ほんとのことが知りたくて


お父さんに聞くことにした…




和「お父さん…聞きたいことあるんだけどいいかな…?」


父「ん?何だ?」


和「お兄ちゃんのこと。」


父「あいつのことは忘れるように言ったはずだ」


和「分かってる。でも聞きたいことがあるんだ…」


父「何だ?」


和「お兄ちゃんとわたし…血が繋がってないの?」


お父さんは黙り込んだ


やっぱそうなんだ……


わたしとお兄ちゃんは血が繋がってないんだ…


そう思った


父「何でそう思ったんだ?」


和「だって…B型のお父さんとO型のお母さんからAB型のお兄ちゃんが産まれる訳ないよね?」


父「…。」


和「黙ってないで答えて!」


父「……そうだ。お前の言う通りだ…。お前とあいつはほんとの兄妹じゃない」


和「どうしてなの…?」


父「お前は確かにお父さんとお母さんの子だ」


父「だけど、あいつは違う。あいつは養子なんだ…。」


和「そう、なんだ……」


父「昔、子供が出来なくてな。養子に貰ったんだ…。」


和「な、何で今まで言ってくれなかったのよ…」


お父さんは涙を流した


父「すまん……」


和「じゃあ何で…?何でわたし赤ちゃんのこと堕ろさなきゃいけなかったの?」


父「すまん……」


和「謝ってばかりじゃわかんないよ……」


和「……お兄ちゃんに会いたい」


和「会いに行っていいでしょ?」


父「……分かった…行ってこい」


そう言ってお兄ちゃんの居場所を教えてくれた




お兄ちゃんの姿を見つけた


和「お兄ちゃん!!」


わたしはお兄ちゃんの胸へ飛び込んだ


そして


お兄ちゃんに全てを話した。




その後


お兄ちゃんとわたしは


お父さんとお母さんに承諾を受け、


戸籍を別々にしてもらい、


結婚した。



ずっと一緒に居ようね、お兄ちゃん






投稿70作目です。
久しぶりの中編ですね。
今回は以前XのALTで投稿したのをnoteに作品化してほしいとリクエストがあったので、加筆修正した作品となります。
ぜひ感想などお待ちしてます。

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たっつー
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