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甘える君に恋してる #24

保乃「あっつーい!」


さすが、沖縄っ!


すごく暑いです。


そんな暑いって言葉じゃ言い表せないほど


雲もなくて、日がガンガンと降り注ぐ。



飛行機の中で、何度も日焼け止めクリーム塗ったけど……


ちゃんと効いてくれるか心配……


□□「とりあえず、荷物置きに行こうぜ?」


□□のひとことで、先にホテルへ行くことになった。


部屋に置いていこうということで、フロントでチェックインしたあと、鍵をもらって部屋に向かう。


外観も内装もキラキラしてる。


金銭的な面もあって、高いところは無理だったけれど、それを感じさせないくらい高級そうなホテル。


私たちの部屋は、となり。


どっちも2人部屋。


ひかる「保乃、いこーっ」


私が保乃の手を取って、角部屋に入ろうとしたとき。


保乃「なにしてんの、ひかる」


ひかる「……へっ?」


なぜか呆れ顔。


□□「保乃は俺と同じ部屋なの」


保乃「そうゆうことやでっ!」


□□は私から保乃を引きはがして、自分と腕を絡ませていた。


ひかる「保乃と□□が同じ部屋……」


ってことは……


ひかる「○○と同じ部屋!?」


保乃&□□「「うんうん」」


2人とも、すごい楽しそうです……


もう、口元緩んでますよ……


□□「じゃあ、荷物おいたらロビー集合な?」


保乃「水着も忘れんとってな?」


そう言い残して、先に2人は部屋の中へ入っていってしまった。


○○「ひかる、入んないの?」


ひかる「へっ?……あ、うん、入るよ」


カードを差し込んで、中に入る。


お部屋の中も、すっごく綺麗。


私たちの部屋は8階だから、眺めもいい。


海の近くだから、目の前には透き通るような青い海と、綺麗な空と、眩しく光るビーチが広がっている。


ひかる「……うそっ」


私が驚いたのはこのあと。


ひかる「なんで、ベッドひとつしかないの?」


2人部屋なのに……


ベッドが1つ。


○○「ダブルベッドじゃん」


ひかる「そ、そうだけどっ」


そうゆう問題じゃなくてね??


大きさは良いんだよ……


ベッドが1つってことはさ……


ひかる「……きゃっ」


パサっと音を立てて、大きなベッドに倒される。



ひかる「ちょっ……○○っ」


○○に抱きしめられていて離れられない。


○○「俺と一緒に寝るのやなの?」


俺様っぽくて……


でも、甘え声の○○。


そんな、嫌なわけじゃなくて……


ひかる「恥ずかしいからっ」


○○「毎日家で一緒に寝てるのに?」


ひかる「……っ///」


それはっ……


勝手に○○が入ってくるからだよ……


ぎゅーっと強くなる私を包む○○の腕。


ひかる「離してよ、○○ー」


○○「やだ」


わがままな子供。


甘えたがりな子猫ちゃん。


そんな○○の温もりに包まれて落ち着く私。


絶対こんなこと言えないけど……


ずっと○○に包まれていたい。


なんだけど、今は……


ひかる「ほらっ、遅かったら保乃と□□に怒られちゃうっ」


それに、何してたか聞かれそうだし……


○○「チッ」


いや、舌打ちしなくても……


なんとか○○から解放されて、海に行く準備をする。


水着とタオルと……


ひかる「ねぇ、準備しにくい」


○○「いいじゃん」


結局私……抱きつかれてます。


動きにくいよ……


ひかる「○○は準備できたの?」


○○「もちろん」


離そう作戦失敗。


為すすべもなくて、そのまま準備をした。


ひかる「じゃ、いこっ」


部屋から出ると、抱きつくのはやめたみたい。


その代わり、手を繋がれる。


指を絡ませられて……


あれですか?


“恋人つなぎ”ってやつ。


なんか、恥ずかしいよっ……


○○を見ても、なんも感じてなさそう……


私はこんなにドキドキしてるのに。


保乃「あ、ひかる」


□□「ひかる!○○!おそーい!」


ひかる「ごめーん!」


ロビーで私たちに向かって手を振る保乃に振り返しながら、小走りで向かう。


□□「うわ、ラブラブだね2人とも」


ニヤッとしながら、私たちの手に視線を移す□□。


○○「そうだけど、なんか問題ある?」


ひかる「……なっ」


○○「え、違うの?俺はひかるのこと好きだけど」


ひかる「……っ」


い、いきなりは反則だよっ!!


保乃「ロビーで愛の告白かー」


保乃まで楽しそうにしてるし……



みるみるうちに熱を帯びて、赤く染まる頬。


ひかる「は、早く行こっ!ねっ!」


□□「そうだな、行こーぜ?」


保乃はまだ物足りなさそうな顔してたけど……


私が持ちません。


早く海に入って、この熱を冷ましたい……


ホテルから出て、徒歩10分程度の所にあるビーチ。


ひかる「ひろーい」


部屋から見た時より、数十倍も大きく見える。


砂や海面から反射する光は、とても眩しい。


保乃「着替えてこよ、ひかるっ」


ひかる「あ、うん」


保乃に手を引かれながら、更衣室に向かう。


保乃「ちゃんと言ったあれ、持ってきた?」



着替えながら聞かれる。


ひかる「うん、ちゃんと持ってきたよ?でも……これ着るの?」


私の手には、黒いレースをあしらったビキニ。


保乃「絶対似合うから!○○がどんな反応するのか楽しみやで!」


○○なんて、私の水着姿見たってなんも思わないよ。


隣ではもう水着を着た保乃。


モデルみたい…………


すごい綺麗なシルエット。


羨ましいなぁ。


保乃「何見てんの、ひかる」


ひかる「へっ……」


無意識に保乃のことをガン見していたみたい。


ひかる「その……スタイルいいなーって思って……羨ましい」


保乃「はぁー」


え……?


いつもにないほど大きなため息。


ひかる「なにっ……」


なんかまずい事でも言ったかな……


怒ってたらどうしよう……


保乃「ひかる……」


ひかる「は、はい……」


保乃「ホンマ、鈍感」


ど、鈍感……ですか。


どこがでしょう?


ぽかんとその場に立ち尽くす。


保乃「ひかる可愛いし、スタイルもめっちゃええんやから……」


ひかる「あ、ありえないからっ!!」


保乃「ありえるねんて。去年やって、どんだけの獣がひかるを狙ってたことか……」


大変やったんやから、と付け足した。


いやいやいや。


私より保乃の方が!!


ってまた言ったら怒られそうだからやめるけど……


絶対保乃の方がスタイルいいのにな。


保乃「ほら、さっさと着替える!」


ひかる「は、はいっ!」


それから、今までにない速さで早着替え。


ひかる「いい……よ」


保乃「なーに緊張してんねんっ」


バシッと背中を叩かれる。


痛いです、保乃さん。


こんなセクシーな水着着たら緊張もするよ!


きっと似合ってないし……


見られるのが恥ずかしい……


長めのパーカーを羽織って、完全防備にする。



保乃「○○の前では脱ぐんやで?わかった?」


○、○○の前でっ!?


ひかる「む、無理です!!!!」


それだけは……


きょ、興味はないかもしれないけど……


こんな、姿見せるのは恥ずかしい。


保乃「わかったー?」


ひかる「は、はい……」


……負けた。


保乃の威圧感に……


保乃「ほな行くでー!」


ひかる「ま、待って保乃っ!」


引かれるがままに連れていかれる。


保乃「お待たせーっ!」


砂浜で待つ2人に手を振る保乃。



会いたくない……


今すぐ逃げ帰りたい。


それか、今すぐ海の中に飛び込みたい……


□□「おせーよ。何人に逆ナンされたと思ってんの」


冗談を言うように言う□□。


でも、横の○○を見ると、すっごく不機嫌で、それが本当の話だということを感じさせる。


保乃「ごめんってー。ひかるがさ、ビキニをなかなか着てくれなくて」


ひかる「あ、保乃っ」


やけに“ビキニ”を強調させて言うから……


□□「ひかる、ビキニ着てんの!?楽しみだな○○っ」


○○「……別に」


あーっ


○○、さらに不機嫌になっちゃった……


そうだよね、ビキニなんて私が着るものじゃないもんね……


似合わないもん。


保乃みたいな、スタイルのいい子が着るものだもん。


ひかる「保乃……やっぱり着替えて……」 


……っ


更衣室に戻ろうとしたところを、ガシッと保乃に腕を掴まれる。


保乃「逃げたら許さへんで?2人とも、ひかる見たら鼻血でるよ?」


くすっと笑う保乃。


うん、キモすぎてね、似合わなくてね……


そりゃ、鼻血も出ますわ。


保乃「じゃ、□□いこっ!」


保乃は私から離れて、□□に腕を絡ます。


□□「えー俺もひかるのビキニ見たいんだけど……ってぇ」


保乃「この浮気者!」


□□「ごめんてー」


頭を叩かれたのか、頭を押さえながら□□と保乃は海へ行ってしまった。



取り残された私と○○。


ひかる「私……着替えてくるねっ!」 


やっと保乃も居なくなって着替えられると思ったのに……


ギュッ


ひかる「○○っ……」


○○「着替えなくていいから」


更衣室へ行こうと後ろを振り向いた隙に後ろから○○に抱きしめられる。


ひかる「似合わないもん……恥ずかしいし」


○○「それでもダーメ」


○○は離してくれそうにない。


もう……


仕方なく○○の腕の中で大人しくする。


○○「海入る??」


入りたいけど……


今脱いだら○○に見られちゃうし……


ひかる「ううん、入んない」


○○「なら座ろっか?」


ひかる「うん」


どこかベンチにでも座るのかと思ったけど……


座ったのは、その場の砂の上。


しかも……


ひかる「暑いよ、○○」


ずっと抱かれっぱなし。


○○「いーの、俺がそうしたいの」


甘えん坊○○!


良くないよーっ!


もう……


恥ずかしいよ。


○○「ねぇ、ひかちゃん」


ひかる「なに?」


○○「パーカー、脱がせてい?」 


ひかる「…………へっ!?」


ちょっ…………


パーカーなんて、脱いじゃったら私の水着姿見られちゃうよっ!!



ひかる「だ、だめっ!」


○○「いやだ」


えっ……


やだって……


○○「だめだったらっ」


もう既に遅し。


○○がチャックを下ろしたあとだった。


○○「…………」


ひかる「に、似合ってないよねっ」


慌てて○○に開けられたチャックを締めようと手に掛ける。


○○「俺以外にその姿見せないで」


ひかる「へっ?……」 


ぎゅーっと私を包み込むように抱きしめる○○。


○○「絶対見せちゃだめだよ?わかった?」


ひかる「う、うん……そんなに似合わなかった?」


○○が他の人に見せたくないくらい、似合わないんだね……


○○「ひかる、ばか?似合いすぎてんの。だから見せたくないの」


似合いすぎてる……?


……うそだ


ひかる「じょ、冗談?」


○○「冗談なわけないじゃん……可愛すぎんの」


そう言って、私の首筋に顔を埋める○○。


可愛い……?


ひかる「ありえないって……」


○○「もう部屋戻ろ」


○○は私から離れて、チャックを閉める。


もう戻るの?


ひかる「まだ海入ってないよ?」


○○「はぁ」


大きなため息をつく○○。


……なに?


またなんか言ったっけ……


○○「本当、さっきの話聞いてた??」


さっきの話?


こてんと首を傾げる。


○○「海入るのにまず何する?」


まず?


ひかる「えーと……パーカー脱ぐ……あっ」


○○「俺以外にその姿見せないでって言ったよね?」


ひかる「うん……」


○○「ほら、行くよ」


1度私の頭を撫でてから、私の手を取ってホテルへ足を進める○○。


ひかる「待ってっ」


あっという間に日も暮れて、海から帰ってきた保乃と□□には、なんで先に帰っちゃうのって怒られた。


○○に水着姿を見られたことを言えば、すぐに機嫌を直してくれて……


逆にテンションが上がってたみたいなんだけど。


□□もなぜか、私の水着姿見たかったとか訳のわからないことを言い出して……


保乃に喝を入れられてた。


それに、○○まで不機嫌になっちゃって……


なんでだろう。


それから4人で夕食のバイキングに行って……


ここのホテルは露天風呂付きだったから、保乃と2人でお肌にいい温泉に長い時間浸かった。


保乃「気持ちよかったー!」


ひかる「温泉とか久しぶりだよね」


満足行くまで浸かって上がってきたら……


□□「2人とも遅すぎ」


かれこれ、2時間くらい入っていたらしい。


保乃「ごめんなー?」


さすがに待たせすぎたかな……


先に戻っててもいいよって言ったのに。 


2人揃って、心配だから残るって言ってずっと待っていたみたい。


そんな、何を心配してたんだろう。


部屋の前で保乃と□□と別れて部屋に入る。


○○「ひーかちゃん」


ひかる「ふぇっ?」


部屋に入るなり私に抱きついてくる○○。


ひかる「どうしたの?」


○○「んーん、なんでもない」


そうは言っても、ぎゅっと抱きついて離れない。


ひかる「……きゃっ」


○○に引かれて、同時にベッドの上に落ちる。


これ、昼間にもあったような……


ひかる「…○、○○っ?」


○○「もう少しこっち来て?」


ひかる「やだっ」


これ以上近づいたら、この心臓の音が聞こえちゃう。


○○「もう毎日一緒に寝てんだから」 


それも昼間言われたよ。


本当に慣れないんだもん。


ひかる「ちょっと、○○っ」


○○「ひかちゃんが来てくれないから悪い」


無理矢理手を引かれて、○○の方へ引き寄せられる。


○○の腕に包まれたら出ることは出来ない。


ひかる「○○、暑いってばっ」


○○「知らない」


ひかる「動けないよっ」


○○「じっとしてて」 


ひかる「もう、○○ったら」


何してもだめ。


○○「うるさいなぁ、ちょっと静かにしてよ、ひかちゃん」


ひかる「……○……んっ」


私の言葉を遮るように唇を奪われる。


ひかる「……っ、ばかぁ……って○○?」


唇を離してくれた○○は、もう寝息を立てて寝てしまっていた。


ひかる「早すぎるよっ……」


寝ていても、がっしりと私を包んで離れない○○の腕。


○○「ひかる……愛してる」


ひかる「……っ///」


○○の寝言。


寝言でも甘く囁く○○は、私をどこまでも夢中にさせる。


ひかる「私もだよ……」






投稿68作目です。
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たっつー
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