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麻雀を理論で考えて楽しくする(手の形や捨牌読みをしてみよう、の入門)

こんばんは、ゆのゆのPです。
普段はデレマス系の記事を書いていますが、今回は雑談回ということで、好きなものの一つである、麻雀の話をしようかと思います。

いろんなことを書きすぎると、ごちゃごちゃして、1記事で終わらないと思いますので、今回は比較的考えやすい内容にしぼって「相手の待ち予想」に関連する記事にしようかと思います。
(そのうえで必要なことについてはその前に軽く触れます)

自分自身、雀魂では雀聖2前後をいったり来たりしてる状況で、プロや魂天到達者ほどの雀力はないかもしれませんが、それでもある程度の雀力は持っていると自信はあります。

記事として「相手の捨牌を読んでみよう!」に始めて触れる方も読みやすい内容を意識していますので、興味がある方はこの記事読んでみてください!
また、麻雀の読み・戦略などに興味を持った方は、他もいろいろな勉強してみてください!

★この記事の対象に関して

 この記事は、麻雀の基本的なルールや役をある程度理解しており、配牌から和了に向かえる方を対象としています。
 また、三麻は牌の種類が少なく、「レアケース」のような和了が起こりやすいため、対象外とさせていただきます。
 この記事を説明するうえでの前提とする、基本的な考え方については1~3で簡単に触れています。麻雀の基本的な考え方はわかってる!という方は飛ばして4から確認をお願いします。


1.牌山や運の考え方

 麻雀は、牌山によって配牌やツモ牌が決まります。
そのため、牌山によっては、どうやってもテンパイできない流れだったり、どうあがいても勝てないことはあります。
極論、和了形しか知らない初心者でも配牌が極端なことになればプロに勝つことは可能ですし、逆を言えばどんなに極めても一定の割合でラスを引きます。
 よほどの戦力差が無い限りは、どんなに防御寄り・完璧に打っても、10%~15%程度でラスは引いてしまうでしょう。もちろん、極端なことが毎回続くわけではなく、その人の選択によって変わる局面はたくさんあり、そこをどう打てるかが高い勝率・いい平均順位を維持できる鍵になります。
 積み込みをしない限りは、牌山がどう転ぶかは完全ランダムですので、極端に不利だった場面はもう割り切って、選択によって勝敗が決まる局面をミスしない方向で学ぶことが重要なのです。

2.牌効率や、手の進め方からの考え方

 麻雀を進める場合、防御の面を除くと、牌効率や打点を意識した打ち方になると思います。
牌効率:最速テンパイを極力逃さないようにするための打ち回し
打点:基本は4ハンになるように目指す打ち回し(面前ならリーチ+1ハン以上あれば十分なことが多い ※ここでいう1ハンにピンフは含まず)

 打点がある程度満たされ、狙いやすい手役がないのであれば牌効率を重視し先手を打てるよう広い形に取る、といったことが多いです。
たとえば下記の局面においての選択でしょうか。

 赤5pが魅力的、さらに6pがくっつくとさらに打点が上がる手ではありますが、5pを残す場合、7mもしくは9mを切るとテンパイチャンスを大きく逃します。
6pをくっつけるのもいうほど簡単ではない+赤5sで1ハン+中がつけば更に1ハンで、面前でいくのであれば打点は足りているため、AI判断でも、かなり強めに赤5p切りが選ばれています。

 また、面子作りに困ったときには、基本的には両面を残すなど、形を良くしていくことで、テンパイのしやすさ/テンパイ時の待ちの良さを優先させて手を進行させることが多く、下記の場合でもその打牌がベストになります。

ここではベストな3sを引けていますが、6mや4s引きorポンテンでも両面待ちになっていました

 待ち予想の観点でも、他の人もそういう手組をすることを前提に考えれば、テンパイ時に両面待ちを強めに警戒する捨て牌の順番でその人の要不要が判断できる、ということになり、待ち牌予想の考えが生まれるのです。

3.待ちの形の考え方

 国士無双の特殊形を除くと、下記5種類の待ちに分けることが出来ます。
■単騎待ち(多面待ちを除くと3枚まで、どの牌でも
■カンチャン待ち(多面待ちを除くと4枚まで、待ちは2~8の3色21通り
■ペンチャン待ち(多面待ちを除くと4枚まで、待ちは3か7の3色6通り
■両面待ち(多面待ちを除くと8枚まで、待ちのパターンは18通り※
■シャンポン待ち(多面待ちを除くと4枚まで、どの牌でも
字牌は単騎orシャンポンのみ!

両面待ちに関しては、1-4, 4-7, 2-5, 5-8, 3-6, 6-9の3色18通り
※よく、これをスジ/18本と言ったりしますが、これは3差の数字の組になるもので、片方が通るならそのパターンが否定されます

 多面待ちであってもこの5つを2つ以上組み合わせているだけであるため、これ以外の待ちの形は作ることが出来ません。
他者においては、フリテンのルールや、自分から見えている牌の数によってどのパターンに当たる・当たらないを考えることが出来ます。

4.他者の待ち予想の考え方(待ち牌予想ではなく、待ちじゃない牌予想をする)

 待ち牌予想と書いてきてはイますが、他者のテンパイに対し、待ちは「○○だ!」と、ピンポイントで予想することはほぼ出来ません
(特殊な例を除く)
基本的には、当たり牌を選ばないよう回避していく動きとなります。

 牌の捨て順については人の手が介入するため、牌効率を考えれば、その人の切り順によっては安全度に差が出ますし、残り枚数などの待ちのパターンからも、危険・比較的安全などの評価をすることが出来ます。

 なお、鳴き相手に関して、手役の制約上、形は読みやすいものの、100%というように確実にテンパイを察知することは難しかったりします。
警戒しすぎると自分のチャンスを逃すことになりかねませんので、最初のうちはドラ含みそうな3副露や、染め手の色が余りだしたなど、明らかに危ない例をまず警戒できるようになればよいでしょう。

 リーチに関しては(ノーテンリーチじゃない限り)100%テンパイかつ、打点も高いことが多いです。ロンされればその時点で終了ですので、特にリーチに対しては安全度比較ができるようになっていきましょう。

 もちろん、自分の手の価値が高すぎる場合、たとえば、自分がラスのオーラス/親で満貫テンパイ両面や跳満以上テンパイ/放銃してもラスにはならないけど和了ればトップというような局面では、危ないと思っていてもある程度勝負しないといけない時があります。そのような場面を除くと、

●自分の手や自分が和了することに価値がなく、放銃が悪である場面
  ⇒一番安全な牌を切っていく。
●自分の手がそこそこ価値があってテンパイしている場面
  ⇒「このぐらいの危険度の牌は押してもいいだろう」というレベルを
   打点や待ちによって定め、押し引きを判断する
   また、鳴き相手なら、打点が安いと判断できれば場合により全ツッパ
●自分が打点十分形十分だがイーシャンテンの場面/1000点のテンパイなど
  ⇒少し慎重に「このぐらいの危険度の牌は押してもいいだろう」の
   レベルを定め、押し引きを判断をする

という、場面によって戦い方が変えられるのは、安全度比較が出来てこそ、なのです。

5.放銃しないには、完全安全牌を切ることが一番安全だが

 一応ですが、3人に対して絶対安全な牌というのは存在します。

■形上の完全安全牌
あくまで、待ちの形をどれも作ることが出来ないのであれば、完全安牌となります。
例えば、手持ち含め4枚見えている字牌に関しては、国士無双以外には絶対に当たりません。(国士無双は、1/9/字で4枚見えている牌が1種類でもあれば否定できますし、捨て牌でもある程度絞れると思います)

それ以外にも、特定の牌が4枚見えていて、かつそのものも4枚見えている(7pが4枚見えていて、手持ち含め4枚見えてるときの8p切りなど)
など、単騎すら作れない形ならそれも完全安全牌です。

■3人の現物
全員が1枚ずつ捨てている牌は完全安全牌となります。

■その他、3人に通る牌
リーチ者がいる場合のリーチ後の見逃しフリテンルールや、同順内フリテン、その人がその待ちを作れるかなど、組み合わせによって判断します。

簡単なものだと下記でしょう。

上の例の色んな種類の完全安牌(8sは2人に通る+リーチ後フリテンルール)
7pが4枚見えているが、単騎待ちが否定されていないので9pは完全安全牌ではない。
なお、次に8pを引いてきたら8pは何の待ちも作れないため安牌

 ただ、この例のように都合よく、3人に通る牌はあることは少ないです。
常に3人テンパイしているわけではないですので、一人しかリーチが来てない&テンパイしてなさそうな時に、安易に完全安牌を捨てていってしまうと、2人目からリーチが来たときに困ってしまいます。
(ベタオリなら残り巡目に応じて、完全安全牌はできるだけ温存したい)
そのため、できれば完全安牌という観点だけでなく、一人ひとりにおいて、誰に何が通るか、誰を警戒するか という、安全度を判断できるようになったほうがいいのです。

 警戒すべき一人に対しても、現物やリーチ後に捨てられた牌(鳴き相手なら、同巡に切られた牌)は安全ですが、
それ以外、待ちを作れる形においては100%安全では有りません。そうなると「打牌選択は人が選んでやっている」ことを考慮することが重要です。
その観点を含め、次の項からリーチ者に対して安全度比較する方法について考えていきましょう。

6.赤を切った?なんでそれを残した?

 まず簡単な例として(リーチ場面ではないですが)
赤5pが切られた例を紹介します。

ここからわかることは、上家は明確に5pを嫌っているということになります。雀魂は赤5が1枚ずつですので、手にあるわけではありません(ドラのように2枚から1枚切ったわけではなく、明確に赤5を選んで切っているため)

 もちろん役満の手や、打点が重要じゃない場面で相手を騙すために!と先に赤を切るケースはないわけでは有りません。(実際にプロの対局でもそのような場面は有りました)
ただし、そのようなレアケースを除いて考えると、明確に上家は5pを使わない手を狙っているということになります。
5pがないということは、36p待ちや47p待ちが否定されるということです(69pや14p待ちは否定されないので4p,6pは安全とはいい切れません)
もし、このあと直ぐリーチが来ていたとすれば、3pや7pはかなり安全な部類に入るので、安全牌に困った時 or 3pや7pぐらい押したい、という場面なら押してもいいと思います。(それ以上に安全な牌がある場合や、完全にベタオリする場合は、状況判断してください)

 なお、このあと、東が手出しされました。
こうみると、赤5pよりも東や中を大事にする手だったということでしょう。
この時点で混一色や、ドラ2枚抱えたチートイツの可能性が高くなります。

2p引いてきたら3pぐらい押します。

最終的にソーズの混一色と判明しましたが、この赤5切り一つをとっても、その人の選択が入っている以上、強めの情報が得られるのです。

7.スジって安全?

 人間の選択により、両面待ちになることが多い、ということから、スジ牌が通っている場合(5が通っているときの2や8など)は比較的安全と言えることが多いです。
ただ、あくまでそれは両面待ちが残った場合であり、カンチャンやペンチャンが残ってしまっても、それでも打点があるからリーチ!なんて言った場合にはそれは満たされません。
なので、スジが安全かどうかというのは自分の手の価値や、リーチをしてきた人の手牌構成を考える必要があります。

 上記の局面において、7pは4pのスジとなっており両面待ちには当たりません。ただ今回安全でしょうか?
まず、今回の7pは待ちの形として「ペンチャン」「カンチャン」「単騎」「シャンポン」などの全愚形に当たる可能性があり、どれも否定できていません。 ※この記事における愚形は、両面待ち以外とします

 リーチ者が發という安全牌を捨ててまで4pを最後まで残しています。安全牌を切ってまで4pを残す価値があった=4pが関連牌orくっつけたかった可能性があり、下記のような手だった可能性も十分に考えられます。

ギリギリまで数牌を残していた=形に不安があったという可能性が高く、愚形残りも十分にあり得るため、7pは安全とはいい切れません
なので、ベタオリする場合はスジだからと7pは進んで切っていい牌にならないのです。

 逆に、下記の牌姿はどうでしょうか。

これに関しては、北が手出しでリーチですので、明確に安全牌の北を残して手を進行していたようです。そして6mを先に切っています。
鳴いている西家(自分)に対して警戒して先に6mを切ったという可能性もゼロではないですが、普通は自分が良形テンパイを目指し、テンパイ勝負のほうがよいですので、下記のような牌姿で6mを切るということは殆ど無いでしょう。

下記のような手でも6m切って北を残すより、北を先に切ることが多いと思います。

最初の例とは逆で、3~7の価値の高い数牌を切ってまで安牌を残すのは、形が良形あることが多く、残りは殆どが両面待ちor多面待ちになります。
(ツモり四暗刻やチートイツなど、手役が絡む場合を除く)

そういったことから、普段よりも高めの確率で上家には3mは通りますし、
何なら自分の手がテンパイなので上家には8mぐらい切ってもいい、というような判断にもなります。
(ちなみに4mについては赤5mを固定したいという意味で566mから切った可能性はあるため、8mほどは安全ではないです)

8.早い捨て牌の外側

 2軒目のリーチがきて困っている状況です。さて何を切りましょう。

二人に通っている牌はありません。そうなると頼りになるのが早めに切られている牌の外側(上家)です。
例えば、4巡目に2pを切った時点の上家の手が下記のような感じであれば、もう少し2pを残すでしょう。

明確に中が後に手から出てきており、要らなそうな中よりも2pを先に切っているのです。さらに中を切ってから数回手出しがあるなど、手の進行が中途半端なところからも、上記のような手は考えられず、本当に2pが要らなかった可能性が高いです。

そういったことから、2pを持っていないor構成されているなかでメンツができている可能性は高く、1pが待ちになる可能性は低いです。下家も1pが通りますし、これ以上選択肢もなさそうなので1p切りとなると思います。

9.(参考)本当になにもない時のベタオリは?

 本当になにもない時は、「字牌」や「1」や「9」など、当たる形が少ない牌で凌ぐことが多いです。
字牌=シャンポンor単騎にしかあたらない。ただし、役牌だと点が高くなる
1や9=シャンポンor単騎or一つの両面しか当たらない。かつ、タンヤオもなくなるため微差で安いことが多い。
※明らかに対子刻子気配や染め手気配など、字牌や1/9が危ない時は除く

 上記の場合は、どの牌もいろいろな待ちの形も考えられ絶体絶命のピンチですが、ここで9mを通せばもう1回9mを通せるので、比較的安全な牌で2巡凌げます。この間に安牌が増えればさらにオリ続けることが出来ます。

明確な安全牌の根拠はないですが、ほかよりはましという点で選んでいます。当たってしまったらアンラッキーという感じですね。

 なお、この手がぐちゃぐちゃなため一番安全な牌を選んでいますが
これが面前テンパイだったとしたら、まだ危険な牌が定まっていない状況でもあるので、手牌や点数状況等を加味して押し有利の場合は、1枚ぐらいは押してもいいでしょう。
今回のように相手がダブリーだとすると、当たったら明確に高いですので、それなりに自信がある手である必要はありますが。

10.相手を騙す手を作るかどうか

 少し戦術の話になりますが、これまで学んできたことを逆に捉えれば、相手を騙せる/放銃を誘えるということになります。
今回のように比較的安全としてきた牌の待ちをつくり、「リーチ」を宣言して、相手の裏をかいて牌を誘い出して「ロン!」と言えた時は気持ちよさもあると思います。
※逆に言えば、相手にそのような意思があれば、安全牌以外は100%安全とは言い切れないといことです。

 何の待ちであってもいい単騎待ちなんかは、そういった手を作りやすく、赤5を切ったあとの2や3待ち、壁の外側や、早めに切った牌の外側、比較的安全と言われる字牌を待ちにすることで出和了も十分狙えます

チートイにみえない字牌待ち

 ただし、この自信はあくまでこれは自分視点であって、正直有利ではない場面が多々あります。
まず、そのような手を作ろうとすると、手の形が牌効率の観点から外れるため手が遅くなり、打点も安くなることが多いです。打点があるのはたいてい、ドラがあるときかチートイツぐらいでしょうか。

 そして、やっとの思いで、スジ引っ掛けや比較的安全牌待ちの手が出来たとしても、基本的に枚数が少ない/愚形待ちになることが多いです。
少し押している人がその牌を余らせたら出てくれることが多いですが、逆に勝負手を持つ人がその牌を余らせなければ押し返されてしまう可能性があるということです。

 愚形かつ待ち枚数が少ないと、全ツッパしてくる人が余らせる可能性もいうほど高くないですし、追いつかれ押し返されて、めくりあいになると、特に相手が良形であれば、かなり不利になります。
先制リーチしたからといって、ベタオリしてる人からは出ないですし、いくらいい待ちの先制だからと言って勝確リーチとも言えないのです。
こういった場面では過信は禁物です。
もちろん、愚形であっても点数が高いのであれば押し返し上等!でリーチするのはありですので時と場合によりますが、基本は牌効率通りに、きれいな手を打ったほうが有利なことが多いです。

11.まとめ

 その時々に応じた判断ができるような例をいくつか紹介してきました。
実際にもっと読もうとすると、ここでは詳しくは書いていないですが、「明確な捨牌の順番」や「鳴きのスライドや待ち変え」「対子っぽい手」など色々考えることが出来、捨牌の情報を活かせるケースはたくさんあります。

 「この捨牌とこの牌姿は矛盾している!」というような考えがわかるようになってくると、推理ゲームみたいな要素も加わり、さらにその予想があたっていると嬉しいですし、麻雀も更に楽しくなってくると思います。
(さらにネット麻雀だけでなく対人だと、間や視線、牌の出し方などさらなる要素もあり、考えることが楽しくなると思います)

すべてを覚えるのは大変ですが、1つわかってくると、次は!次は!と覚えたくなってくるかもしれません。このように考える麻雀をしてみませんか?

12.リンク

麻雀の牌姿については下記サイトのツールを利用させていただきました

■麻雀で何切る!? さんの手牌画像ジェネレーター

また、AIについては下記サイトを利用させていただきました

■Mahjong AI Utilities


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