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Win-Win-Winな関係を!クライアントやユーザーに対するウェブ解析のモラルの話

ウェブ解析を通じて事業の成果につなげるにあたり、モラルが大事になってきます。

意外とこのことは忘れがちです。

ウェブマーケティングを仕事にしている僕にとってはインターネットの普及で個人情報やそりに近い情報を割りと簡単に入手できるようになりました。

簡単に入手できるからこそ、ユーザーのプライバシーに踏み込み過ぎたりして、そういった過ぎたマーケティングをやりがちです。

そうやってユーザーの迷惑にならないためには、「モラル」が重要だと考えます。

次回はウェブ解析におけるモラルとの関わりをテーマにお話していきます。


消費者行動分析とプライバシー保護

ウェブ解析は消費者行動を分析することで企業にとって有益な情報を提供し、一方でエンドユーザーには満足度の高いプロモーションを実施できるようにするための技術です。

今日では下記の2点の理由からユーザーのプライバシーを犯しやすい状況が起きやすくなっているので十分注意しましょう。

・データの個人情報化

・ウェブ解析の応用範囲の拡大

法律に違反していない、ポリシーに違反していないからと言って、ユーザーの望まない誘導を行うことは長期的には事業の成果を下げる要因になりうるのです。


ウェブ解析士としてのモラルと行動規範

・モラルに欠ける行動

口コミをステルスマーケティングの手段として活用していたことが以前ありました。業者側が収益目的で作り上げた自作自演の口コミは本来の口コミのあるべき姿とは逸脱しています。

芸能人にお金を払い、自社商品をブログで紹介してもらう行為もそれにあたります。

ウェブ解析士はこのような結果的にユーザーを欺くようなウェブマーケティングを実施すべきでありませんし、提案してはいけません。

・不誠実なウェブマーケティングの実施

企業がお金を払ってウェブメディアの記事配信を行うネイティブ広告があります。それは本来読者のコンテンツ体験をなるべく損ねないようプロモーションを実施できるというメリットがあります。

しかし、それをそのようなネイティブ広告を悪用してユーザーを欺く広告が増えた結果、広告出港の際には「広告であることを明記する」ことを注意喚起する流れとなりました。

また、2016年にある企業が自社のウェブメディアに根拠に欠ける医療関連の記事を大量に更新して、広告収入を得ていたことが問題となりメディアは公開停止の運びになりました。

この場合、生命に関わる重大な情報を裏づけをとることなしに公開したことに重大な意味があり、ウェブ解析士もこのような情報の信憑性を慎重に取り扱うべきです。さまなくば結果的にクライアントの事業縮小につながります。


ウェブ解析士としてのモラルと行動規範

クライアントの成功をサポートする

ウェブ解析士としてのクライアントとの向き合い方として、誠実に向き合うことが求められます。

ここでいう誠実とはクライアントの事業の成果を上げるために収集した情報をわかりやすく関係者に共有し、判断の手助けをサポートすることにあります。

こちら側がウェブマーケティングのプロだからと言って、クライアントが不利益を被りそうな情報を隠したまま自身の利益のみを追求した提案・行動は慎むべきです。

結果的にそのような行為はクライアントの信頼性を失いかねないからです。

具体的には以下のようなことです。

・広告において、媒体側に支払う請求額を改ざんすること。

・GMB(Google My Business)のような本来無料で実施できるものを、有償で請求すること(設定作業代行費用などはあてはまりません)

・スマホアプリの開発など、本来膨大な宣伝費用がないとアプリの普及がなし得ないものを、資本力のない企業に提案すること。


ユーザー心理に影響を与えやすいサービス・商品の取り扱い

・コンプリートガチャ

一時期前にコンプリートガチャという、ガチャを引けばゲームが進んだりゲームに有利なアイテムが手に入れられるようになるアプリが流行りました。これらのサービスの取り扱いのあるクライアントに対しては注意が必要です。

以前、このようなコンプリートガチャの要素のあるアプリはユーザー心理を悪用したモラルに欠けるサービスであるとして批判の対象になったからです。

コンプリートガチャはゲーム内の目標達成率が低く設定されており、ユーザーはサンクコストのバイアスに陥りやすくなります。

課金すればするほど課金してしまい、結果的に費用が高額になるということが問題視されました。

ウェブ解析はこのような問題が事前に起きないように課金タイミングの設定をクライアントと一緒に十分に検討するようなサポートをすべきです。


目指すべき企業とユーザーとの関係

ウェブ解析士は事業の成果につながればなんでもして良いというわけではありません。

情報漏洩や不適切な業者選定などのトラブルに巻き込まれないよう、以下の三点を注意し、企業とユーザーとの関係を良好に保つようなアドバイスをしてください。

・ユーザーの意思の尊重

ユーザーの満足度を目的とした事業発展の意識

・ウェブを通じた社会貢献

口コミがユーザーの購買決定要因として無視できなくなった背景としても、企業広告による誇張表現などが発端となり、企業が発信する情報の信頼性がかけてしまった結果と言えるかもしれません。


セキュリティ

ウェブ解析士はクライアントとその先にいるユーザーを幸せにすることに貢献する義務があります。その実現のためには以下のようなセキュリティに関する知識を得る必要があります。

セキュリティの要素

・機密性

許可されたもの以外、情報資産を漏洩させないこと

・安全性

情報資産を正確な状態に常に保つこと

・可用性

可用性とは情報を扱える権限のあるものが、使いたい時にいつでも使える知れる状態にしておくことです。

しょっちゅうサーバダウンするサイトなどユーザーは不満に思います。


ウェブ解析士の守秘義務

・ユーザー情報の保護

個人情報の保管期間と消去方法をクライアントに提示する

・機密情報の保護

クライアントから共有されたウェブ解析データは、ユーザーや競合他社に見られては困る情報がほとんどです。

そのため機密情報は慎重に取り扱うべき。機密情報の取り扱い方法をクライアントに事前に明示しておくことがポイントです。

・公開方針

社内外で実績や経験の共有を求められる場合があります。その場合事前にクライアントに許可を得る必要があります。その中には施策も含まれます。


今回の内容は以上になります。

読んでいただいてわかる通り、ウェブ解析に限らずですが、個人情報・あるいは個人情報に近い内容が容易に取得できる時代になったからこそ、モラルを守ることを意識しないといつのまにかユーザーにとって不満を与える結果となる可能性があります。


なので、ウェブ解析において、道徳心にかける行動は慎みましょう。




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