【映画】長いお別れ
大好きな作品のひとつである『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督作品。『長いお別れ』。
やっと観に行くことができました。案の定、途中から大号泣、、、笑。テーマはとてもシンプルで「忘れるほど思い出すものとか、弱くなれば強くなるものもある」というだろうなと感じました。
父・昇平の認知症が進んで、記憶が「遠く」なるにつれて、家族の距離や思いは「近く」なって、忘れていたはずの昔のことを思いして、時には泣いたり、時には笑ったりしている。なんて素敵な光景が広がる映画なんでしょうか。
お葬式で故人を惜しんで思い出話をしたりしますが、今作では認知症によってゆっくりとお別れをしていくことで、生きている間に周りが自然と集まってきて、それぞれがそれぞれの問題を抱えながらも、思い出を語り合う。
認知症とか、病気の人を支える時って結局「愛」しかエネルギーになり得ないじゃないかと思うわけです。ずっと寄り添ってきた妻なら「妻の愛」で、娘なら「娘の愛」で、孫なら「孫の愛」なんですよね。それぞれの愛(エネルギー)を集めて支え合っていく。恐らく、この出来事を機に、家族はそれぞれの「愛」をエネルギーにして、これからも支え合っていくことができるんだろうなぁ。
家族を描かせたら中野監督と是枝監督は飛びぬけていますね。
スイカの種と干し葡萄を重ねる感じとか、クスっとしちゃいました。
そして、「生きている限り生きてほしい」という言葉。当たり前なんだけど、特別な言葉ですね。