Mode for Joe / Joe Henderson
今回はJoe Hendersonの66年1月録音リーダー作「Mode for Joe」を取り上げてみたいと思います。
63年Blue Note Label(BN)にて「Page One」でセンセーショナルにデビューを飾ったJoe Henderson、本作は同レーベル5作目に該当します。
作品中編成が最も大きいトランペット、テナーサックス、トロンボーン、ビブラフォンのフロント4人にリズムセクションが加わった7ピースになります。
フロントの厚みのあるアンサンブルの豪華さ、メンバー書き下ろしの素晴らしいオリジナル、スリリングなソロの応酬、なかんずくJoe Henのインプロビゼーションのハイクオリティさが光り、諸作の中でもキャッチーさが抜きん出ています。
しかし本作を最後にBNを離れ、66年に設立されたOrrin Keepnewsが主催するMilestone Labelに移籍します。そこで更なる意欲作を発表し続ける事になるのですが、本作はBN在籍3年にしてレーベルお抱えの代表的ミュージシャンを擁した総括的作品と言えるでしょう。
リーダー作のほか、BNにはサイドマンとして短期間で25作以上に参加し、しかもその多くがレーベル代表作でした。
Joe Henのエグく、かつジャジーな演奏があってこそ成り立つこれらの作品群により、自身はBNの顔として君臨していました。
Joe Henロスに創設者Alfred Lion, Francis Wolffの二人はさぞかし肩を落とした事と思います。
とは言えその後もBNのレコーディングには参加し、67年McCoy Tyner「The Real McCoy」、69年Herbie Hancock「The Prisoner」等での名演奏で引き続き存在感を示しました。
Alfred Lion and Joe Henderson
本作内容に触れる前にBNリリースのリーダー4作について、その足跡をざっと辿ってみましょう。
記念すべき第1作目「Page One」、テナーケースを置き、取っ手を指で軽く持ちながら壁にもたれ掛かり、上着のラフさを気にせずポーズを取る印象的なジャケットには初々しさを感じます。
63年7月3日録音Kenny Dorham, McCoy Tyner, Butch Warren, Pete La Roca、Joe Henが尊敬するDorhamとのコラボレーション第一弾でもあります。
名曲Blue Bossa, La MeshaのDorhamオリジナル2曲を取り上げ、自身のオリジナルで以降も取り上げる機会の多かったRecoda Meほか、Homestretch, Jinrikisha等の佳曲を披露しています。
演奏は良く言えば比較的穏やかに、端的にはいつものJoe Henのキレをさほど感じさせません。何かに拘っていたのか、共演者のプレイに気になる事があったのか、後年顕著に現れる、如何なることがあろうとも「委細構わず」邁進する明快なアプローチは影を潜めています。初リーダー作ということで緊張感が支配したのかも知れません。とは言えJoe Henの演奏は明確に自己のスタイルを聴かせ、オリジナル曲を中心に、気鋭のミュージシャンとクリエイティヴな演奏を展開するという定型を、既に披露しています。
「Page One」
第2作目「Our Thing」、初リーダー作から僅か2ヶ月、同年9月再びスタジオ入りしました。メンバーはDorham, La Rocaが残留しベーシストにEddie Kahn、ピアニストにはその後Joe Henとの共演が頻繁になる鬼才Andrew Hill、彼が参加の場合の多くはオリジナル曲演奏を伴いますが、本作では演奏者としてだけになります。
ここではDorhamが3曲、Joe Henが2曲持ち寄りました。 曲自体は凝った内容なのですが、メロディラインやリズムに今ひとつ華がなく、収録曲全てに同様な印象を受けるので、BNリーダー作の中で最も地味な感触を持ちます。
1, 2曲Hillのアブストラクトなオリジナルを収録すれば、カラフルな作品に仕上がったように感じます。
BNにはレコーディングを行なったもののオクラ入りし、後年リリースされたケースの作品がかなりの数あります。中には30年以上経過してから発掘され、やっと日の目を見たアルバムも存在しますが、作品の出来栄えに何らかの不満を抱いたプロデューサーの判断によるものでしょうか。もしかしたら本作も危うくオクラ入りするところだったかも知れません。
「Our Thing」
第3作目はReid Milesの秀逸なジャケットデザインが輝く「In ‘n Out」。
BNはシンプルにしてアピール度が高いジャケット・デザインの宝庫ですが、本作はその最たるものです。
Milesは56年から67年まで10年以上BN最盛期のジャケットデザインを手がけ、そのアルバム数は400枚を超えます。
54年にAlfred Lionのもとにデザインを持ち込んだ事から始まるそうで、自身の売り込みがあった訳ですね。そのセンスから彼はジャズ好きと思われがちですが、意外にも殆ど興味を示さず、クラシック音楽を好んで聴いていたそうです。
BNのレコードはRudy Van Gelderの録音、Alfred Lionのプロデュース、統率力、Francis Wolffの撮影するミュージシャンの写真、そしてReid Milesのアルバムデザイン、この4者が土台となりその上に絶妙なバランス感で名演奏の数々が構築されたのです。
Reid Miles
64年4月10日録音、Dorhamだけが残りリズムセクションは一新されます。McCoy Tyner, Richard Davis, Elvin Jonesの重量級トリオを迎えて、人選に違わぬ素晴らしい演奏を繰り広げています。
そしてJoe Hen書き下ろしのオリジナル3曲のいずれも素晴らしい事と言ったら!表題曲In ‘n Outは独創的なイントロ、バンプが挿入されるブルースナンバー、斬新なメロディラインと崇高な雰囲気、スピード感が同居しますが、Joe Henの書くブルースのテーマは本当にどれも素晴らしい!!
残念なのはDorhamがテーマを吹き切れていない点です。この事で折角のハイパーなメロディラインの印象が半減してしまいました。彼の書く曲とDorhamのテクニック、表現力にかなりの開きが生じ始めたのでしょう。
Elvin jones
Elvinの強力なシンバル・レガートとポリリズムが鳴り響くドラミング、McCoyの4度のインターバルを強調したフローティングなバッキングの連続、Davisの重厚でElvinとのコンビネーションも抜群なベースワーク、このトリオを従えたJoe Henのプレイはまさに水を得た魚状態、続くMcCoyのソロもこれまた炸裂しています!物凄いです!ひとえにJohn Coltrane Quartetでのコンビネーションの成せる技でしょう!
続くDorhamのソロは悲しいかな、このメンバーの中では埋没せざるを得ないクオリティです。
続くPunjabの曲構成も秀逸です。イントロのトリッキーさには目を見張るものがあり、リズムセクションとのメロディ輪唱も行われています。曲自体はナチュラルさを湛え、ストレートに耳に入ってくるのですが、様々な事象を緻密に組み合わせたブレンド感が絶妙、まさしくJoe Henのアドリブそのもの、美しく、イマジネイティブでしかも毅然とした音楽です。彼の作曲能力の充実ぶりはそれは見事なもの、格段の進歩を感じさせます!
自身のソロも曲想を踏まえつつ、しかし遥かその向こうの次元にまで飛翔するほどの、スケールの大きさを感じさせるものです。”ブッ飛んでいる”と表現するのが相応しいでしょう!リズム隊とのコンビネーションも申し分なしです。
そしてSerenityは50年代の古き良きジャズのテイストと、時代を反映した斬新さのバランス感にしてやられます!ミュージシャンの間でも流行ったJoe Henチューンの一曲です。
「In ‘n Out」
余談になりますが「Page One」でも同様に、ジャケットに記載されるべきMcCoy Tynerのクレジットがこちらでもetc.と扱われているのは、当時所属していたImpulse!レーベルとの契約上の措置なのでしょう、63, 4年発売のMcCoy参加アルバムでの特徴です。64年リリースWayne Shorterの「Night Dreamer」でもEtc扱いが見られます。
「 Night Dreamer」
第4作目は半年後64年11月27日録音の「Inner Urge」、いよいよJoe Henのワン・ホーン・カルテット作品登場です!リズム隊は要のMcCoy, Elvinが留任、ベーシストがBob Cranshawに替わります。表題曲の斬新さ、強烈なインパクト、難解ではあるけれど何処かポップさ(笑)を湛えた曲想、オリジナル・ライティングには更なる進化を明確にします。
一体どのような音楽を聴いて、研究してこのような作風に至ったのかに、実に興味を惹かれるところです。
「Inner Urge」
間違いなくElvin, McCoyの伴奏があってこそのナンバー、Joe Henのソロも楽曲同様に新たな境地を聴かせ、より一層の高みに登るべく進化を遂げています。短期間に急速に成長し、留まるところを知らぬが如しです。
McCoyのソロはElvinの繰り出すビート、ポリリズムと共に、Coltraneのカルテットでのプレイ以上の炸裂ぶりを聴かせています。左手低音部と右手アドリブラインのクロスするピアノ奏に、手に汗握るスリルを感じます。
Elvinはリズムの森羅万象を繰り出すかのような物凄いソロを展開、その後の再登場のテナーソロには、ラストテーマに流れ込む必然を見事に作り上げました。 McCoy Tyner
Isotopeもブルースですが、このテーマの持つイメージは一体どこから来るのでしょう?曲想はThelonious Monk的と言えなくもありませんが、僅か12小節の中に伝統とファンキーさと革新性が渾然一体となった音楽、凄過ぎる楽曲です!
タイトルには放射性同位元素の意味がありますが、他に「実によく似ているいる人、うり二つの人」という意味もあり、Joe Henがいみじくも評論家Nat Hentoffに語ったところによると、確かにMonkにトリビュートしたナンバーで、彼の音楽的ユーモアを用いて作曲したそうです。
という事で「Monkとうり二つ」という意味合いなのでしょう。
El Barrioは幼少時に過ごしたOhio州Limaでの、Spanishムードを表現したナンバーです。彼には後年ラテン・テイストが開花しますが、その発端でもあります。 Duke Pearson作のバラードYou Know I Careのドライな美しさ、Cole PorterのナンバーNight and Day選曲の意外性等、バラエティに富んだアルバムに仕上がりました。
因みに半年前、同年5月に録音された作品「Stan Getz & Bill Evans」のドラマーもElvinが起用されています。ここでもNight and Dayを演奏していますが、共演者によるドラムのアプローチの違い、異なるスタイルのテナー奏者の演奏を比較してみるのも面白いです。
「Stan Getz & Bill Evans」
以上BNリーダー諸作を足早に紹介しました。
もう1作、後年91年3月録音のアルバムになりますが、Rufus Reid, Al Fosterを擁したテナートリオ作品「The Standard Joe」は後期の総決算的演奏、そしてオリジナル、スタンダードナンバーの選曲が眩いばかりに光る傑作です。
Blue Bossa, Inner Urge, In ‘n Out, Round Midnight, Body and Soul, Take the A Train、笑いが止まらないほどに(笑)抜群のコンビネーション発揮の3人による名演奏の数々。是非こちらもお聴きください!!
「The Standard Joe」
それでは「Mode for Joe」について触れて行きましょう。
前作から1年強を経た66年1月27日録音、Joe Henは新たな素晴らしいオリジナルを引っ提げ、強力な布陣を引き連れ、参加メンバーの楽曲も本作に相応しい楽曲をオファーし、周到な準備を行いレコーディングに臨みました。レーベル参加ファイナルというモニュメンタルな意味合いもあったと思います。
1曲目A Shade of Jade、Joe Hen更なる深淵なコンポジショニングの境地を聴かせてくれます。何と意欲的なナンバーなのでしょう!変拍子的テイストを感じさせるメロディラインのユニークさ、3管編成のハーモニー・ライティングの絶妙さ、加えてサウンドのカラフル感に貢献しつつ、管楽器のアンサンブルにも参加するビブラフォンの効果的な用い方、コード進行や曲のフォームも魅力に溢れています。
何よりリズムセクション3者が繰り出すビート、スピード感、スイング感の一体感が曲自体に猛烈に推進力を与えています。
Elvin, McCoyのチームも本当に素晴らしいですが、管楽器が多く、アレンジされたアンサンブルが音楽のかなりの部分を占めるので、タイトで合奏のカラーリングに長けたCedar Walton, Ron Carter, Joe Chambersのトリオは全く適任であります!
先発ソロはJoe Hen、そのクリエイティブさに聴いている方は悶絶寸前です!何と独創的な演奏でしょうか!リニューアルされたJoe Henフレーズのオンパレード、そして楽器をコントロールするテクニックにも一層の安定感が!早い話、サキソフォンの更なる上達ぶりが顕著で、加えてタイム感、ストーリーの語り口が何倍にもバージョンアップされました!
続くMorganのソロもスピード感が際立つ、ブライトなテイストでのスムースなプレイです。
その後のWaltonのピアノソロは実に端正で、さまざまな色合いを脱力を伴って提供してくれます。そのバックでのon topなCarterのベース・サポートがクールでカッコよく、こちらも堪りません!
ホーンのアンサンブルではCurtis Fullerのパンチあるトロンボーンが低音部を確実に支え、迫力を聴かせます。
Joe Henderson
2曲目Waltonのナンバーにして表題曲Mode for Joe、いや〜カッコいいオリジナルです!Waltonの抱くJoe Henのイメージの具体化でしょうか。テーマは3管編成+ビブラフォンもハーモニーに加わった4ボイス、分厚いゴージャスなアンサンブルを聴かせます。シンコペーションを多用し、音の強弱もふんだんに付けられたダイナミクスも魅力で、壮大なイメージを感じさせます。
先発のテナーソロはいきなりの、当時としては特殊奏法であるオーバートーンを駆使したアバンギャルドなフレージング、音のインパクトが物凄いです!
後年Michael Breckerがこの奏法を洗練させて拡大し、大幅に取り入れていました。実はMichaelは若い頃にJoe Henに何度かレッスンを受けたことがあるそうで、多大に影響を受けていると思います。
その後のソロの展開では絶好調ぶりを徹底的に発揮し、もう誰も彼のスイング魂を止めることは出来ない次元にまで到達しています! フリーフォームにまで手が届きそうな所のギリギリで留まり、伝統的なジャズの範疇に居ながらもそこから抜け出そう、飛び出そうとするモーションを常に感じさせるアドリブスタイルには、真のジャズマンを感じます。
続くビブラフォンのソロはJoe Henの盛り上がりを特に意に介する事なく(汗)、いつものように淡々と打鍵して行きます。バックで聴かれるホーン・アンサンブルがサウンドの豊かさを聴かせます。
Fullerのソロは実にテイスティな、まるで会話をしているかのような、ヒューマンな味わいを感じさせますが、人柄も大変ハッピーだったと聴いています。ソロ中に一瞬トランペットがバックリフを吹き始めましたが、他が追従しなかったようです。この部分をエディットしないところに60年代の大らかさを感じます(笑)。
続くベースソロでは、その分かなり早い時点でバックリフが演奏されます。そのままラストテーマへ、ビブラフォンはテーマとユニゾンに回ったり、ハーモニーに加わったりと、忙しくアンサンブルに参加します。
Cedar Walton
3曲目もWaltonのナンバーBlack、重厚で激しいアンサンブル、ドラムのロールを聴かせるイントロは続く楽曲の大変良きプレビューになりました。ベースとピアノのユニゾンによるパターンが提示され本編がスタートします。こちらも素晴らしい楽曲、このテーマでは特にホーンとビブラフォンのアンサンブルが光り、それに対するテナーのメロディ独奏が実にバランス良く映える構成となっています。オクターブ上がったアンサンブルには大変な迫力を感じます。
Joe Henの先発ソロはアップテンポにも関わらずゆったりとしたリズムのノリを聴かせます。彼はプレイはスピード感があり、スインギー、オリジナルなフレージングの妙も聴きどころではありますが、フレーズの始まる、終わる箇所にこそ実は大変な工夫がなされています。
聴き取ることはなかなか難しいのですが、4小節、8小節の単位を跨いで繰り出すラインの開始、終始の位置の絶妙さは、他のプレーヤーとは異なる音楽性を提示しています。しかもごく然りげ無く!これはCharlie ParkerやLester Youngのコンセプトを洗練させたアイデアから来ていると理解しています。
JoeHenのプレイには何か得体の知れないオーラ、雰囲気、表現を聴き手は感じ取ると思いますが、ここにこそ彼の主張が込められていると信じています。
Joe Henderson
朝日の如く爽やかにのメロディを引用しつつ、唯我独尊状態でソロが展開されます。シンコペーションを多用したフレージングはそのタイム感の見事さに鳥肌が立つほどです!リズム隊との合致度も信じられないレベルで遂行されています。 Morganのソロも流麗に行われますが、この人は大変良く楽器を鳴らしているのでしょう、マイクに乗る音が他のトランペット奏者とは異なります。ここでのプレイはいつもの彼のテイストが基本ですが、Joe Henのソロに影響を受けたのでしょう、異なったアプローチを聴かせます。
作曲者Waltonのソロに続きますが、ここでも安定したプレイを聴かせます。例えばAndrew Hillのような革新的なプレイヤーとは真逆を行く、インサイドの中でいかにクリエイティブにプレイするかを信条としています。
ラストテーマの前にJoe Henがソロを締め括るべく1コーラスプレイします。ラストテーマの繰り返しの後は再びイントロに戻り、熱いアンサンブルを聴かせています。Morganのリードトランペット・プレイは確実で的を得ていると思います。
Lee Morgan
4曲目Caribbean Fire DanceもJoe Henコンポジションの新機軸、エキゾチックな中に彼らしいリズムの捻りが入る名曲、しかしこんな曲は聴いたことがありません!物凄い曲想ですが、そもそもが曲のトーナリティがはっきりしない、フローティングでミステリアスな構造のナンバー、Joe Henにとっては重要なレパートリーの1曲となりました。
70年9月ライブレコーディング「Joe Henderson Quintet at the Lighthouse」にてWoody Shawとの2管編成で、ぐっとテンポを早めメチャクチャ熱い、彼ら二人のベストとも言える名演奏を繰り広げています。
「Joe Henderson Quintet at the Lighthouse」
リズム隊はカリプソ風のリズムを繰り出し、比較的淡々と演奏します。
Joe Henのソロは出だしからトリッキーに攻めています。
Morganも同様に動物の咆哮の如き割れた音色でインパクトを示しています。これはカリブ海沿岸に生息する猛獣のイメージでしょうか?
Fullerも影響を受け、いつになくアグレッシブなブロウを聴かせるので、リズムセクションのクールさと溝を感じてしまいます。Hutchersonのテンションはピアノトリオと合致しているかも知れません。セカンドリフが演奏され、合間に短いドラムソロが演奏されラストテーマへ。
Joe Henderson
5曲目Grantedは本作中最もハードバップ色の強いJoe Henのナンバー、New YorkのWABC-FMのスタッフだったAlan Grantに捧げられました。
NYに来たばかりのJoe HenとDorhamをAlfred Lionに紹介したばかりか、彼がNYで企画していたコンサートにJoe Henをリーダーとして出演させるなど、ニューカマーに便宜をはかりました。
親切にしてくれた恩人に敬意を表したこのナンバーは、フォームとしては倍の長さのマイナーブルース、ソロはMorgan, Fuller, Joe Henと続きますが、Joe Henのアプローチの凄まじさ、イメージには並外れたものを感じ、圧倒的な演奏の構成力に思わず唸ってしまいます!
その後Hutchersonに続き、セカンドリフが演奏された後Waltonのピアノ奏、短いCarterのソロにまた別なアンサンブルが絡み、ラストテーマへ。
Curtis Fuller
6曲目アルバム最後を飾るのはMorganのナンバーFree Wheelin’、印象的な6拍子のベース・パターンから始まるこちらも変形のブルース・ナンバー、軽快なテンポ設定によるセッション形式でソロが続きます。
Joe Hen, Morgan, Fuller, Hutchersonとフロントの4人が伸び伸びと、屈託なくプレイしているのが伝わります。
Lee Morgan