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真実への気づきと未来への希望〜「I wonder (Da-iCE)」〜

目次


はじめに

先日、カフェで何気なく聴いた曲に激しく感動しました。恥ずかしいことに、カフェで泣きました。

本記事では、この感動を記憶に残したくて、自分なりに構造化して整理しました。

いつものように、記憶に残しやすくするために、大きく3つ(大分類)に分類しました。そして、大分類をそれぞれ3つ以内に枝分かれさせました。

1. 「ホントの自分」に出会えば、真実の愛を手に入れられる

1. 「ホントのこと」に気づけば、真実の愛を手に入れられる!

1.1. 原文

ホントのこと教えて
ホントの自分に出会えた時
愛し愛される
未来がきっと訪れる

I wonder (Da-iCE) 2024

1.2. 愛し愛される関係を手に入れるには?

好きな人から好かれなかったり、好きでない人から好かれたり、「愛し愛される」関係は、なかなか難しいです。どうしても、一方通行になりがちです。

この曲は、「愛し愛される」関係を作るためには「ホントの自分」(「ホントのこと」)に出会うことが大切である、と主張しています(と思われます)。

1.3. 「ホントの自分」に出会うとは?

では、『「ホントの自分」に出会う』とはどういうことなのでしょうか?

「ホントの自分(ホントのこと)」に「気づく」ことだと考えます。

それでは、そもそも「ホントの自分(ホントのこと)」とは、いったい何なのでしょうか?「4.3. そもそもホントのこととは?」で書きます。

ところで、本来、「ホントの自分」と「ホントのこと」は異なります。しかし、本記事では、「ホントのこと」にフォーカスして書きます。違いについては、別記事で書きたいです。

2. 「ホントのこと」を見つめていたい、探していたい

2. 「ホントのこと」を見つめていたい、探していたい

2.1. 原文

見つめていたい
透明なガラスのキャンバス

I wonder (Da-iCE) 2024

探していたい
素直なままの君のパレットで
真実だけ描いていくから

I wonder (Da-iCE) 2024

2.2. 「ホントのこと」に気づくのが難しい時代

私たちは、仕事やプライベートなど、膨大な「やること」「やりたいこと」リストに追われて過ごすことが多いと思います。そうなると、忙しさの中で、「ホントのこと(自分)」について考える時間が取れず後回しにしがちです。なので、「ホントのこと(自分)」に気づきづらいのではないでしょうか?

この曲は、「音が止まった」という強烈な表現で始まります。「音が止まる」は「気づく」ことの1つの例で、比喩でもあります。私たちは、普段、「音が止まる」体験などしません。だからこそ、今の時代、「気づく」ことが「音が止まる」くらい(滅多にない)難しいことである、と、この曲は問題提起しています。

2.3. 「ホントの自分」に出会うには、まず「気づこう」と意識する

このように、今の時代、「ホントの自分(こと)」に「気づく」ことは難しそうです。

しかし、この曲によれば、「愛し愛される」関係を手に入れるためには「ホントの自分(こと)」に出会うことが大切です。「出会う」や「気づく」が難しいとなれば、私たちはどうすればよいのでしょうか?

この曲の素晴らしいところは、「今の時代、気づくのは難しい」と問題提起するだけでなく、解決案も同時に示しています。

「気づく」ためには、まず「気づこう」とする積極的(主体的)な意識や行動が大切である、と主張します。

では、「気づこう」とする態度の大切さについて、この曲は、いつどこで主張しているのでしょうか?

それは、「見つめていたい」や「探していたい」のようなフレーズです。

3. 「透明のキャンバス」に「ホントのこと」『だけ』を描いていく

「透明のキャンバス」に「ホントのこと」『だけ』を描いていく

3.1. 原文

透明なガラスのキャンバス
彩ったニュアンスカラーは
淡い、甘い、曖昧

I wonder (Da-iCE) 2024

重ねた色が涙で流れて
虹色になるから

I wonder (Da-iCE) 2024

3.2. 「ホントのこと」「真実」「素直」の美しい表現集

ここで、少し話題を変えて、曲や歌詞の美しさについて触れます。これらの美しい表現を感じることによって、①「ホントのこと」に気づく、②「ホントのこと」を積極的に気づこうとする態度(意識や行動)、の大切さを受け取ることができます。

 【理想と現実のギャップ】透明なキャンバス

この世に、「透明なキャンバス」などあるのでしょうか?もちろん画像ソフト上では存在しますが、現実には、「白いキャンバス」「灰色のキャンバス」のように色がついたキャンバスしかないと思います。

「透明なキャンバス」には、文字通り何もありません。色さえも存在しません。だからこそ、「ホントのこと」「真実」「素直」だけを描くことができるのでしょう。

【音韻】あわい(awai)、あまい(amai)、あいまい(aimai)

「ホントのこと」「真実」「素直」のイメージです。「真実」というと、白黒はっきりしたもののように思いがちです。ところが、もしかしたら、「真実」は白黒はっきりしていなくて、グレーなのかもしれません。この曲によれば、「ホントのこと」は、淡くて、甘くて、曖昧(あいまい)なのです。

驚くのは、これらの「ホントのこと」のイメージを、「awai」「amai」「aimai」のように、心地よい響きでそろえたことです。「ホントのこと」のイメージを音の響きと共に提案できる、作詞家の小手先でない真の能力(「ホントのこと」)を感じました。

【比喩】色が涙で流れて虹色になる

色は涙で流れるものなのでしょうか?化粧や汗のようなものは涙で流れますが、色はモノではないので涙で流れないと思います。

だからこそ、私たちは、色が「虹色」に変化する様子を想像して、美しく感じるのだと思います。

4. 【結論】 「ホントのこと」に積極的に気づこうとする意識や行動が大切!

4.1. 原文

探していたい
素直なままの君のパレットで
真実だけ描いていくから

I wonder (Da-iCE) 2024

4.2.  真実『だけ』あればよいのか?

『だけ』に強い意図を感じました。『だけ』と書くことで、「真実(ホントのこと)」が、この世の中で「最も」大切であると伝えています。

この曲のように、もし「真実(ホントのこと)」『だけ』あれば、「愛し愛される」未来を手にいれることができる、と仮定します。

この仮定が正しいならば、愛し愛される「愛」について(拡大解釈すると、「生きる」こと全般に関して)、未来への強い肯定感(ポジティブな感覚)を手に入れることができそうです。すると、短くて有限な人生において、「ホントのこと」だけに絞って生活するとよさそうです。

4.3.  そもそも「ホントのこと」とは?

「ホントのこと」とは何でしょうか?この曲には現れないので、私のイメージを書きます。

「ホントのこと」の1つは、他人とは関係なく、自分自身が直接感じる感覚です。

例えば、笑顔を見て嬉しいと感じること、気持ち悪いと感じること。感覚は人によって違いますが、自分にとっての1つの「ホントのこと」「真実」「素直」です。

例は、笑顔だけではありません。声のトーンやそもそも相手の話をきちんと聴くこと。香水や汗の香り。手をつないだときの触れた感じ。キス(!?)。

「愛」の解釈をパートナーのイメージから「生きること」へ広げます。

ご飯がおいしい(もしくは、おいしくない)と感じること。他の人がおいしくなかろうと、おいしかろうと、自分が「おいしい」と感じることが「ホントのこと」「真実」「素直」です。

絵や自然、花をみたときの憧れや尊敬。聴こえる音楽の心地よさ、風の音や小鳥のさえずり。草の匂い。トマトの甘さ。地面が自分を支えている感覚。

五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のいくつか、もし可能ならばフルに使えば、「ホントのこと」に「気づく」かもしれません。

4.4.【結論】 探していたい、見つめていたい

「ホントのこと」に「気づく」ことができさえすれば、きっと、未来には「愛し愛される」関係が待っている、という強いメッセージを感じました。

そのためには、「ホントのこと」に気づかないといけません。そのためには、積極的(主体的)に気づこうとする行動や意識などの態度が、根本的に大切です。

つまり、一番最初に、「探していたい」「見つめていたい」が重要なのです。

4.5. まとめ

①「探していたい」「見つめていたい」
(「ホントのこと」に、積極的に気づこうと意識・行動する)

②「ホントの自分」に出会う

③「愛し愛される」未来がきっと訪れる

探していたい

I wonder (Da-iCE) 2024

見つめていたい

I wonder (Da-iCE) 2024

5. 自分の人生をいきいきと生きるには?

5.1. 飛躍した論理のすき間を、私たちが埋めていく

①「ホント」を気づこうとする→②「ホント」に気づく→③「愛し愛される」未来、の論理は、飛躍しているかもしれません。
また、以下の点も気になります。

  • 「ホントの自分」と「ホントのこと」の違いは?

  • 「君のパレット」は「君の」だが、パレットを持っているのは「私」か「君」か?

  • 曲の終わりが突然。「誰かが呼んだ」のは誰か?

数100文字のテキスト情報では論理の飛躍があるのは当然です。この論理のすき間を埋めるのは、私たちです。自分のキャンバスを描いていきたいです。

5.2. 未来に希望が持てること

孫泰蔵さんの「冒険の書」に、「もし、明日死ぬとして」という節があります。「もし明日死ぬとして、一言だけ我が子に遺言を残すとしたら、どんな言葉を遺す?」という問いに対して、「世界は自ら変えられる」と答えるそうです。

「自分の人生をいきいきと生きてほしい」、「希望を持って未来を自ら切りひらいていける子になってほしい」と思えるためには、以下の2つを満たす必要があります。

「未来に希望が持てること」と、「切りひらこうと思えば、実際に切りひらけること」という2つの条件が満たされなければなりません。

孫泰蔵「冒険の書 AI時代のアンラーニング」(p296)日経BP, 2023

5.3. 「ホント」と「ウソ」の区別がつかない時代

小さい頃、裁判では、「ホント」を言う方が勝つと思っていました。実際は違うはずです。「ホント」について証拠を示したりきちんと説明できないと、「ウソ」を「ホント」のように見せる相手に負けます。

最近(2024年6月時点)、生成AIが作る「ウソ」の動画や画像やテキスト情報について、「ホント」かどうかを判断するのが難しくなってきました。例えば、生成AIがある人の動画や音声や画像を取得すれば、その人のまるで「ホント」のような「ウソ」の動画や画像を簡単に作ることができるからです。

5.4. 「ホントのこと」が、自分の人生をいきいき生きることにつながる

「ホント」と「ウソ」の区別がつかなくなってくると、「ホントのこと」そのものを大切にすること同様、「ホントのこと」に気づくことが、とても大切になります。

もちろん、「ホントのこと」に気づくことや「ホントのこと」を大切にすることが、直接、未来への希望につながるかは分かりません。しかし、「ホント」か「ウソ」か分かりづらい時代、「ホントのこと」「真実」「素直」が未来への希望につながると信じてみてもよいのではないでしょうか。

さらには、自分の人生をいきいきとつながることにつながると信じてみてもよいのではないでしょうか。

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