SaMDの現状と開発課題について その2
前回に続いてSaMDの現状と開発課題について 書きたいと思います。前回から読みたい方は下からどうぞ。
SaMDの現状
このセミナー内では、SaMDラグが発生、保険収載の事例の少なさを指摘されていました。
SaMDの承認品目を日米で比べてみると、大きな差が明らかになります。そもそも申請数の少なさから承認数の少なさが顕著です。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/iryou/20201019/201019iryou02.pdf
また少ない事例の中でも、保険収載される事例が少ないです。
本セミナーの中でも出席者から質問がありましたが、
治療用アプリの保険償還価格がいくらになるか、開発投資を判断する際の不確実性が高いと感じる企業が多く、なかなか本腰を入れて取り組めない現状が浮かび上がります。
そこから見えてくる課題は、これらになります。
医療機器の該当性が不透明(開発前)
自社が開発したいアプリが薬事承認の対象かどうか
都道府県が判断する際に検討しやすい対応が取れるかどうか
臨床開発に必要な要件を把握できない(開発)
エビデンスのレベル
臨床試験の必要有無
↑↑↑はVCの皆さんにも聞いてみたいですね。どういう判断するんだろう。
薬事承認の不確実性を確保できないために、投資リスクを適正評価できない(薬事承認)
上市後の価格に予見性がないために、投資とリターンのバランスが確保できない(発売)
当たり前かもしれませんが、予見性が低い事業に投資するのは勇気が入りますね。特にこれだけ情報の非対称性がある以上、GOを出しづらい。
投資促進のポイント
ビジネスの基本、売上と投資を数式にするとこんな感じ。
投資金額=非臨床試験、臨床試験、薬事承認(試験フェーズを短縮)
単価=保険償還、改良・価格改定(デジタル特化の診療報酬の検討)
数量=アプリを使う人にいかに届けるか、流通の仕組み検討
見れば見るほど、開発GOしづらくなってきた。
デジタル、アプリの価値
よく言われるようにデジタルに変換することの価値は、プログラム医療機器の場合は、どこにあるのでしょうか。
通常は、工数削減、対応できる患者数の増加などでしょうか。
プログラム医療機器の場合は、前提としてこれらに加えて、「治療の質の向上」が入ってきます。
そもそも診察や治療は、病院でやること という前提で診療報酬が決められているので、デジタルになることで、この概念を変えていく必要があります。例えば下にあるような、風邪による初診の合計点数を比べてみると、オンライン診療は、外来管理加算 が不要になります。
開発における相談窓口
公的支援窓口がそれぞれありますので、そこに相談しにいくのがまずはいいかも。
Healthcare Innovationn Hub(経産省)
医療機器開発支援ネットワーク(経産省)
医療系ベンチャー・トータルサポート事業(厚労省)
SaMD一元的相談窓口(PMDA)
RS総合窓口/戦略相談(PMDA)
私が理事をしている医療健康機器開発協会でも相談を受け付けておりますので、気になる方は是非。
医療機器開発のご相談もお気軽に
医療機器、プログラム医療機器の開発について、UXデザイン視点から様々なアドバイスが可能です。ご検討の企業はぜひご相談ください。お問合せはこちらから!
医療ニーズの募集
メディカルデザインラボでは、医療ニーズの募集を行なっています。医療従事者、病院勤務の方はもちろん、患者さん、その家族さんが気づいた点を色々聞かせていただきたいと思います。院内でこうだったいいのにな、この医療機器使いにくな、入院中に困ったこと、リハで大変だったことなど何でも結構です。お気軽にお聞かせください。
協力者も募集しています
また一緒にアドバイザーとしてお力をいただける医療従事者の皆さんも募集しています。さまざまな医療ニーズを検討し最適解を生み出すお手伝いをしていただけませんか?興味のある方は、お問い合わせからご連絡くださいね。
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