お酒との記憶「BOMBAY SAPPHIRE」
色々なお酒を飲みますが、時期によってよく飲むお酒というものがなぜかあります。今は「ジン」を良く飲みます。最近、「クラフトジン」なるものが続々と登場していて、世間にもジンの存在感が浸透してきているように感じます。
タンカレーやビーフィーター、ギルビーなど定番のジンから、ヘンドリックスや桜尾、オキナワジンのようなクラフトジンと呼ばれるものを色々飲んできましたが、結局は「ボンベイ・サファイア」に落ち着きました。
ボンベイ・サファイアとの出会いはかなり早く、20歳の時に1人バーに飛び込み、カウンターに座りマティーニを注文した時でした。学生だったので、平日の夕暮れ時に入店し、客はまだ私1人だけでした。バーテンダーと希望や悲壮、世間の笑い話や哀愁漂よう故郷の話まで、色んな話を意味もなくしていたのを思い返します。日が暮れる前のオレンジ色と紫色が入り混ざったような光が店内のバーカウンターに差し、お店に並ぶグラスや酒瓶、古びた木のカウンターがささやくように輝き、2人の周りは温かな空気感に包まれていました。
ふと、バーテンダーから目をそらしてみると、
そこに「ボンベイ・サファイア」がありました。
お酒との記憶#1