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竹沢うるまの写真集「Boundary | 境界」

以前、アイスランドの旅行写真を記事にしましたが、遠方であることと、なかなか海外に行きにくい状況なので、アイスランドの景観を少しでも感じられる写真集を紹介したいと思います。

竹沢うるまの写真集

白と黒のコントラストが印象深く、モノクロな自然というある種の人工的な感覚を呼び起こす風景の写真が収められています。実際、私もアイスランドの単調な風景を目の前にした時は、造り物の世界にいるような感覚がありました。

そして、ページをめくり読み進めていくと、人工物や人間が入り込んでいる写真のページが現れます。そこで、またページをめくるとアイスランドの自然の写真があり、またページをめくると人工物の写真が表れる。

そこで気づいたのは、人工物や人間が入り込んでいる写真のページは黒いページであること。アイスランドの自然のページは白いページであること。

ページを読み進めていくと、アイスランドのモノクロな世界が、地球上の自然物と人工物の白黒の世界へ還元されていきます。

そして、徐々に黒いページの割合が増えていき、
それが絶頂に達したとき、
終盤は白いページが穏やかに続き、
最後は一羽の鳥が自由に空を飛ぶ雄大な写真で終わります。

非常に詩的であり、映画を観ているかのような、交響曲を聴いているかのような感覚になる写真集でした。

作者の意図は分かりませんが、写真にしろ絵画にしろ音楽にしろ、見方に正解はなく自分自身の感じ方を大事にしていけば良いと思います。

私が撮影した写真は↓の記事に載せております。

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