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『絶対にスタメンになりたい選手に、絶対に読んで欲しいブログ』

〜前提〜

僕は慶應大学サッカー部の入部当初、Bチームの3番手でした。

9人いるキーパーの中で6番目の評価。
しかも、同期入団のキーパーがAチームにいるという非常に難しい状況。

入部前は、「高校でも1年生から試合出てたし、直ぐにAチーム上がって夏過ぎくらいには試合に絡めるといいな」と安易に考えていました。

入部して直ぐに、自分の思い描いていた立ち位置と現実のギャップを痛感させられました。

「これだけ実績があるのに評価してもらえないのか」と怒りを覚えました。

「同級生がAチームで自分がBチームなのはどうしてなんだ」と悔しさを感じました。

自分の立ち位置にあまりに納得がいかずに、本気でサッカーを辞めることを考えました。

「4年間全力で遊ぶためにテニスサークルに行くかな。でも性格的に遊ぶのは向いてないだろうし、大学から始める人が多いラクロスとか始めてみようかな。」

本気でそう考えて、母親に話してみました。
「サッカー辞めよっかなーて思うんだけどさ、どう思う?」

母親は一言、「悲しい。」とだけ言ってボロボロ泣き始めました。
サッカーを辞めることを反対するわけではなく、純粋に感情が溢れ出ていました。

親がこれまでどんな気持ちで自分がサッカーをやることを支えてきてくれたのか、母親を泣かせてしまって初めて気づきました。

この涙を裏切れるほどにテニスサークルで遊びたい訳でもなければ、ラクロスをやりたいわけでもなかった。

サッカー部に残って、試合に出て活躍することを一瞬で決意しました。

〜考え方編〜

そこから僕は本気でスタメンを取りにいきました。

この「スタメンを取りにいく」というのが非常に重要なフレーズだと僕は思います。

それは、「本気で練習した」ではなく「本気でスタメンを取りにいった」からです。

誤解を避ける為に予めお伝えすると、練習で手を抜いていた訳ではありません。めちゃくちゃ必死に練習しました。

「本気でスタメンを取りに行く」為には、「本気で練習をやる」のは当たり前です。

大学生にもなって体育会で練習で手を抜くくらいであれば最初から体育会にいる必要がない。ハッキリ言って邪魔。サークルに行けばいい。

他の選手も一生懸命練習している中で、いかに追いつくか。どうやって追い越すか。
「スタメンを取る」ためにはそこが非常に重要な考え方になります。

一言で言うと、「みんながしていない努力」をしないと勝ち上がっていくことはできません。

・人より沢山練習する
・自分の試合の映像を何回も見返す
・タンパク質を多く摂取する

等々、努力の仕方は沢山あります。
がしかし、例に挙げたこれらはあくまで手段であって目的ではありません。

自分が「スタメンを取る」ために必要であったり重要な手段を抽出して、取り組んでいく必要があります。

何故なら、時間にもお金にも体力にも限りがあるから。

取捨選択をして、選択したものに全力で取り組むのみ。

それで結果が出なければ、再度取捨選択をし直す。

これがいわゆる、PDCAサイクルと呼ばれるものです。

〜目標設定編〜

では、いよいよ僕がどのようにしてスタメンを勝ち取ったかお伝えしていきます。

先ず初めに、「いつ」スタメンを取るのかを決めました。

僕の場合、2年生の4月から始まるリーグ戦に設定しました。

理由は2つ。

①4年生のキーパーが2年生から試合に出ていてチームからの信頼が非常に強い。実力的にも、関東選抜に選ばれる様な先輩で追い抜けるイメージが正直、湧かなかった。

②その先輩が試合に出ている前提で言うと、自分だけではなく、他のキーパーにも試合に出るチャンスは無い。その間に信頼を獲得出来れば、先輩の卒業後には自分が試合に出ることができる。

つまり、1年生の間にやらなくてはいけないことはAチームに上がること。

そうすれば、先輩が卒業した後の新チームでは真っ先に自分にチャンスが回ってくる。

という算段です。

整理すると、2年生になった時にスタメンで出るために、1年生の間にAチームに上がることを目標にしました。

〜課題設定編〜

Bチームの3番手であることに腸が煮えくり返りそうになりながらも、1年生の間に何がなんでもAチームに上がる為に一旦冷静に考えました。

「そう言えば、どうして自分てBチームの3番手なんだろ?」と。

・課題①「プレースタイル」

先ず初めに、「Aチームの同期が出来て自分に出来ないことてなんだろう?」と考えたところ「ビルドアップ」は明らかに負けていました。

サッカーに詳しくない方の為にビルドアップを簡単にご説明すると、キーパーもフィールドの選手と同様に、細かいパスで相手を崩すことに参加することです。

僕はロングキックが得意で、高校まではビルドアップをしたことが殆ど無かったので、苦手意識がありました。

ところがどっこい、我が慶應大学サッカー部のスタイルにはビルドアップが求めらました。

つまり、当時の自分のスタイルとチームのスタイルが全く噛み合っていませんでした。

もはやこれだけでも、僕がBチームにいたことは何の不思議もありません。

・課題②「信頼」

例えば、入学したばかりの1年生が試合に出るのはかなり難しいです。ハッキリ言って、信頼がありません。

それは仕方がないことで、「どんなプレーするか」「どんな性格なのか」「チームが苦しい時に走れるか」「味方との連携はどうか」等々、監督は選手について知りたいことは山ほどあります。

Aチームにいる選手は毎日監督が練習を見て、プレーを見ることもコミュニケーションを取ることもできます。

しかし、Bチーム以下はコーチが練習を見るので、Aチームの選手と比べると監督とのコミュニケーションを取れる機会が圧倒的に少なくなります。

Aチームにいる選手が監督との信頼関係を構築していく中で、Bチーム以下にいるだけで既にビハインドとなり得ます。

・課題③「経験」

現状がBチームの3番手ということは、そもそも試合の出場機会が殆どありません。

B戦はもちろんのこと、練習試合も最後の1本出れるかどうか。

監督やコーチからすると、今まで試合に出てなかった選手を使うのは不安なものです。

Aチームに上がれたとしても自分の試合経験が少なければ、新チームでスタメンになるのはBチームでずっと試合経験を積んで来た人になるかもしれない。。

そんな不安が頭をよぎりました。

〜行動編〜

・行動①「Aチームの練習している時間帯にビルドアップの自主練をする」

これは正しく、僕の性格がよく出ていて一石二鳥を狙ったアクションになります。

つまり、
①サッカー的な自分の課題を克服する
②監督に挨拶してコミュニケーション取る
③自主練して真面目に課題に取り組んでいる姿勢を見てもらう

これだけのことが同時に出来ます。
自分の気の向いたタイミングで自主練をすると①しかできません。

ところが、タイミングを変えるだけで②,③を同時にできます。

Aチームの練習メニュー上、自分がやりたい練習がスペースが無くてできないこともありました。

そんな時にはAチームの練習を見学して、監督の戦術を理解する時間にしました。

見学することで、ビルドアップについても学ぶことが沢山あって課題の改善に繋がりました。

むしろ、Aチームの練習でキーパーが足りない時には練習に入れてもらえたり、練習が終わった後には先輩に自主練に入れてもらえたりと良いことの方が多かったです。

いつ呼ばれてもいいように、常に練習ができる準備はちゃっかりしていました。

結果として、監督にも自分のプレーを見てもらえたし、レベルの高い環境で練習できて選手としても成長することができました。

・行動②「Cチーム行きを志願」

先述の通り、僕はBチームの3番手でした。
そこで自ら志願してCチームに行きました。

Bチームの練習や練習試合の限られた出場機会の中で、2番手そして1番手に上がっていくことに時間をかけるのであれば、直ぐにでもCチームで試合に出て、実績を積んだ方がアピールになると思いました。

当然、Bチームに比べるとCチームの練習はレベルが下がりますが、僕はどちらの練習にも出ていたので何の問題もありません。

つまり、BチームとCチームの練習に出て、Aチームの練習中に自主練して、あわよくばAチームの練習にも参加するという状況でした。

「どちらのチームの練習も出たいし、Cチームで試合に出たい」というワガママを聞き入れてくれたスタッフの方には今でも感謝しています。

自分なりの意思や考えを持って、それを伝えることの重要性を学びました。

〜結果〜

結果的に、1年生の9月にAチームに上がることができました。

その後、当初狙っていた2年生のリーグ戦開幕時点でスタメンを取りました。

リーグ戦が終わって3年生になる時には、あんなに遠く感じた、卒業した先輩と同じ関東選抜にも選んで頂きました。

自分で言うのも何ですが、正直めちゃくちゃ努力したと思います。

ですが、不思議とあまり辛くはありませんでした。
目標に向かって全力で考えて、全力で行動して。毎日少しづつ目標に近づいている実感がありました。

全く辛くなかったと言うと嘘になりますが。笑

〜結論〜

上記の話は、僕のケースです。
整理をすると、

①目標を設定する
②その目標をいつまでに達成するか決める
③目標を達成できてない現状の課題を分析する
④課題を解決するために最適な手段を選択する
⑤誰よりも努力する

となります。

この考え方は社会人になった今、めちゃくちゃ役に立っています。

サッカー以外のことにも、転用できます!

〜終わりに〜

この僕のケースは、用意周到だと思う反面、自分がプロに行けなかった決定的な理由だとも思っています。

何故なら、自分で限界を決めて、目標を下げて、達成できそうな目標を設定しているからです。

プロで活躍する選手であれば、4年生のキーパーごと引きずり下ろして自分が試合に出てやると考えたはず。

これを読んでくれている選手達は、もっと高い目標を持ってサッカーに取り組んでもらえたら嬉しいです。

僕自身も、社会人としてもサッカーの指導者としてもより高い目標を掲げて、選手のみんなに負けないように頑張ります!!!

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