ベース担当楽曲のお話【Room97 Album「FLICK」 編】

今回も先日M3にて頒布されたRoom97さんのNew album「FLICK」からベース収録させて頂いた3曲。


各種サブスクでも聴けるので是非!


まず最初に…

Room97さんとの制作について書いたり話したりすることってなかったので、楽曲の話しの前に別枠で。

まずRoom97さんの楽曲といえば…毎回ボーカリストがめちゃくちゃ良い。
あまりボーカリストさんに詳しくないのでRoom97さんの楽曲で知ることも多いのですが知る度にしれっとファンになっていたりします。
制作上直接関わることはないのでこういうところでひっそりと言っときます!

Room97さんとの制作って実はコード進行等の共有がない状態で進行するんですよ。演奏関連で関わる自分しか知らない情報なのでマル秘って感じですね
正確な文面は忘れてしまいましたが「型にハマらずに感じたまま弾いて欲しい」というような感じで、収録時頂く情報はRoom97さんの「○○な感じで!」と楽曲データのみです。

この「感性大事に!」って感じもめちゃくちゃ好きで、相性の良い作曲者さんだなって僕は勝手に思っていたりします←

こういう方に色んなタイプの楽曲でご依頼頂けてるのも嬉しくなっちゃうんですよね…今回の「FLICK」でも三曲三様な演奏させて頂いてます!


Tr.3 必ず君に

「必ず君に」のボーカル担当のtounaさんはめちゃくちゃかっこいい歌声で、こういう女性Voのバンドやったら絶対楽しいよなって毎回思ってます。
このままではベースではなくボーカルさんの話しをしてしまいそう…ちゃんとベースの話しします。

この楽曲はピックで弾いてるんですがオルタネイトとダウン、ピッキングの違いにかなり気を付けて弾いてました。
わかりやすいところだと1A2Aは全部ダウン、サビ1小節目~6小節目までもオルタネイトで2小節間隔で
「↓~↓↑↓↑↓↑~↑↓↑↓↑↓↑」ってやりたくなっちゃうところも
「↓~↓↑↓↑↓"↓"~↑↓↑↓↑↓↑」、たった1ヶ所であってもダウンに変えてアタック強めな音を持ってくるとか…

これめちゃくちゃキモい書き方してますね。
とにかくこういうこと考えながら弾いてますってのがなんとなくでも伝われば。

こういう細かい部分、言わなきゃ伝わらないような拘りって全ての演奏者が影で沢山やっていると思います。

この曲は終始ピッキングに気を付けながら、フレーズとしてもサビの折り返しがオク上からスライドダウンして下にくるのとか
ラスサビ8小節目でひっそり16分の速いフレーズを紛れこませていたりするので自分の思うロックにしっかり振れた感じのベースになったなと!


Tr.4 DNA

ボーカルのEVO+さん、自分が浅知恵で上手く言葉にできないんですがソウルフルな感じがあって本当にたまらない歌声をしていらっしゃる…

基本的にRoom97さんの楽曲は収録時にメロディが打ち込みで入っている状態での収録なので、ボーカルさんの歌入りってTDした後のデータが初めてになるんですけど「こんなかっこいい楽曲だったんか!!」ってなったのを今でも覚えてます。
収録オーダーとしてもRoom97さんから「ハウスのベースを」と言われ、「ハウス…ちょっとわからないんですけど取り敢えずやってみますね!」みたいなやり取りがありました笑

サビやソロだけとか、アクセントで一瞬プル入れたりってことはあれどこうずっとスラップするような楽曲って実はこれが初めてだったりします。

基本的にはオクターブメインのスラップですがリズムが難しい。
プルをパツッと切るとか、オクターブの合間に細かくゴーストノートが入ってるとか…これをキープすることは動かすフレーズよりも難しい。
今では良い修行させてもらったなって思っていたりします!

そしてベースソロ、何より僕はベースソロが苦手です。
しかもハウスでスラップメインの楽曲、コード進行もわからない。
「やば…」ってデモ頂いたときに思ってました笑

結果前半が指弾き、後半スラップのハイブリットになったのは単純に自分の都合も入ってるとか入ってないとか。


Tr.6 薄雪

IzumiさんとEVO+さんお二人がボーカルですが、めちゃくちゃ大人の雰囲気漂う楽曲が素敵過ぎました。

そしてバラード
そう、今回担当させて頂いた楽曲の中で一番難しかったです!

自分の演奏者としての印象って恐らくフレーズが動き回るとか、ポップス/ポップロックのイメージが強いかと思うのですが
こういう大人な楽曲でしっとり弾きこなすベーシストにも憧れがあったりもします。ジャズとかもやれたらかっこいいよなって(全然出来ません)

果たしてこの楽曲で大人でしっとりしたベーシストになっているのかと聞かれたら僕にはわからんのですが
今までしたことないタイプの演奏、マインド的には大人でしっとりしたベーシストになりきってました。

休符だったり伸ばす部分はその"間"も演奏の一部、バラードはそういう部分が多いので聴くのも弾くのも毎回勉強になります。


あとがき

Room97さんの楽曲でのベース収録は制作としては結構パパッと終わってしまうんですが、楽曲から受ける印象やそれに対して自分がどういうアプローチをするのか…弾き始めてみないと自分でもわからないことも沢山あって
ご依頼として頂いてはいますが毎回沢山勉強させて頂いてる感覚もあります。

こういうのも収録サポートの面白くて楽しい部分!

僕個人としては携わらせて頂いた楽曲全てが大切なので楽曲を聴いて頂けたら嬉しい。
ベースラインや演奏が自分の表現の場なのでそれも楽曲と共に聴いてもらいたい気持ちはありますが、それが聴いてる人に伝わらなかったとしても作曲者さんに大切にして頂けてるならそれが一番。

そして前回と今回で収録楽曲について書き物をしましたが一旦これでストップになります。
自分の言葉が興味を引く1つのきっかけ程度にでもなれば良い、なるのか?という実験的noteでした。


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