封緘風景

【徹底解説】タバコ(ソフトパック)の所作【動画あり】

ソフトパック全景
昔はよく見かけたソフトパックのタバコ。いつの間にか絶滅を危惧されるようになりました。

気がつけば、かれこれ30年以上にわたり、毎日1箱以上のタバコを喫ってきました。ってことは、控えめに数えても、これまで11000箱、22万本ものタバコに火を点け、お金を灰にして燃やしてきた計算になります。

私が喫い始めた頃は一箱160円とか180円だったタバコも、今では500円とか600円もする高級品となってしまい、私の周りの喫煙者も、値上げや病気をきっかけに禁煙したり、電子タバコにシフトしたりしていってます。

実は2018年の春、JTさん主催の「ソフトパックワークショップ」なるものに参加する機会がありました。守秘義務があった気がするので内容については割愛しますが、ソフトパックのタバコに特化した随分ニッチなワークショップで、JTさん自身もソフトパックの存在意義に疑問を持っているのかなぁって感じ。きっと本音はボックスに統一したいんだろうなぁっというか、ソフトパックを存続させる社内調整の為に顧客の声を聞く「ふり」をする必要があったって印象でした。だって、ソフトパックしかない(私が喫ってるタバコはコレ)ならまだしも、中身が一緒でパッケージだけが違う製品を作るって、非効率の極みですもんね。

で、改めて考えてみると、実はタバコってすごく特殊な商品で、商品のどこを探しても喫い方についての説明が一切書かれてないんですよ。二十歳以上であれば誰でも買えるにも関わらず。

これが通常の食品やガジェット類なら、ここから開けろ!っとか、ここに注意!っとか、懇切丁寧に書いてあるじゃないですか。まぁ、タバコなんて小さい商品だし、スペースの問題もあるんだろうと、JTさんのサイトを訪ねてみても...。

無い。どこにも無い。

商品ごとの特設ページはあれど、それはあくまで「こんなイメージの商品です!」的なものでしかなく、喫煙マナーや健康被害についての注意喚起はあれど、封の開け方や、火のつけ方など、自社が売ってる商品を嗜む為の基本的な所作についての公式コンテンツがサイト内に一切存在しません

そんな商品、他にあります? 自分とこの売り物なのに。

嫌煙が声高に叫ばれ、顧客である喫煙者そのものが絶滅を危惧されているにもかかわらず、新規顧客を獲得する為のコンテンツがない。行政からの指導なのかもはっきりしませんが、この状況はあまりにも不自然です。

特に、ソフトパックのタバコは、ボックスタイプと比較すると売りっぱなし感が半端ないというか、知らないと開封が凄くしづらい為、最初の1本を取り出すのにも相当苦労すると思うのですが...。

まぁ、私自身も、先輩の喫煙者から一子相伝的にタバコに関する一連の所作を口伝で教えてもらった気がしますし、せっかくなので、ソフトパックのタバコの開封→最初の1本を取り出すまでをコンテンツ化することにしました。

「タバコ、喫ってみたいけど周りに喫煙者が居ないので、所作がよく分からん!」

って方の一助になればって思いのコンテンツですが、きっと、嫌煙者からは叩かれるんだろうなぁ。

①タバコの葉を詰める。

これは、ボックスタイプも一緒です。

買ったばかりの紙巻タバコは、葉っぱが結構カスカスしていて、吸っている間に火口がタケノコのように長くなってしまい、灰皿に灰を落とす際に火口ごと灰皿に落ちてしまう事があります。これを防ぐ為、吸い口側(封緘(ふうかん)側)を下にして、手のひらに箱ごと数回打ち付け、葉っぱを詰める作業をします。

私の場合は、開封前に大体10回程度、手のひらに打ち付けるのがルーチン化しています。

こんな感じです。結構デカイ音がします。

ちなみに、打ち付ける前と後で、葉っぱの詰まり具合はこれぐらい違います。

詰める前
詰める前。もちろんこのままでも火はつきます。
詰めたあと
詰めた後。これで約4mmぐらい詰まった感じです。
ここ20年ぐらいで、ずいぶんカスカスになりました。

開封前にこの作業を省略した(忘れた)場合でも、火をつける前であれば1本毎に詰める事も出来ます。昔は机の上でタバコをこんな風にトントンしてる人を結構見ましたね。

イライラしてるように見えるのが難点かも。

②セロハンを開封する

セロハン開封位置
見つけにくいですが、封緘紙側に開封用のセロハン帯があります。

タバコを包装している透明セロハンを開封します。開け口がとても分かりにくいですが、開封帯の端をつまんで、ぐるっと回せば開封できます。この辺は箱菓子と同じです。

セロハン開封後
こんな感じで、取り出し口側だけを開封できます。

③包装紙を開ける(最初の山場)

セロハンを開封すると、このように、銀色の包装紙が折りこまれ、中央部を封緘紙でとめた状態が確認できます。

封緘風景
この突き放した感じが、ソフトパックの敷居を無駄に高くしている気がします。

ここで中央の封緘紙(糊付けされています)を切ってしまうと、ポケットの中がタバコの葉まみれになったりしますので、封緘紙の左右どちらかの包装紙(銀紙)を四角く切り取ります。この封切りの作業はボックスタイプでは不要(包装紙のPULLと書かれた部分を引っ張るだけ)ですので、ソフトパック特有の所作になります。

人の字
折り目が「人」の字に見えるサイド。人という字は、お互いが支え合って云々って台詞が有名っすね。
入の字
折り目が「入」の字に見えるサイド。

人側、入側、どっちを切ってもいいのですが、通常、人の字に折りこまれている側を切るのは避け、入の字に見える側を切ります。私は「人を切っちゃイカン!」っとタバコに詳しい先輩(笑)に教えられましたが、まぁ、きっと、迷信みたいなものでしょうね。尚、切るといってもハサミは必要ではなく、下の動画のように、封緘紙に沿って破るって感じです。

※昔は、「健康の為、喫いすぎに注意しましょう」って注意書きがパッケージの入の字側の側面に印刷されてたので、タバコを咥える際、嫌でもその文言が目に入るよう、当時の専売公社が入の字側を切らせるよう仕向けたんじゃないかなっと個人的には思っています。

撮影を意識してぎこちないですが、3箱も開ければ慣れますよ。


④最初のタバコを出す(2つ目の山場)

開封後写真
開封直後。タバコのいい香りがします。

無事、包装紙が切れると、正方形の窓から、横に3列でタバコが並んでいるのが見えます。7本の列が2つと6本の列が1つで計20本って感じですね。

で、こいつを指で摘み出そうと悪戦苦闘するわけですが、ボックスタイプならまだしも、ソフトパックでは最初の1本を指で摘み出すのは無理です。

摘めない
よっぽど指が細く、かつ、爪が伸びてないと取り出せません。

じゃ、どうするのかというと、下の動画のように、人差し指で封緘紙のあたりをトントンっと数回軽くノックします。すると2~3本のタバコが窓から飛び出してきますので、左手で摘まみ出すもよし、そのまま口元に寄せ、唇で咥えるもよしって感じです。

...これもイライラしてるように見えますね。

尚、1本取り出した後の残った飛び出したタバコは、人差し指でパックの中に押し戻します。

※火のつけ方や、喫い方などはここでのメインコンテンツじゃないですし、ググれば沢山出てきますので、ここでは割愛します。

⑤2~3本目のタバコを出す

この辺りまでは、まだ初期位置からタバコが殆ど動いてないと思いますので、④の動作で出てきます。

⑥3~4本目以降のタバコを出す

この辺りから、ソフトパックの中のスペースが空き、タバコがパッケージ内で遊んできますので、④の動作では出てこなくなりますから、スナップを効かせてパッケージを上に振り、出てきたタバコを取り出します。振った直後に、パッケージを優しく摘む感じにすると咥えやすい高さで飛び出しを止めることができると思います。

あまり勢いをつけすぎると箱からタバコが飛んでいってしまうので注意。

また、開封済みのタバコを、ポーチなどではなくシャツの胸ポケットに仕舞う場合は、正方形の窓をこのように折りこんで変形させておくと、前かがみになった時に、タバコがパッケージからポロポロとこぼれ落ちてしまうのを防げます

途中の折り曲げ
端っこをちょっと折り曲げてストッパーにします。
100円ライター
このように、100円ライターを詰めておくのも一般的です。

⑦20本目を喫いきったら

クシャクシャ
私はこんな感じでひねってゴミ箱に捨ててます。

私はパッケージをひねり潰してそのままゴミ箱に捨てますが、自治体によっては、セロハン(プラ)・パッケージ(紙)・包装紙(燃えないゴミ)あたりまで分別を求められるかも知れませんので、お住まいの地域のゴミ処理方法に従ってください。

また、ボックスタイプと違って、ソフトパックは残りの本数が確認しづらいので、ひねり潰す前に封緘紙を破り、包装紙を完全に開いて、本当に全部喫いきったかを確認するのもいいかも知れませんね。

分別
ダサいっちゃダサいか。

(格好イイとは思いませんが、なんせ、タバコによっては今は一本30円近くしますから、数本残った状態でひねり潰すと結構な精神的ダメージを受けます。途中で折れてしまったタバコは、そのままではうまく喫えません。)

以上、絶滅危惧種のソフトパックではありますが、末永く売られ続けることを期待しています。

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