reMarkable Paper Proを購入したので雑感、レビュー
はじめに
reMarkable Paper Pro という E Ink タブレットを購入したので、それに関する雑感をまとめた記事です。なお、E Ink タブレットは利用したことがありますが、reMarkable に関してはこれまでのモデルは未購入のため、今回初めての利用となります。
結論としてはよいデバイスだと思ってまして、今後もメインのメモ端末として運用予定です。
どういう用途を想定して購入したか?
主な使い道としては、何かを考える時に使う「電子の紙」を想定しています。他はオライリーなどの EPUB 書籍の読書、PDF などの閲覧、書き込みといった利用用途を想定して購入しました。
使い始めてみての所感
日本語フォントはデフォルトでは入っていませんが、フォントをインストールすれば日本語フォントの表示も可能です。手順は後述
端末内の取得済み認証の情報を確認すると技適は通してあるようです。日本でも無線 LAN など問題なく使えるかと思います
カラー E Ink であることが本製品のウリの一つだと思います。E Ink タブレットという観点では、色味は比較的よいです。ペンを利用する場合、書いた後に再描画されて色が反映されるという挙動になり、最初は少し違和感がありますが、慣れます
ペンはアクティブスタイラスなこともあり、レイテンシは短くとてもよいです。公式サイトによると、書き込みレイテンシは 12ms のようです。ほぼ遅延を意識することはありません。ペンの充電は必要なものの、タブレットの右端にマグネットでつけておけば充電されるので、電池切れを意識することはそれほどなさそうという所感です
"Connect" というクラウドサービスを使うことで、reMarkable 独自クラウドとのデータ同期、タブレットの画面を PC に転送表示するといったことができます。購入直後は 100 日間無料で使えますが、それ以後は有料。とりあえず今後も使うだろうと見越して年間契約しました
個人的にタグ付けの仕様が興味深いです。EPUB や PDF のページ単位でタグをつけることができるので、必要に応じてページにタグを付与後、後でタグ一覧を見て見返すといった使い方ができそう
Read on reMarkable という Chrome 拡張があります。これを使うと Web ページを reMarkable に転送することができます。読み物系の記事を扱うのによさそうです
Google Drive / OneDrive / Dropboxと連携できるので、必要なファイルはこれらのクラウドストレージから取得することができます。連携設定はタブレットからでなく、Web の My reMarkable(reMarkable のサイトから Login) から行う必要ありです
日本語の扱い
2024/9/28 時点では、デフォルトでは日本語未対応です。メニューなども含め、基本的には全て英語などの言語で利用することになります。
フォルダ名、ファイル名、EPUB などで日本語を扱うためには、日本語フォントのインストールが必要になります。
インストールといっても、所定のディレクトリを作り、そこにフォントファイルを配置する形。以下のような手順となります。reMarkable Paper Pro タブレットを Developer Mode にした後、SSH、SCP などを利用して作業が必要です。作業にあたっては Linux に関する基礎的な知識があるとスムーズに操作できるかと思います。手順については「reMarkable 2に日本語フォントを入れる」を参考にさせていただき作業を行いました。また、一部コマンドについては "Easily Install Chinese, Japanese, or Korean Fonts" で配布されているパッケージ内容を解析して参考にしました。
reMarkable Paper Pro を Developer Mode にする(Ver3.14.3.0では、Developer Mode から通常モードに戻す場合、Software recovery の対応が必要です)
SSH か SFTP で reMarkable Paper Pro にアクセス
ホスト:10.11.99.1
ユーザー:root
パスワード:本体の "Settings -> General -> Help の下の About -> Copyrights and licenses→General Information" から確認
日本語フォントをインストールする
/home/root/.local/share/fonts/ttf/takao を作る
Takao Fontsから、"TakaoFonts_00303.01.zip" をダウンロードする
解凍して出てきた TakaoPGothic.ttf を /home/root/.local/share/fonts/ttf/takao にコピーする
"systemctl reset-failed xochitl && systemctl restart xochitl" を実行
ベースは Linux なので、その前提で基本的なコマンドが使えます。例えば、fc コマンドが利用できますので、フォントのインストール状況の確認なども可能です。
個人的な運用方法
用途別にフォルダを切ってそれぞれにノートやEPUB を格納。on going なデータは Favorite にして、基本 Favorite タブを見て作業をする、という運用で一旦落ち着きました。
タグ付けの仕様などもまだ認識したてなので、今後運用は最適化していきたいと思います。機能の理解に関しては、以下の公式 YouTube が参考になります。
購入について
購入方法
reMarkable のオフィシャルサイトにて購入。日本への配送対応してくれます。転送サービスなどを利用する必要はなく、日本の住所を英語で入力すれば OK です。
購入したもの
以下を購入しました。
reMarkable Paper Pro 本体
Book Folio
Marker Plus
Type Folio もデバイスとしては欲しかったのですが、日本語入力に対応していないため今回は見送り。タブレット自体が日本語入力に対応したら欲しいですね。
購入から配送までの流れ
以下のような流れでした。
2024/9/6 reMarkable のオフィシャルサイトで購入
しばらく音沙汰無かったが、20249/18 に 2024/10/8 目処に届くように対応している旨のメールが届く
2024/9/23 に発送通知あり。2024/9/27 までに配送予定となった
2024/9/24 に最寄りの配送拠点に到着したようなので、配送を早めるように配送日を指定
2024/9/25 に到着
配送の流れを見ていると、物自体は香港から発送されたようでした。
全体的な所感
想定していた用途にマッチする製品で個人的には満足です。メインの手書きタブレットとして今後も運用する予定。「電子の紙」という意味で完成度は高く、ユーザー体験もとてもよいと思います。
一方で、値段や出来ることを考えると万人にはおすすめしにくい、というものでもあるかなと思いました。E Ink タブレットでもう少し自由度が欲しい場合には、Onyx 社の BOOX シリーズも選択肢になるかと思います。Android ベースのタブレットとなっており、様々アプリが利用できるので E Ink のタブレットで色々なことをやりたい、という場合には有力な選択肢になるでしょう。また、Kindle がユースケースの中心の場合は、Kindle Scribe なども選択肢になりうるかと思います。
私は手書きメモや読書、考えることに集中するという用途で reMarkable Paper Pro を運用する想定です。
今後への期待
やはり、日本語対応は欲しいところです。
具体的には、デバイス上の表示に日本語フォントを利用できること、手書き認識、スクリーンキーボード / Type Folio での日本語入力です。
日本への配送に対応しているので、日本語フォントについてはデフォルトでインストールしてもらえたらありがたいですね。この点は、今後に期待したいところです。