記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレ考察】行方不明展を徹底考察!(長文)

行方不明展を自分なりに徹底考察しました。
完全にネタバレありなので、抵抗ある方は読まないでください。
(展示内容がちょくちょく変わってるみたいなので、今後何か分かったら追記します。)

まず、行方不明展について色々見たり調べたりしましたが、今のところ、深い考察はまだ見つけられなかったです。
今回の私の考察は、特別配信映像の『正体不明』の内容も踏まえて再構築したものです。
もしかしたら的外れで、「何言ってんだw」って思うかもしれませんが、ひとつの考え方として楽しんでいただければと思います!

かなり長いので、早く結論が知りたい人は下にある「まとめ」まで飛ばしていいです!


 結論

単刀直入にいうと、これは「異世界転生系」の話です。
死にたくはないけど、存在を消し去りたい。
人々の記憶からも完全に消え去って、自分がここに存在していたという痕跡さえも無くしたい、と願う人たちに関する展示会です。

ただし、ここまでは展示会に行った人ならほとんどの人が予測できる「でしょうね」って内容だと思いますし、考察系の記事・動画でもそういう風に紹介しているものがほとんどでした。
しかし、これだけでは説明のつかないものがいくつもあります。
完全には解読できてないですが、それらも交えながら、自分なりの考えをまとめてみました。

「行方不明」のルール

エピローグにも記されていましたが、「行方不明」という現象にはある共通点が存在し、それがいわゆる異世界へテレポートする際の"ルール"とも捉えられます。
そしてこのルールが分かれば、この「行方不明展」の大体の展示物に説明がつきます。(一部説明できないものは謎のままです…)

  1.  異世界へのテレポートはランダムで発生し、その方法も毎回変わる。 そしてそのチャンスを一度逃してしまうと、再び異世界へテレポートできる確率は限りなくゼロに近い。

  2. 異世界へのテレポート時、前いた世界の記憶は消去される。

  3. 転移した人に関する記憶や痕跡は"段階的に"失われていく。

  4. 異世界は、恐らく今と変わらない(ように見える)世界が広がっている。

考えられる限りだとこんな感じだと思います。
次にそれぞれのルールについての考察と疑問点をまとめます。

1. テレポートはランダム発生

異世界へのテレポートは、それを願った人のもとにランダムで発生し、その方法も毎回変わります。
もしかすると簡単な方法かもしれないし、特殊な準備が必要な方法かもしれません。

『手作りの立て看板』

これは、一度異世界転生にチャレンジしたが失敗した人の嘆きと、次にそれを望む人へのアドバイスですよね。
つまり、異世界へのテレポートはランダムであって、それを逃してしまうと1等宝くじを2回連続で当てるように、もうほぼ叶わない。ということです。

『██樹海の木に置かれていた複数のオブジェクト』

うさぎのぬいぐるみとペットボトルの下には書き置きが残されており「もういちど扉を見せてください。 前はおじけづいてしまいましたが、今度こそちゃんと入ります。」と記されてあります。
これも、異世界転生へのチャンスを逃してしまい、それを再び懇願する人のメッセージですよね。

「所在不明」のエリアで、エレベーターやこっくりさん・六芒星・鬼門を開く方法など、実際にある都市伝説やオカルトネタをモデルにしたものがありました。
これは、実際に異世界転移した人の記録ではなくて「どうしても異世界に行きたくて、そんなわけない馬鹿な方法も試した」ということを演出してるのかな、と思いました。
先述した通り、異世界への行き方は完全にランダムなので、都市伝説をそっくりそのまま試しただけでは異世界には行けない、のでしょう…。

地下1階の「真偽不明」エリアに、犬の散歩中に男性が転倒し、突然異世界へワープする映像がありますが、これもまさに、そんな異世界転移への「ランダム性」を表していますよね。(Backroomsのパロディにも思えました。)

恐らく、動画を撮影していた男性は「この世界からいなくなりたい」と望んでいたが、それがまさか転倒した際に起こるとは思わず、さらにはテレポートした世界が想像と全く違う世界であったために、驚き焦っているのでしょう。
男性のために作られたその異世界転移へのトリガーが、転倒するだけで遂行できるものなのか、"犬の散歩中"という付加条件が必要なのか、"家族と犬の散歩中にビデオカメラを回しながら転倒する"というかなり限定的な条件なのかどうかは分かりませんが、兎にも角にも、男性は無事異世界に行くことができました。

『空き家の中庭で発見されたビニールプール』

聞くところによると、このビニールプールが展示されているトイレ、前までは立入禁止になっていたみたいで、最近入れるようになったそうです。
解説文には「2024年8月5日に発見された子供用ビニールプール」と書いてあるので、開催期間中に異世界へ旅立った人がいた、ということの演出なのでしょうか…。

いなくなったのは子供?老人?
8月5日より前は立入禁止だった

解説文には「出所不明」と書いてありますが、なぜか「所在不明」のエリアに展示してありました。
展示スペースが無かったからここにあるのか、あえてここに置いてあるのかは不明です。
ちなみに、他にも立入禁止のドアがありましたが、いずれ入れるようになるのでしょうか……

女子トイレ
非常口

このように、異世界へのテレポートは「地球の誕生」と同じようにランダムで、そしてその方法は毎回姿や形を変えて現れるため、同じ方法は二度と使えない、ということが分かります。

2. 転移完了後、前の記憶は消去される

晴れて異世界へ転移したあとは、前の世界の記憶は無くなります。 そのため、まるで記憶喪失になったかのように、気が付くと知らない場所に立っています。 自分が誰なのかも当然分かりません。 人によっては年老いているでしょうが、その理由もさっぱり分かりません。
それ以前の記憶がすっぽり抜けているんです。

「真偽不明」エリアには、そんな異世界へのテレポートに成功したと思われる展示物もいくつかあって、それを見ると前の世界の記憶が無くなっていることが分かります。

ただし、この「記憶消失」のルールに関しては、それに当てはまらない例外的な展示物が何個かあったので、何か見逃している別の法則があるのかもしれませんが、今の私にはさっぱり分かりませんでした。

『自らの体験に関する掲示板の書き込み』

さらには、このメモは明らかにテレポート前の自分が書いているんだとは思いますが、無くなるのは「記憶」だけなんでしょうか。
それとも本人以外の誰かが送り込んだものなのか…
ここら辺がまた謎な部分ですね。

本来であれば、前の世界にある情報は一切受け継がれないはずなんですが、書き置きやメモだけは残ってたりするんですよね。
何か特別な条件でもあるんでしょうか。

それとも、そもそも前の世界とは繋がりもないもので、単なる製作者のミスリードって可能性もありますが。

『██駅に繰り返し貼られた紙』
『自らの記憶に関する質疑』

さらに言うと「記憶が無くなる」というのは、一体どこまでの記憶を指すのでしょうか。
この展示物を見る限りだと、転移しても言葉などは忘れずに覚えているようですね。
記憶は記憶でも、保持され続けるものもあるみたいですが、「無くなる記憶」と「無くならない記憶」の違いはなんなんでしょうか。
これは流石に演出上の都合でもあるんでしょうね……
分かりませんが。

これって一般的な「記憶喪失」と似ていますよね。
言葉は分かるけど、人の名前や自分が誰なのかは分からない。

3. 行方不明者の情報は"段階的に"失われていく

『「ゆうくん」という名前の人物に関する貼り紙(2014年)』

これに関しては展示会を見ていれば皆さんも大体お分かりだと思いますが、"段階的に"というのがポイントみたいですね。
人によってはその行方不明者のことをハッキリと覚えていたり、うろ覚えだったり、完全に忘れていたりと、情報がバラバラです。
ここで一つ疑問なのが、どこまでを「異世界に転移した人の痕跡」とするか、ですね。

写真はもちろんですが、その人の書いた手紙や思い入れのあるモノなども、その痕跡に含まれるはずですよね…。
「その人に関する記憶や痕跡は"段階的に"失われていく」のであれば、本来この展示会に置いてあるさまざまな文書・写真・モノはなぜ展示できているのでしょうか……。
「いなくなってまだ間もないからまだ消えずに残っている」のもあると思いますが、何十年も前にいなくなった人の顔写真や映像はなぜ残っているのでしょうか。

とすると"段階的に"というのが時間的なものではない、という仮説が立てられますね。
であれば何なのか?というのはまだ真偽不明です……😢

別の仮説を立てるならば、その行方不明者への「思い入れの強さ」が関係しているのでしょうが……
それでは説明できない例外がまた出てきます。

『ある民家に投函された空の封筒』

一番思い入れが強いであろう息子の親である「あなた」は「全く覚えていない素振りを見せている」と記されています。
であれば、この手紙の送り主は一体何者で、なぜそんな人が「あなた」と息子の楽しい写真を持っているのか?
この手紙の送り主は、その行方の分からない息子に対して、親である「あなた」を超えるほどの「強い思い入れ」があったから、と言えば辻褄があいますが、真相は未だに分かりません。

『手紙』

聞くところによると、以前はここに「赤い折り紙の中に書かれた文章」が展示されていたそうです。(ここではないかもしれないですが、先月行った友達が「赤い折り紙」の話をしていたので多分あったんだと思います。)

前は何かが展示されていた……?

「散逸」というのはどういう意味なんでしょうか。
単に劣化して無くなるのとは意味が違いますよね。
恐らく、「行方不明」になった人の痕跡が"何かしらの段階に"突入して消えてしまった、ということを、日によって展示内容を変えることで演出してるんだと思います。
もしかすると、この先無くなる展示物があるかもしれませんね……

4. 異世界は今の世界と似ている

これは完全にオリジナルの考察&私自身の妄想も混ざっていますが、みんなが求める「異世界」は、恐らく、今いる世界となんとなく似ているような気がします。

というよりも、今いる世界をもとにして"再生成される"と言った方がいいでしょうか…

The Backroomsの元ネタになった画像

Backroomsを題材にしたゲームをやったことがある人なら分かると思いますが、毎回毎回マップがランダムで生成されます。(全部ではないけど)
今回表現されている「異世界」も、空間自体は似ているけど、完全に同じではないその感覚に近いのかなって思いました。

テレポート先の異世界は、今いる世界をベースにしてランダムで再生成される。
どこまでがベースで、どこまでがランダムなのかは分かりませんが、恐らく人の顔や見た目、ありとあらゆる場所やモノ、人の名前や地名、モノの名称などが、全て「再生成」されるのではないでしょうか。

だから、どこかで見たことある気がするけど、どこにも存在しない場所や景色があるんだと思います。

『███郡の山中に棄てられた荷物』

「出所不明」エリアにある、ボロボロのシャツの胸ポケットに入っていたとされるメモです。
解説文にもありますが「和二市」という地名は存在しないそうです。 これはまさに先述した「ランダム生成」に近い要素ですよね。
「和二市」
ありそうだけど存在しない……この感じです。

そしてこの地名に関して、解説文にはさらに「少なくとも国内には存在しません」と書かれていますが……この解説違和感がありますよね。
「少なくとも国内には」というニュアンスは、海外にならある、という文脈ではなく「この世界にはないけど、別の世界にならあるかもね」みたいな意味合いですよね。

『存在が確認できない企業ロゴが入ったボールペン』

このボールペン、存在しない企業ロゴが入っているらしいですが、この企業は別世界のものなのでしょうか。  だとすると、この世界に似たパラレルワールドのボールペンみたいなものなのかもしれませんね。
ただひとつ、このボールペンの解説文にかなり気になることが書いてあって、「このボールペンが明らかに一度破壊され、そのうえで無理な修復がなされていた」とあります。
一度壊して捨てたこのボールペンが、異世界へ行くために必要なアイテムだったのか?
と思いましたが、多分違うでしょうね笑

「真偽不明」エリアにあった、存在しないけど既視感を感じる画像ですが、これっていわゆる「AI生成画像」ってやつですよね。

どこかのショッピングモール……?
どこかの駅のホーム……?
どこかの地下鉄の構内……?

すでに存在している場所の画像をAIに取り込み、共通する部分と変化する部分を学習して、存在しないけど既視感のある物や場所を"再生成"する、それがAI画像生成のメカニズムです。

まるで今回の異世界の作られ方とそっくりだと思いませんか?
既視感はあるけど存在しない景色・場所・人・モノ・世界。

そしてその異世界が天国になるか地獄になるかは、完全にランダムなのです。
地球のように、生命が生まれる煌びやかな世界かもしれないし、太陽のように何もかも燃え尽くす地獄のような世界かもしれない。

「※ この展示はフィクションです」の本当の意味

思い返してみれば、この「行方不明展」で使われているありとあらゆる顔写真も、どことなく「AI画像」っぽさがあるんですよね。

『█████にアップロードされていたMAD動画』の横にある捜索願いの貼り紙

これを「作り物感満載すぎ!」と批判している人たちが散見されましたが、リアルさを重視して実在の人物の顔写真を素材として使ってしまうと、それは"フィクション"ではなくなってしまうのです。
つまり、「本当にこの世界に存在しない」ということを演出するためには、存在しない人物の顔写真を使う必要があるわけです。
だからAIで架空の人物を創り上げたのかな、って思いました。
幾度となく強調される「※ この展示はフィクションです」という文言には、そういう意味が込められているのかもしれませんね。

最近のAI生成画像って、本当にホンモノの写真と質感がそっくりなんですよね…実在しないのに。
だからこそ「不気味の谷現象」にも似た、変な気持ち悪さがあるんだと思います……。

実在する人物の顔写真を加工して作ったりとか、CGや特殊メイクなど、他にもそれを再現する方法は色々あったと思いますが、あえてAI画像を使ったのは予算上の都合なのか、はたまたそれも"狙い"なのか。

『██市の民家の玄関に掲示された文書(2003年ごろ)』

元の世界に帰って来れるかもしれない

これも私の考察ですが、今の世界と似ているのであれば、新しい世界にも当然ながら「行方不明」という現象は存在しているはずです。
とすると、その世界でもまた「行方不明」になりたがる人はいるわけです。

つまり、理論的には何回でも異世界に行くことができて、それを繰り返すことで最初の世界── つまり元の世界 ──に戻ることができるわけです。

というか、そうでないと説明が付かないような展示が何個かありました。

『「存在しない景色」に関する貼り紙』

「この景色を見たことがある」というのが、前は在ったけど、その場所だけがテレポートしてしまったのか(場所だけが異世界に行く描写は無かったから多分違う)、それとも前の世界の記憶がうっすら残っているのか。
だとすると「前の世界の記憶は消去される」というルールに反するし、でももしかしたら例外があるのかもしれないし……とにかくこれだけは未だ真相不明です。

まとめ

長くなりましたが、まとめると…

・異世界は今ある世界を再生成しただけなので、どこか既視感があるが、同じものは1つとして存在しない。

・異世界転移はランダム発生で、方法も毎回違う。簡単にできる時もあれば、手間がかかる時もある。

・一度異世界転移に失敗すると、もう二度と同じ方法で転移することはなく、次いつそれが発生するかも全く分からない。

・異世界に行ったあと、前の世界の記憶は消えるが、懐かしさや既視感だけはなぜか残る(らしい)

・異世界に行った人の情報や痕跡は、いなくなってすぐ消えるわけではないが、次第に薄まっていき、最終的には完全に消失して存在していなかったことになる。

あとがき

今回の「行方不明展」はドラマや映画みたいに、人生をやり直したり、リセットしたりするわけではなく、あくまでもそのままの状態で(記憶だけ消去して)今と似た世界にワープするだけ、というところがポイントかなと思います。
なので年齢も見た目も変わらない。 輪廻転生みたいに生まれ変わるわけでもないし、アニメのように、不思議で滑稽で変わった世界で無双するわけでもありません。

どこか今のAIブームや社会問題への何かしらのアンチテーゼのような気もする、というのはさすがに深読みしすぎかもしれませんね笑
個人的にはパラレルワールドみたいな、天文的な恐怖を感じましたね。
本当に存在する事象なんだけど、我々には絶対確認することができない現象って、実はたくさんありますよ。

もしかすると私たちが今こうして生活しているこの世界も、もともとは何かモデルやベースがあって、それを再生成してできただけかもしれないですね。
その中には、もしかすると別の世界から転移してきた人が混ざってるかもしれません。

今世界で起こってる様々な社会現象もしくは心霊現象って、AI生成画像にあるちょっとした違和感(指が変・背景が歪んでるなど)と同じように、世界を再生成した時にできた副産物(バグ)かもしれないですね笑


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?