にじさんじとホロライブ、どちらが真のグロースなのか
ゴールデンウィークも終盤に差し掛かった今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。3年にも渡る世界的な疫病騒ぎで大幅に縮退していた経済活動も本格的に再開し、インバウンド再開でどこに行ってもクソ混んでいるのが自明な中、私は出掛ける気にもならず暇をしているので、自身の頭の整理も兼ねて、はじめてnoteで有料記事なんてものを書いてみようと思い立ちました。
さて、昨今一部界隈で話題になっている最大手VTuber事務所「にじさんじ」(運営会社:ANYCOLOR株式会社 TYO:5032)と「ホロライブ」(運営会社:カバー株式会社 TYO: 5253)ですが、どこを見ても表面的な解説しかされておらず、サービス開始時から追っていて具体的な解説が行われているものが無い為、これまでの経緯を振り返りながら、今後の事業拡大余地や展望などを考察していきたいと思います。
※後段にも記載しますが、本記事に記載されているいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。当たり前ですが、最終的な投資判断はご自身でご判断ください。
にじさんじの来歴と変遷
恐らく個人投資家界隈では知らない人が殆どだと思いますが、ANYCOLOR株式会社は元々は「いちから株式会社」という名前で創業されており、VTuber界隈では「にじさんじ=いちから」という認識で親しまれていました。ですが、上場前に社名変更が行われ、現在に至ります。(余談ですが、私は社名を横文字にわざわざ変更した時点で、そろそろ上場なんだろうなと察しました。株式分割の公告などもありましたが。)
にじさんじの創業時~黎明期には、実は経営者側の顔、ホロライブで言うところのYAGOO(谷郷元昭社長)にあたる人物が居ました。当時の最高執行責任者の岩永太貴さんです。経営者でありながら、にじさんじ1期生である月ノ美兎を自ら採用後、そのマネージャーも務めるなど、界隈では有名な方でした。その後ご自身の体調不良なども重なり一線を離れられ、現在は同社を既に退社されており、私もてっきり岩永さんは体調不良が理由で退社されたものと勝手に思っていたのですが、先日行われたにじさんじライバーのとある配信で本人の口から「会社の成長に併せて、フェーズも変わり、必要とされる人材も変わったので(辞めた)」という事実が明かされました。
にじさんじは所属ライバー数が多い、多種多様な人材が稼働していることが特徴で、分散型のポートフォリオを組んでいると言えます。今やすっかり同社の人気ライバーとなった壱百満天原サロメが加入するまでは、多少の凹凸はありましたが、どちらかと言うと各ライバーは横並びの印象が強く、逆に上場直前に行われた彼女の加入は「にじさんじ」にとっては異端、異質なイベントでした。
通常は複数名のライバーを同時に加入させて「同期」を作るかたちでデビューをさせる(例:同社人気ライバーの星川サラの世代であれば、山神カルタ、フミとの3人同期「織姫星」でのデビューであった)のですが、彼女はピンでのデビューという戦略的かつ挑戦的な取り組みでした。結果としてそれまでVTuberを知らなかった、所謂一般層の新規顧客を多く流入させることになり、この試みは大成功を収めたのですが、仮に失敗すれば上場を控えた大事な時期に滑るリスクも当然孕んでいたわけで、個人的にはかなりの賭けを面白いタイミングでやってきたなという印象を受けました。
ホロライブの来歴と変遷
ここまでにじさんじについて書いてきましたが、ホロライブについても変遷などを書いていきたいと思います。創業者社長の谷郷さんは慶應理工卒で、イマジニアでiモード周りの開発を手掛けていた所謂、技術畑出身者です。
にじさんじも創業時には、岩永さんが1期生の月ノ美兎にライバー向けのアプリ(当時はまだロクに動かない試作品段階のアプリ)がインストールされたiPhoneを1台手渡し「これでなんか面白いことやってみて、そんじゃよろしく!」という滅茶苦茶なベンチャー仕草全開でVTuber事業を創業していますが(しかも月ノ美兎は当時自宅にまともな配信環境が無かった為、自前のノートPCとiPhoneを洗濯機の上に載せて配信活動をしていた)、ホロライブも創業ライバー(ホロライブ0期生)のときのそらをデビューさせるまでには紆余曲折相当の苦労をしており、ホロライブとしての活動が始まった後も、今やTHE FIRST TAKEにも出演するまで有名になった星街すいせいの扱いを巡ってごたごたがあったり(歌手ユニットを組ませようとしたが、当初は会社側にもロクな体制が整っておらず、その歌声・特性を全く活かせず、知る人ぞ知るインディーズアーティストのような存在だった)、当時まだ10代であった1期生の赤井はあとが自身のVTuber活動と学生生活の両立が上手くいかず配信中に突然泣き出してしまったり、精神的に不調になったライバーが活動を一時休止したりと、山あり谷ありを経て現在に至っています。
両社の強みは何なのか
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