ロックスターになれなかった君へ。
自己啓発でも、免罪符でも無い。
同情を買うつもりも、赦しを乞うつもりもない。
遠い記憶になりつつある事を書き留めておく。
忘れるつもりもないが、書き留める。
ベロベロ散文。
ただの記録。
2013年、当時のバイト先で手足が震え、眩暈がして、倒れ込んだ。唾が上手く飲み込めなかったのを、覚えてる。
暫くバックヤードで休んでいると回復したが、早退。翌日に病院に行くとフワーっと「パニック障害じゃないかなぁー?」と言われる。
なんそれ、知らん。
ググった。
まぁ当てはまるっちゃ当てはまるけど、、、自分がなるわけない。
何よりロックバンドのボーカルとしてはあまりにダセェと思い、貰った薬も二日経たず捨てた気がする。
そして酒や女に逃げる事にした。
今となってみてはそっちの方が遥かにダセェのであった。
数年は騙し騙しで生きた。
ものの、気分の浮き沈みが激し過ぎて、
なんであんな事言ってしまったんだろう、
なんであの時あんな事で塞ぎ込んでしまったんだろう、
自分は何者なんだろう。
みたいな事をほぼ毎日決まった時間、1人の時にグルグルと考えるようになった。
いつしかバンドメンバーの前でも笑えないようになった。
完全に自分を見失っていたと思う。
ゴリゴリの円形脱毛症にもなった(4箇所、金髪で良かった、、、)
んで、嫌々数年ぶりに病院に行くとハッキリと言われたのが、双極性障害。
いわゆる躁鬱病。
ググらなくても分かるくらい、その通りだと妙に納得してしまった。
「このままだと死んじゃうよ?命は大事にしないと」みたいな事をジジイに半笑いで言われた。
これはもう、治さないとバンド以前に生活が出来なくなると思ったので自分なりに向き合うことにする。
禁酒、投薬、そして太る(笑)
そうこうして治療してる中、バンドの解散が決まる。
スッと一つ、楽になった気がした。
そう書くと、バンドのせいだと誤解されてしまうが全くそんな事はない。
寧ろ、良いメンバーに恵まれたからこそ、ポンコツの状態でもステージに立つ気力を保てていたんだと、今は思う。
ただ、バンドが売れないのは、どこまで行ってもソングライター、そしてボーカルのせいだと、誰よりも感じていた。
誰かの人生を背負っているという自覚、劣等感、焦燥感が、当時の俺には重過ぎたのだと思う。そこから逃げることも向き合うことも出来なかったのだ。
そこから解放されつつある残りのバンド活動、ライブはとても気持ちが良いものだったなぁ。
当時騙し騙し生きていた二十台半ば、僕は酒癖、女癖が悪い、絵に描いたようなクズだったと思う。
そういうのって簡単に拭えない。
誰かの人生を背負う前に、自分の人生と、自分の罪を背負っていこうと思った。
聖人にはなれなくとも、優しくはなれると思った。
ロックスターになれなかった君へ。
歌い続けろ。
嘘をつかず、自分に正直にいろ。
その中でひどくかっこ悪い事も歌にするだろう。
それでも信じてもらえるかっこいい人間でいろ。
ブレるな。媚びるな。満足するな。
それでも30分、1人の為に命を削って歌える人でいろ。
今はお酒も飲むし、投薬もしてない。
こういうのは、完治はしない病気らしい。
でも別にいいや、と思えるくらいにはなった。
それなりに笑えてるし。
大切な仲間がいる。
今が一番幸せです。
それは、間違いなく、あなたのおかげだ。
以上