リリース & Slack Times と共に振り返る、Ubie Discovery でソフトウェアエンジニア生活2021
どうも、tatsuroro こと中村達郎です。
Ubie Discovery に入社してはや1年と4ヶ月が過ぎました。
スタートアップという環境で開発する体がだいぶできてきた気がします。
環境とはつまり「スタートアップは本当に崖の上から飛び降りながら飛行機を作ってるのか?」で@shikajiroさんも書いていたリード・ホフマン氏の言葉のやつで、常に落下している状態のことです。
飛び降り耐性がついてきたとも言えます。
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医療業界で新しいサービスを作っていくというのは不確実性が高く、事業の初期段階では正解が全くわかりません。
正解がわからない中で、試行錯誤をなるべく早い速度で繰り返す。
スタートアップの醍醐味でもあります。
ゆっくりかっちり着実に作っていては落っこちてしまう。
なので、今年もたくさんリリースしました。
toB SaaSのユビーAI問診で約150回、toCのユビーAI受診相談で約700回。
正直、周りの開発陣がパワフルすぎるので必死でついていったら、いつのまにか一年が終わったなあという気分です。
とはいえ、多少なりともリリース回数には貢献できたし、得られたものは沢山ありました。
あと、なんだかんだずっと楽しかった。
今年やってきたことを振り返りつつ、なんだかんだ楽しかった様子をお伝えできればなと思います。
では以下具体。
1月〜3月期
2021年前半は toB SaaS 「ユビーAI問診」の開発をしてました。
タブレットで診察券のバーコードを読み取る機能を作ったり、タブレット問診をはじめる時のメニューUIを改善したり。
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開発以外では、エンジニア採用推進チームをリードする役割を持っていたので、採用関連のあれこれに注力していました。
面談の内容を微調整して、よりお互いの納得感を高められないかとか。
Ubie Discovery の魅力をもっと認知してもらうためになにやろうかとか。
2021年1月は緊急事態宣言下ということで、物理で会って話すことができなかったんですよね。
そこで、社内で Ubie Uber Eats の仕組みが考案され、これは良さそうということで皆で推進しました。
お寿司美味しかった。
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あと業務関係ないけどシン・エヴァが公開されましたね。
社内Slackに #random-eva-netabare チャンネルが爆誕し、みんなで終劇していたのが懐かしいです。
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4月〜6月期
4月は引き続き toB SaaS 「ユビーAI問診」開発チームに。
スマホでWEB問診する機能のユーザー体験を改善してました。
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この機能を作ってる頃、必要に迫られて Rails と本格的に向き合い始め、「何もわからない」と「完全理解」の間を行き来していていました。
jQuery で実DOM操作が久しぶりすぎてすごく辛かったのを覚えています。
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(ここでいう Rails Admin は Rails で作ってる管理画面の意)
4月から開発チームのスクラムマスターもはじめました。
スクラム開発のあれこれを学びつつ、どうしたらチームの生産性がより高まるのか、未経験の見様見真似で試行錯誤。
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5月は患者さんの個人情報まわりの機能改善を進めていて、氏名、年齢、性別と向き合っていました。個人情報の取り扱いや利用許諾などに少しだけ詳しくなった。
もっとも、このあたりの開発をゴリゴリ進めていたのは @sys1yagiさんなので、自分は UI まわりをメインに手伝った感じですね。八木さんはすごい人。
6月、toCチームであるユビーAI受診相談の開発チームに参加。
同時にスクラムマスターの役割はなくなり、開発メンバーとしてキャッチアップしはじめました。
ユビーAI受診相談のドメイン、Kotlin、久々の GraphQL と向き合う。
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エンジニア採用推進チームのリードも引き続き。
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7月〜9月期
6月末にユビーAI受診相談のアプリ版を作るぞ!という方針になり、やるぞやるぞって言ってたらスーパースマートな同僚が一週間足らずでアプリ版のイニシャルバージョンを用意してました。早すぎ。
まずはアプリの基本的な体験を作るべく、Firebase Dynamic Links の仕様を調べたり、アプリのクラッシュモニタリングやロギングなど足元の整備を進めていました。
同僚に元 iOSエンジニアや元Androidエンジニアがいるありがたみを噛みしめる日々。
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この頃、アクセシビリティ推進にも取り組みはじめました。
「ユビーAI受診相談でほんとうに起きていた怖い話〜アクセシビリティ編〜」で語られている話に直面して怖い思いをした、もとい直すのを頑張った。
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7月の後半、ユビーリンクという新しいサービスを立ち上げることになり、社内オペレーションのためのシステムを数人のチームで開発しはじめました。
管理画面のフロントエンドに Tailwind UI を採用。Tailwind CSS まわりの理解が深まりました。巷では賛否あるけど、手軽で便利なのは間違いない印象。
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関連して、FAXを送信するAPIと向きあったりもしていました。日本人はFAX好きなんて一部海外で揶揄されたりもしてるけど、根強いインフラなのだということを現場で知り。開発を通じてシステムとしての脆弱さも知り。
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7月〜9月頃は、ユビーリンクまわりの機能開発、アプリ開発、アクセシビリティ開発と、あれこれ手を広げていました。アウトプットはしてるけど出力が分散しているのを感じてたし、期の終わりにプロダクトオーナーからも「バランス型なのはいいけど、お前はどの分野でバリューを出すのか」とフィードバックをもらっていたので、フォーカスすることを誓う。
10月〜12月期
チーム編成が刷新され、ふたたびスクラムマスターをやることに。
前期の反省を踏まえて、スクラムマスター業とユビーAI受診相談の開発に集中していました。
より多くのユーザーさんにアプリを利用してもらうための施策いろいろを頑張った。アプリにお知らせページを追加したり、チュートリアルを追加したり、Universal Links / App Links を実装したり。
アウトプットはある程度出せた気がします。
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11月に入ると、ユーザーさんの氏名、年齢、性別と向き合うことに。
個人情報を適切に運用できるよう、認証機能の強化を進めていました。
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セキュリティ関連は全く詳しくないので、設計が甘いことが実装直後に発覚して手戻りしてしまい大変でした。関係者の皆さん面目ない。
チームの皆のおかげでどうにか実装は完了して一安心。
より便利かつ堅牢な構想は、2022年の新たなチームに引き継がれました。
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おわりに
改めて振り返ってみると、忙しくも楽しい一年でした。
医療という領域を知れるのが楽しい、作った機能を喜んでもらえるのが嬉しい、新しいチャレンジを続けられるのも楽しい(大変だけど)。
そして、Ubie Discovery のカルチャーと開発チームで働くのがハッピー。
優秀でフレンドリーな同僚に囲まれ、政治的なうんたらやしがらみのどうたら、評価忖度ポスト争いその他マウント的なあれこれから離れて率直にコミュニケーション。
この環境はやっぱり僕の性に合っているなあと改めて感じた次第です。
(もちろん合わない人もいるだろうけど)
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あと、日々会社でなにかが起こっているし、組織構造はホラクラシーによって柔軟にアップデートされていくし、3ヶ月ごとに全社目標がアップデートされ、チーム編成が逆コンウェイの法則されるしで、刺激の多い毎日です。
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以上、いちソフトウェアエンジニアの Ubie Discovery 生活でした。
それではみなさん良いお年を。